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月500件以上の電話対応が2分の1に!対応負荷を大幅削減したLINEで予約とAIスタッフの併用

やきにく倶楽部

2022.09.14

やきにく倶楽部 代表 永野 勤氏

長崎県西海市の「やきにく倶楽部」は、予約時に発生する電話対応にかかる工数を削減するため、LINE公式アカウントで「LINEで予約」と「AIスタッフさゆり」を併用した予約受付を開始しました。結果、従来の電話対応件数を2分の1まで削減したという活用方法について、代表を務める永野勤氏に話を聞きました。

目的
  • 予約受付の電話に対応するための工数を削減したい
施策
  • LINE公式アカウントを開設してLINEで予約から受付を開始
  • 基本的な電話対応に関してはAIスタッフ“さゆり”を導入
効果
  • 有人対応の電話件数が従来と比較し2分の1にまで減少

予約業務の効率化に向けてLINE公式アカウントを開設

長崎県・西彼杵半島にある西海市は、半島北部と海に点在する島々からなる自然豊かな地域です。この地で2008年に開業し、九州産の黒毛和牛をリーズナブルな価格で提供している「やきにく倶楽部」は、席数48席、離れに20名用の宴会場を備え、地元の人々を中心に賑わう人気店。約7割のユーザーが予約後に訪れるといいますが、予約は電話で受け付けていたため、来店客数と比例して増えていく対応工数に課題を抱えていました。

やきにく倶楽部 西海 本店の店舗外観

「開店当時から予約受付は電話で行っていましたが、丁寧な会話が大切なので、対応するのは店舗やメニューについて知識があり、言葉遣いが丁寧なスタッフに限られていました。しかし、多忙な時間帯だと配膳や接客に時間が取られてしまいます。結果、電話を取るまで待たせてしまったり、そもそも、電話に出られないこともありました。店舗側からすれば機会損失、お客さま側からしても、『電話してもつながらない』という不満につながってしまいます」

 

そこで、予約業務の効率化に向けて2019年9月にLINE公式アカウントを開設し、チャットでの予約受付を開始。さらに、LINE公式アカウント経由の予約件数を増やすため、留守番電話にLINEからの予約を案内するメッセージを登録したほか、各テーブルに友だち追加のQRコードを設置し、追加特典としてフリードリンクの割引や無料といったインセンティブを提示するなどして友だち数の増加にも取り組んできました。

 

来店客を中心に友だち数を増やしつつ、コロナ禍で始めたテイクアウトメニューはLINE限定で受け付けるなどして、さまざまなオーダーに対応しながらLINE公式アカウントの存在と利用を案内してきました。

LINE公式アカウント「やきにく倶楽部」のプロフィール画面。2022年8月時点で友だち数は4,800人

さらなる効率化を目指してLINEで予約とAIによる電話対応を導入

予約業務の効率化を目的に開設したLINE公式アカウントですが、友だち数やチャット経由での予約件数が増えると、新たな課題が見えてきます。チャットから予約を受け付ける場合、スタッフが1件1件返信して予約台帳に転記していく必要がありますが、予約件数が増えるにつれて新たな工数が必要になったこと。また、予約のチャネルに関しても依然として電話が全体の半数以上を占めていたことです。

 

「やきにく倶楽部はランチ営業とディナー営業を展開していますが、両方合わせて約7割が事前に予約をしてから来店してくださるお客さまで占められています。ディナーに限定すると予約が占める割合はさらに上がり、LINE公式アカウントで分散できたとはいえ、電話件数は1カ月に500件ほどと、さらなる効率化が必要な状況でした」

 

そこで、2021年12月に予約管理システム「ebica」(開発・提供元はエビソル)を導入しました。「ebica」はWebサイトからの予約を始め、他サービス経由の予約にも対応している予約管理システムです。また、LINE公式アカウントから店舗予約ができ、LINE上で完結することができる「LINEで予約」、電話予約をAIが対応する「AIスタッフ“さゆり”」を機能として活用することができます。

 

やきにく倶楽部では主に、LINE公式アカウントからの予約はチャットから「LINEで予約」に移行させ、さらに、電話についてもAIスタッフを活用して予約業務の自動化・機械化を推進しました。

「LINEで予約に関しては、リッチメニューに導線を設置するとトーク画面を開けば簡単に予約フォームに遷移することができるため、お客さまからも『より気軽に予約できるようになった』という声をいただいています。また、AIスタッフは電話の対応工数を削減するために導入しましたが、物珍しもあり、お客さまにも体験として楽しんでほしいという思いもありました」

 

AIスタッフの対応は、録音データで確認することができます。永野氏が実際に聞いてみると、はじめのうちは驚くユーザーが多いものの、7割ほどのユーザーは楽しみながら会話し、予約完了までAIだけの対応で完了するそうです。

予約電話応対は従来の2分の1まで削減、クーポン配布で予約件数も増加

現在、店舗の予約チャネルは以下の経路に分散しています。

  1. Webサイト
  2. 他サービス経由での予約
  3. LINEで予約
  4. AIスタッフ“さゆり”
  5. 有人での電話対応

 

基本的に電話はAIが対応していますが、10名以上の団体予約やバースデーサプライズなどのイベント相談、車椅子やベビーカーなどの特別な対応が必要なものに関しては、スタッフが直接ユーザーと話して確認しています。

 

2022年7月時点、自動化・機械化ができている1~4のチャネル経由での予約は、直近3カ月で約58%と過半数を占めるまでになりました。内訳としてはAIスタッフ“さゆり”が52%、次いでLINEで予約が34%、Webサイトと他サービス経由での予約が合算で14%ほどと、新たに始めた2つのチャネルが成果を残しています。

 

「有人で受ける電話件数は圧倒的に減りました。予約管理システムを導入してから、従来の2分の1に減少しています。AIスタッフ“さゆり”はお客さまからも好評ですし、AIだけで予約が完結する件数も月に400〜500件くらいになったので、スタッフの業務負荷軽減にもつながりました。その分、店舗での接客や有人での電話応対がより丁寧になりました」

 

LINEで予約に関しても、直近3カ月(2022年5月~7月)で月間平均300件ほどの予約が入るほか、日にちや人数の間違いがないうえ、若年層から年配まで幅広い年代に利用されています。また、初回来店は電話でAIから予約を行い、来店時にLINE公式アカウントを友だち追加した次回以降、LINEで予約からというお客さんが増えてきているといいます。

「LINEで予約」は、LINE公式アカウントのリッチメニューにリンクを設置しているほか、メッセージでも予約フォームが配信することができる

また、予約が立て込んでいない時期などは、LINE公式アカウントからクーポンを配信することで予約を促すこともできます。

 

「戦略を立てて定期的に配信しているわけではありませんが、月に2回程度の頻度でクーポンを配信しています。お店のことを思い出してもらい、予約を促す効果があるため、予約件数が少ない時期に配信するなど、柔軟な活用ができるのもLINEで予約のメリットです」

 

店内に配膳用のロボットを導入するなど、新しいテクノロジーを積極的に採用しながら、スタッフの業務効率化やサービスの充実を目指す永野氏は、その理由は外食という体験価値の向上にあると語ります。

 

「お客さまから『AIが対応するなんてすごいね』『LINEで予約できるなんて便利だね』と声をかけられると、スタッフがとても嬉しい顔をするんです。戦略的にテクノロジーを活用しているわけではないのですが、こういうことがスタッフの自信につながると感じます。そして、目の前でお客さまが食べておいしいと感じる、そんな姿を見るのが好きなので、外食の楽しさ、お店に来てもらうことの楽しさ、付加価値をテクノロジーを通じて提案したいですね。今後もできることはどんどん取り入れて、スタッフが誇りを持って働き、お客さまが外食を楽しむ、そんなお店を目指していきたいです」

 

(公開:2022年9月、取材・文/岩崎史絵)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
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