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ステップ配信×LINE Tagで「カゴ落ち」を防止!ROAS3,000%超えを達成したギャップジャパンの戦略とは

ギャップジャパン株式会社

2022.12.23

ギャップジャパン株式会社
Gapマーケティング CRMマネージャー 坪井まり絵氏(写真左)
Gapマーケティング CRMアシスタント 中村愛生氏(写真右)

アパレル大手のギャップジャパン株式会社(以下、ギャップジャパン)では、2018年から顧客ロイヤルティーを高めるためのコミュニケーションツールとしてCRM(顧客関係管理)を管轄する部署がLINE公式アカウントの運用をしています。

 

2022年4月からは、LINE公式アカウントを活用して、オンラインショップの”カゴ落ち(買い物かごに入れられたものの、購入まで至らない商品)”を防ぐことを目的とした取り組みを始めています。その取り組みや効果について、同社Gapマーケティングの坪井まり絵氏(以下、坪井氏)と中村愛生氏(以下、中村氏)に話を聞きました。

目的
  • ギャップジャパンの会員となるメンバーシップ登録(会員登録)へのハードルを下げ、会員数を増やしたい
  • ”カゴ落ち”を防ぎ、購入の後押しをしたい
施策
  • メンバーシップ登録(会員登録)のハードルを下げるため、LINE公式アカウントを利用した会員登録を案内
  • 商品や友だちの属性に合わせて、メッセージを配信
  • メッセージ配信の効果計測のためにLINE Tagをショッピングカートページと購入完了ページに設置し、「ウェブトラフィックオーディエンス」を作成できる状態に設定
  • 「ステップ配信」機能の開始条件に「ウェブトラフィックオーディエンス」を設定し、カートに商品を入れてから1日後に購入を促すメッセージを配信
     
効果
  • メンバーシップ登録前にLINE公式アカウントを一度案内することで、登録へのハードルが下がり、効率的に会員数を増加させることに成功
  • ターゲットに合わせたメッセージ配信を行った結果、メッセージの開封率はおよそ50%前後を記録
  • ”カゴ落ち”ユーザーへのステップ配信の結果、2022年7月時点のステップ配信経由のROAS(費用対効果)は約3,000%超えを記録

「友だち追加」からメンバーシップ登録の流れで、効率的に会員を獲得

アメリカ発の衣料品製造・販売大手のギャップジャパンは、2015年にGapブランドのLINE公式アカウントを開設し、2018年からCRMマーケティングの要のツールとして運用をしています。

 

「以前は店頭で商品を購入したお客さまに自社アプリをダウンロードしていただき、メンバーシップ登録(会員登録)をしてもらうことで顧客情報を取得していました。しかし、アプリのダウンロードには時間がかかるため、お客さまの負担につながり、思うように会員数が伸びないという課題を抱えていました。

 

そこでLINEログインを利用し、LINE経由で会員登録をしていただいたところ、登録へのハードルが下がり、効率的に会員数を増やせるようになりました」(坪井氏)

 

国内の月間利用者数9,300万人(2022年9月末時点)を擁するLINEは、すでに多くのユーザーのスマートフォンにアプリがインストールされています。その場で簡単に友だち追加ができるLINE公式アカウントを活用すれば、メッセージ配信などを通じて継続的にユーザーとコミュニケーションをとることも可能になります。

 

実際、店舗のスタッフからも、「LINEであれば気軽に登録をしてくださるお客さまが多い」という声が多く上がっているそうです。現在、友だち集めの方法は店頭での声掛けがメインで、メンバーシップ登録で「5%OFFクーポン」をプレゼントなどのインセンティブを設けています。

友だち追加時に自動で送られる「あいさつメッセージ」でもメンバーシップのメリットを訴求し、登録を促す

また、LINE公式アカウントの運用に際して「売り上げアップへの期待も大きい」と坪井氏は話します。

 

「SNSやLINE公式アカウントは特性に合わせて担う役割を分けています。まずTwitterやFacebook、Instagramなどを活用して、ブランドの認知を広めています。そして、興味・関心を持っていただき、店舗やオンラインストアへ来ていただいた方にLINE公式アカウントを通じて継続的にコミュケーションを取ることでロイヤルティーを高めていきます。最終的には当社のアプリをダウンロードしていただき、LTV(顧客生涯価値)を最大化するというのが戦略の柱です。会員になる前のお客さまとのタッチポイントから購買の後押しまで、一つのツールで完結できるのがLINE公式アカウントの魅力です」(坪井氏)

オーディエンスデータを活用したステップ配信で、購入を後押し

ギャップジャパンでは、LINE公式アカウントを活用した購買の後押しとして、商品紹介やプロモーションの案内など週に2~3通のメッセージを配信しています。その際に、「大きく3つの配信方法を使い分けている」とLINE公式アカウントの運用を担当する中村氏は説明します。

 

「まず季節ものの商品やプロモーションの情報などは、一斉配信をしています。一方、特定の商品を訴求したい場合には、性別に加え、例えばお子さんの有無などで細かく配信対象を分けて、商品のターゲットに合わせた配信をしています。他にも、過去にメッセージを開封した方のみに配信するなど、よりギャップジャパンへの興味・関心が高そうな方に絞ることで、費用対効果の高い運用を目指しています。その結果、メッセージの開封率はおよそ50%前後と、LINE公式アカウントのメッセージは読まれやすいと感じています」(中村氏)

 

また、2022年4月から開始しているのが、「ステップ配信」とLINE Tag(※)のトラッキング情報を基にしたオーディエンスデータ「ウェブトラフィックオーディエンス」を組み合わせた取り組みです。

 

※「LINE Tag」は、LINE公式アカウントやLINE広告による配信効果を計測する際に必要となる機能です。Webサイト上に設置することで、どのくらいのユーザーが自社のサイトを訪問したのか、あるいは商品・サービスの購入に結びついたのかなどを計測することができます。詳しくはこちら

 

「ステップ配信」とは、あらかじめ設定しておいた内容・タイミング・期間でメッセージを自動配信できる機能です。例えば「友だち追加をして〇日目にクーポンを配信」「女性にのみ配信」「商品購入から△日後にアンケートを配信」などの条件が事前に設定できます。一度設定すれば、設定した対象にメッセージを自動配信するため、運用負荷が大きく軽減されます。

 

ギャップジャパンでは、オンラインショップのショッピングカートページと購入完了ページにそれぞれLINE Tagを設置しています。これにより、「カート内に商品を入れたユーザー」と「購入が完了したユーザー」のデータを抽出することができます。この抽出したデータをステップ配信の条件に設定することで、「カートに商品を入れたものの、購入が完了していないユーザー(カゴ落ちユーザー)」へのメッセージが自動配信できるようになりました。

 

「カートに商品を入れたまま購入に至っていないユーザーに対して、1日後に購入を促すメッセージを配信しています。まだ取り組み始めたばかりの施策のため配信総数が少ないのですが、2022年7月時点のステップ配信経由のROASは約3,000%超えという数字が出ました。まだ購買の意欲が高いうちにLINE公式アカウントでメッセージを届けることで、購入を後押しする効果があるのだと実感しています。

 

また、オーディエンスデータをステップ配信に活用する場合も、通常のステップ配信の設定と変わらないため、気軽に運用できます。オーディエンス機能が追加されたことで、ステップ配信の活用の幅が広がったので、これからさらに有効な活用方法を考えていきたいと思います」(中村氏)

カゴ落ちしているユーザーにメッセージを配信し、購入を後押し

購入につながるLINE公式アカウントの効果に期待して、他ブランドにも展開

現在、LINE公式アカウントはギャップジャパンのアプリと並んで、最も売り上げを生み出しているツールとなっています。

 

「今ではLINE公式アカウントの配信があるタイミングに合わせて出荷担当チームが特別な体制を準備するなど、LINE公式アカウント経由の売り上げは本当に大きな数字になっています。今後は姉妹ブランドの『Banana Republic』でもLINE公式アカウントの活用を強化していく予定です。アパレルブランドにとってオンラインの成長がますます重要になるので、着実に売り上げにつなげられるよう、これからもLINE公式アカウントの活用を進めていきたいと思います」(坪井氏)

 

また、ユーザーの属性を考慮した配信にもより注力していく予定だといいます。

 

「LINE公式アカウントの機能がどんどん進化していて、よりOne to Oneの運用がしやすくなっていると感じています。当社はキッズ服も扱っているので、今後『お子さまと一緒に着られるコーディネート』特集など、プラスアルファで購入いただけるような配信に取り組んでいくつもりです。今では、LINE公式アカウントの配信スケジュールを他部署の社員から尋ねられるなど、当社にとって欠かせないツールとなっていて、運用担当として少しプレッシャーもありますが、しっかり計画を立てて着実に売り上げを伸ばしていきたいと思います。今後の機能強化にも期待しています」(中村氏)

 

 

(公開:2022年12月、取材・文/相澤良晃)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
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