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運用型広告とは? メリットや仕組み、成果を出すポイントを解説
運用型広告とは、運用しながら配信条件を変えられる広告です。ターゲット設定や予算などを調整しやすいことから、オンライン広告の主流になっています。
本記事は運用型広告とは何か、仕組み、メリット・デメリットや運用方法、成果を出すためのポイントなどを解説しています。運用型広告をスタートするために役立ててください。
運用型広告とは
運用型広告とは、広告掲載先や掲載期間、広告内容、予算などを運用しながら変更できる広告です。例えば、運用途中で掲載先のWebメディアの変更や広告のキャッチフレーズを微調整することができます。
また、成果のいい媒体やクリエイティブ(広告素材)の予算を増やしたりといった柔軟な運用をおこなうことも可能です。
この運用型広告の特徴は、新聞や雑誌などへの広告と比べるとわかりやすいでしょう。マス広告は一度契約したら、掲載面や掲載期間などを変えられませんが、運用型広告は状況に応じて変えることができます。オンラインの広告(=Web広告)にもマス広告のような方式があり、これは予約型広告、買い切り型広告、純広告などと呼ばれます。
運用型広告は広告運用がしやすく、企業の規模や業種を問わず活用できるため、Web広告では主流になっています。インターネットで目にする広告の8割近くは、運用型広告だといわれています。
運用型広告の種類
運用型広告の主な種類は、「リスティング広告」「SNS広告」「ディスプレイ広告」「動画広告」「DSP広告」の5つです。それぞれの概要、特徴について解説します。
リスティング広告

リスティング広告とは、Yahoo! JAPANやGoogleなどの検索エンジンの検索結果ページに表示されるテキスト形式の広告です。広告主は自社商品に関連したキーワードを選んで広告を出稿します。
リスティング広告は検索行動をしているタイミングで広告を見てもらえるのが特徴です。つまり、何らかのニーズが高まっている「顕在層」に対して有効な広告といえます。例えば英会話スクールの事業者なら、「○○市 英会話スクール」のようなキーワードに出稿することで、今まさに英会話スクールを探している、成約確度の高い人にアプローチできます。
ヤフーのリスティング広告については、こちらでご覧いただけます。
「Yahoo!広告のリスティング広告」について詳しく見る
ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、企業のWebサイトや個人ブログなどの広告枠に表示される動画・画像・テキストで作られる広告です。運用型広告の場合、Yahoo!広告などのようなWeb広告サービス会社が管理する広告網(=アドネットワーク ※後述)に表示されます。
ディスプレイ広告は動画や画像による高い訴求力が特徴です。テキスト情報が中心のリスティング広告と異なり、ディスプレイ広告では動画や画像(バナー)の形式で表示させることができます。動画や画像には、テキストだけの情報と比べるとケタ違いの情報量があるため、訴求したい情報をたくさん伝えることができます。
また、ユーザー属性(年齢や性別、興味・関心など)や配信条件(Webサイトの種類や、配信地域、配信時間)などの多彩なターゲティング機能を利用できます。そのため、潜在顧客に向けた認知度向上やブランディングのための広告に利用される傾向があります。
ディスプレイ広告やヤフーのディスプレイ広告については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「ディスプレイ広告とは? リスティング広告との違いと出稿方法」を読む
「Yahoo!広告のディスプレイ広告」について詳しく見る
DSP広告

DSP広告とは、「Demand Side Platform」の略称で、複数のアドネットワークを横断して配信できるサービスです。Yahoo!広告のようなアドネットワーク事業者を複数利用できるようになったこともあり、大規模な広告運用を効率的に、最適に管理したい広告主のニーズに応える形で提供されるようになりました。広告フォーマットは基本的にディスプレイ広告と同じです。
SNS広告

SNS広告とは、Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSに表示される広告です。SNS広告は動画・画像・テキストなど形式はさまざまあり、掲載場所も種類が豊富です。いずれもSNSを利用する流れで自然に広告表示しやすいのがメリットです。
また、SNS媒体側が管理するアカウント情報をもとにした詳細なターゲティングができることや、「いいね」などのレスポンス機能によってユーザーの反応を測定しやすい特徴もあります。情報シェアで拡散効果が起こりやすいのも、SNSならではの特徴です。
動画広告

動画広告とは、動画を活用したWeb広告です。厳密な定義はなく、YouTubeなどの動画サービスに表示される広告を指す場合や、動画を用いたディスプレイ広告、SNS広告を指す場合があります。
動画広告は短時間で強いインパクトを与えられること、言葉で伝えにくい情報を直感的にアピールしやすいことがメリットです。スマートフォンが普及し、通信速度が速くなるとともに動画広告の数は増えてきています。
動画広告については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
アドネットワーク
アドネットワークとは、Webメディア、個人ブログに存在する多数の広告枠をつなげたネットワークです。アドネットワークは、運用型広告の配信方法としてみた場合、ディスプレイ広告と同じと考えてかまいません。例えばYahoo!広告のアドネットワークは、「ディスプレイ広告(運用型)」で利用できます。
アドネットワークを利用すると、広告主は広告を一括配信でき、配信条件の設定や成果測定などを効率化できます。言い換えれば、広告枠を個別に契約する手間がなく、アドネットワーク事業者が提供する管理ツール上で一元的に運用できるようになります。
アドネットワークについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
運用型広告の仕組み・課金方法

運用型広告は主にオークション制で運用されています。広告掲載の機会ごとにオークションがおこなわれ、「オークションランク」に応じて掲載の有無や掲載場所が決まります。オークションランクとは、広告主の入札価格と、過去の掲載実績や掲載先とのマッチング度などによって決まる「広告の品質」がかけ合わさった指標です。
このオークション制があるため、広告主は掲載先の企業や個人と個別に契約しなくて済みます。またプラットフォームでオークションが自動実行されるため、広告主は掲載先や予算配分などを随時変更できます。
入札価格は、運用型広告の課金方式によって変わります。次項より、運用型広告で代表的なクリック課金とインプレッション課金について解説します。
クリック課金
クリック課金とは、広告のクリック数に応じて料金が課金される方式です。したがって、ユーザーが広告を見るだけでは広告料金は発生しません。クリック課金の代表的な運用型広告はリスティング広告です。
オークションの際に広告主は、1クリックあたりの最大入札価格をクリック単価として入札します。仮に広告予算10万円で1,000クリックを得たいなら、入札価格は10万円÷1,000=100円です。
オークションで広告枠が落札されるかどうかは、他の広告主の入札状況によって変わります。一般的に広告主の需要の多いキーワード、広告枠ほど、競合が激しくなります。
クリック課金については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
インプレッション課金
インプレッション課金とは、広告の表示数(インプレッション)に応じて料金が課金される方式です。一般的には広告が1,000回表示されるごとに課金されます。Yahoo!広告では、ディスプレイ広告(予約型)など一部の広告商品でインプレッション課金が採用されています。
インプレッション課金では、広告が表示されたとする定義を明確にしているケースが多いです。例えばYahoo!広告のディスプレイ広告(予約型)であれば、広告の50%以上の範囲がどの程度表示されたかをインプレッションの定義としています。
定義があいまいだと、実際には広告が見られていないのに、課金されてしまう可能性があるので注意が必要です。出稿前に定義を確認するとよいでしょう。
インプレッションについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
運用型広告のメリット
運用側広告を導入するメリットとは何でしょうか。ここでは広告運用の効率化やコスト削減など、広告主側の視点で解説します。
出稿作業が簡単
広告配信用のアカウントを開設すれば、誰でも簡単に出稿できます。運用型広告のプラットフォームは専門知識がない人でも運用できるようになっているため、導入ハードルは低いといえます。
例えばYahoo!広告では、広告の登録やターゲティング、予算管理、成果測定などの一通りの機能が利用可能です。プログラミングやネットワークなどの知識がなくても、画面操作のみで運用をスタートできます。
配信頻度や配信内容が自由自在に変えられる
運用型広告のメリットは、広告にかける予算や配信内容、配信頻度などを流動的にコントロールしやすいことです。リアルタイムで広告の成果をある程度解析できるため、「費用対効果が低いとわかった時点で広告を打ち切る」なども簡単にできます。
マス広告や予約型広告(買い切り型のWeb広告)では、「高額の広告費を投じたのに無駄になってしまった」というケースがあるかもしれません。しかし運用型広告なら、徐々に配信先を増やしたり広告内容を変えたりできるため、リスクを低く抑えられます。
低予算から配信できる
運用型広告の入札価格は、数円単位から設定できます。規模にもよりますが、月数千円程度から運用できるでしょう。このため、個人事業者や小規模な店舗経営者なども運用型広告を活用しています。
「急にクリック数が伸びたり、広告表示数が増えたらどうしよう」と考える人もいるかもしれません。しかし、多くのプラットフォームには1日あたりの予算や月単位の予算の上限を設定できる機能があるため、予算オーバーを気にすることなく広告運用できます。
細やかなターゲティングができる
運用型広告では、広告を見せたいターゲットに対してピンポイントでリーチすることが可能です。例えばディスプレイ広告では、ユーザーの年齢や性別などを絞り込むことができ、掲載先Webサイトのカテゴリや配信地域なども設定可能です。また、リスティング広告では登録するキーワードによって、特定のニーズを持ったユーザーに絞り込めます。
ユーザーからの反応がわかり改善しやすい
運用型広告の場合、インプレッション数やクリック数、あるいは自社サイトに誘導したあとのコンバージョン(商品購入や資料請求など)数などを定量的に測定できます。このメリットはマス広告にはありません。マス広告では「広告を何人見たか」「どのような人がどのように広告を受け止めたか」などを正確に把握できないためです。
したがって運用型広告を取り入れると、従来よりもデータ志向のマーケティングが可能になります。経験や勘に頼ることなく、客観的なデータをもとに、運用成果を高めていけます。
「Yahoo!広告」について詳しく見る
運用型広告のデメリット
運用型広告は運用の自由度が高い分、担当者の負担が増す可能性があります。
成果を出すには知識が必要
運用型広告は誰でも簡単にはじめられますが、成果を出すとなれば、それなりの経験と知識が求められます。予算配分やターゲティングなどの細かい設定ができる分、どこを調整するべきか悩むことも多くなるでしょう。このため、長期的な施策として取り組み、経験を積んでいく必要があります。
運用コストが大きい
運用型広告は自由度が高い分、配信設定や運用中の調整に手間がかかります。一度出稿したら終わるマス広告と違い、運用コストが大きくなりがちです。
もちろん運用調整によって、成果が改善されることを期待できます。しかし場合によっては、得られる利益より人件費のほうがが大きくなりかねません。
運用型広告はどうやって運用する?
運用型広告を運用するには、自社で運用する方法と広告代理店に任せる方法があります。それぞれのメリット・デメリットを解説します。
自分で運用する
多くの事業者がとる方法です。基本的な流れは以下のとおりです。
- 運用型広告のプラットフォームのアカウントを開設する
- クリエイティブ(広告素材)を用意する
- 広告管理ツールにログインし、広告予算や入札単価を決める
- ターゲティングなどの細かい設定する
- 広告費を入金して配信スタート
- 成果測定し、必要に応じて運用を改善する
自分で運用するメリットは業者に委託する費用をなくせる点です。一方、慣れないうちは業務負担が大きくなったり、成果が上がらなかったりする可能性もあります。
広告運用を自分でおこなう方法ついては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
専門会社に依頼する
自社で人員を割けない場合や、広告運用に不安がある場合は、広告代理店に依頼する方法もあります。広告代理店を利用すれば、広告制作、出稿、広告運用の最適化、成果測定のレポート作成などを任せられます。一方、業者に支払う手数料がかかります。また、自社で運用ノウハウを蓄積しにくいのもデメリットです。
運用型広告で成果を出すポイント
運用型広告では、運用中の調整が成否を大きく左右します。ここでは継続的なモニタリングと、PDCAサイクルを回す重要性について解説します。
配信状況を頻繁に確認・調整する
随時運用を最適化できる運用型広告のメリットを生かすには、配信状況のこまめなチェックが欠かせません。ユーザーの反応をリアルタイムで確認することで、広告の差し替えや配信頻度の変更、入札額の調整などが可能になります。
一般的に入札価格の調整には1日単位のデータを参照します。また、広告戦略の改善には週単位のデータが役立ちます。広告のクリック率やインプレッション数などの指標を決めてモニタリングすると、現状を把握しやすくなるでしょう。
分析と改善を怠らない
運用型広告で成果を上げるためには継続的に検証・改善を行う必要があります。「仮説立案(Plan)→広告配信(Do)→成果測定(Check)→改善(Action)」というPDCAサイクルを回し続けていかなければなりません。
常に運用を調整できる運用型広告では、着実に改善していくのがコツです。例えば、ターゲット層を「30代?40代→30代」に絞る、広告のキャッチフレーズの一部を変えるなど、変更項目を限定します。これによって原因を特定しやすくなり、PDCAサイクルを回しやすくなります。
PDCAサイクルの回し方については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
運用型広告を活用しよう
運用型広告は途中で運用を変更できることや少額予算からスタートできる手軽さなどから、オンライン広告の主流となっています。未経験者でも実運用しながら経験を積めますので、まずはプラットフォームのアカウント開設からはじめてみてはいかがでしょうか。Yahoo!広告には、運用方法について詳しく解説した学習コンテンツや初期設定代行サービスなど、初心者でも安心なサービスが多数揃っています。
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