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LINEチラシ

コストを約3分の1まで削減!西鉄ストアが折り込みチラシから「LINEチラシ」へ転換した理由

株式会社西鉄ストア

2022.01.12

株式会社西鉄ストア
営業企画部 営業企画課 兼 デジタル戦略委員会事務局 課長 坂本大輔氏

西日本鉄道沿線を中心に「にしてつストア」をはじめとしたスーパーマーケットの運営や飲食店事業、酒販店事業を手がける株式会社西鉄ストア(以下、西鉄ストア)。同社では折り込みチラシに代わる新たな販促手法として、2020年4月にLINEチラシLINE公式アカウントを導入しました。LINEを活用した独自の集客方法や販売促進の取り組みについて、担当の坂本大輔氏(以下、坂本氏)に話を聞きました。

目的
  • 紙の折り込みチラシに代わる販促手法を見つけたい
  • 新たなユーザーとのタッチポイントを増やし、集客やファン化を進めたい
施策
  • 新聞を購読していないユーザーや若年層にもリーチができるLINEチラシを導入
  • LINE公式アカウントを活用してユーザーにキャンペーンやクーポンなどのお得な情報を配信
  • LINE公式アカウントから商品の予約販売を実施
効果
  • 年間4〜5億円かかっていた折り込みチラシの制作コストを1〜2億円まで削減
  • これまでリーチできなかった若年層への情報発信が可能に
  • LINE公式アカウントで商品の予約販売を実施したところ、LINE公式アカウント経由での予約が全体の6割を占め、売り上げは2019年と比較して105%、販売点数も119%増加

効果測定が難しくコストもかかる紙チラシから、「LINEチラシ」への転換を模索

1969年創業の西鉄ストアは、西日本鉄道沿線を中心に「にしてつストア」をはじめとしたスーパーマーケットや飲食店事業、酒販店事業を展開しています。これまで同社では店舗への集客や販促手法として、紙の折り込みチラシや自社アプリ、電子チラシサービスなどを活用してきました。

 

中でも主軸に据えていたのが、紙の折り込みチラシです。折り込みチラシでは注目商品のほか、週2~3回実施していたセール情報を告知し、来店を促していました。しかし、そうした集客方法が徐々に時代と合わなくなってきたといいます。

 

「昔は『卵1パック99円』とチラシで告知すると店頭に長蛇の列ができましたが、現在は一つの商品ではなく『全体的な価格の安さ』で判断する時代になっています。特定の商品だけ安くてもほかの商品が高ければ、別の店舗に行ってしまうのです。当社も赤字覚悟で一つの商品を特売するより、価格や運営費のコストを平準化して『どんな商品も、少しお手頃価格で購入できる』と打ち出したほうが経営的に安定します。そうした時代背景もあり、折り込みチラシの活用を見直す必要性を感じていました」

株式会社西鉄ストア 営業企画部 営業企画課 兼 デジタル戦略委員会事務局 課長 坂本大輔氏

また、折り込みチラシは印刷などのコストがかかるうえに、費用対効果が可視化しづらいという課題がありました。そして何より、若年層の新聞購読率が低く、折り込みチラシでリーチできる層が狭まっているため、ユーザーとのタッチポイントが減少していました。

 

こうした背景から、西鉄ストアでは2019年に折り込みチラシからの脱却を模索します。社内では慎重論が上がったものの、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大で状況は一変。ユーザーを大量に集めるセールのような積極的な集客が困難になり、来店客も大幅に減少する中で、新たな集客方法のニーズが高まりました。そうした状況下で2020年4月に導入したのがLINEチラシです。

 

「これまで活用していた他社の電子チラシサービスでは、ユーザー数の母数が少なく、リーチできるお客さまが限られていました。そこで、広くリーチできるサービスとしてLINEチラシに注目しました。LINEなら多くのユーザーが日常的に使っているアプリなので、新たにアプリをダウンロードいただく負担もありません。また、LINE公式アカウントを併用することで、情報を能動的に発信しながらお客さまとの接点を持てる点も評価しました」

出典:「LINE LOCAL DAY」(2021年11月18日開催)投影資料

LINEチラシの導入で、折り込みチラシのコストを3分の1程度にまで削減

西鉄ストアでは、LINEチラシを活用して(1)月間のお買い得情報、(2)週間のお買い得情報、(3)1年間を52週に分け、旬のお勧め商材を告知する「52週MD」の情報、(4)イベント情報を掲載しています。

LINEチラシの配信頻度は週に1〜2回、週間のお買い得情報は日曜日の朝に配信
出典:「LINE LOCAL DAY」(2021年11月18日開催)投影資料

ただ、折り込みチラシに馴染みのあるユーザーも多いため、現在も月に1回は折り込みチラシを配布しています。それでも、週に2回折り込みチラシを配布していた頃と比べ、コストや工数は大幅に削減できました。

 

「制作・折り込みコストは2019年の約4〜5億円から、2021年は約1〜2億円と3分の1程度にまで削減できました。また、折り込みチラシは配布の3週間以上前から準備が必要でしたが、LINEチラシは『もう一度イベントの告知をしたい』と思い立ったときにすぐに告知できる手軽さがあります」

出典:「LINE LOCAL DAY」(2021年11月18日開催)投影資料

LINEチラシを多くのユーザーに見てもらうため、西鉄ストアでは店内での案内ポスターの掲示や店員からの声掛けのほか、LINE公式アカウントにも導線を設けるなどの告知にも注力しています。その結果、LINEチラシを導入した2020年4月から2021年8月までにPV数は13倍に伸長。また、「にしてつストア」のLINEチラシをお気に入り登録しているユーザー数は、2021年1~8月で1.7万人以上にまで増加しました。

 

さらにLINEチラシの閲覧動向を見ていると、夜の閲覧が多いことが判明。坂本氏は閲覧の傾向から「朝よりも時間の余裕がある夜にチラシを見て、翌日購入するものを選んでいるユーザーが多い」と分析し、配信効果の高い曜日や時間帯に合わせて、配信内容も調整しています。

 

「ユーザー数でいうと、毎日7,500人前後の方がLINEチラシを閲覧しています。さらに若年層の来店が多い店舗ほどLINEチラシの閲覧数が高いため、折り込みチラシが届いていなかった層にリーチできているという実感があります。将来的には月間200万PVまで伸長させていきたいです」

出典:「LINE LOCAL DAY」(2021年11月18日開催)投影資料

出典:「LINE LOCAL DAY」(2021年11月18日開催)投影資料

LINE公式アカウントの友だちを増やし、販促施策に生かす

西鉄ストアがLINEチラシと同時に導入し、ユーザーとの接点づくりとして活用しているツールがLINE公式アカウントです。同社ではキャンペーンやクーポンなどのお得な情報を週に1~2回メッセージで配信しているほか、友だち追加施策にも取り組んでいます。その取り組みの一つが、企業の協賛を得て実施するキャンペーンです。

 

例えば、「にしてつストア」ではサントリーの協賛を得て、「期間中にLINE公式アカウントを友だち追加し、対象商品を1本以上購入したユーザーへ先着で商品をプレゼントする」というキャンペーンを2021年3月10日~4月19日に実施。多くのユーザーの関心を呼び、キャンペーン期間中に友だち数が2,230人増加しました。また、キャンペーン期間中の「にしてつストア」における対象商品の売り上げも増加しています。

出典:「LINE LOCAL DAY」(2021年11月18日開催)投影資料

こうした友だち追加施策を重ねて友だち数を増やすことで、LINE公式アカウントを活用した販促施策にも積極的に取り組んでいます。

 

その一つが、LINE公式アカウントを活用した商品の予約販売です。「にしてつストア」では、2021年7月28日の「土用の丑の日」に合わせ、ウナギの予約をLINE公式アカウントから受け付けました。その結果、LINE公式アカウント経由での予約が全体の6割を占め、売り上げは2019年と比較して105%、販売点数も119%増加しました。

 

「従来の予約は店頭で申込書を記入する必要があり、予約から発注までのオペレーションや受注情報の管理にも課題を感じていました。しかし、LINE公式アカウントからも予約を受け付けることで、受注情報のデータ化や受注工数が削減できています。また、ユーザーの利便性も向上したことで、LINE公式アカウント経由で予約をしたユーザーのうち85.1%から高評価が得られました」

出典:「LINE LOCAL DAY」(2021年11月18日開催)投影資料

今後、坂本氏は「LINE公式アカウントを活用して、さらにユーザーとのタッチポイントを強化していきたい」と展望を述べます。

 

「LINE公式アカウントを活用していく中で、効果やできることが見えてきました。今後はキャンペーンの告知やクーポンの配布、予約販売の受け付けの3点を軸にしながら、LINEユーザーとの接点を広く持っていきたいと考えています。また、今後はLINE PayやLINEミニアプリなどのサービスを活用しながら、お客さまのより身近な存在になれるよう目指していきます」

 

 

(公開:2022年1月/取材・文:岩崎史絵)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです