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1to1は付加価値ではなく絶対条件。P&GがLINE活用で目指す、これからの買い物体験

P&Gジャパン合同会社

2021.11.08

P&Gジャパン合同会社 ショッパーマーケティング MBCIマーケットストラテジー&プランニング ディレクター 根岸太郎氏

LINE株式会社 OMO販促事業推進室 広告・法人事業本部 室長 江田達哉


※当事例は、MarkeZineに掲載された記事の転載となります。

POPやチラシなどで、店頭の顧客にアプローチするショッパーマーケティング。小売店各社もデジタルによる販促プロモーションに関心を高める中、P&Gでは「LINEで応募」を始めとしたLINEソリューションの活用を進めている。同社でショッパーマーケティングを担当する根岸太郎氏とLINEのOMO販促事業推進室の江田達哉に、両社の取り組みについて話を聞いた。

1to1コミュニケーションは付加価値ではなく絶対条件

MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに、P&Gのショッパーマーケティングの考え方を教えてください。

根岸:P&Gのショッパーマーケティングのミッションは、お客さまが店頭で商品を手に取る瞬間「FMOT(First Moment of Truth)」を、小売店さまと一緒により良い体験にしていくことです。そこから小売店舗さまとP&G、両方のビジネス拡大へつなげていきます。

P&Gジャパン合同会社 ショッパーマーケティング MBCIマーケットストラテジー&プランニング ディレクター 根岸太郎氏

P&Gでは、各商品ブランドのマーケティングを担う部署とは別に、このショッパーマーケティングを担当する部署が設けられています。ショッパーマーケティングを担当する部署では、P&Gの商品を購入いただくとオリンピックのチケットが当たるブランド横断型のキャンペーンを行うなど、小売店さまと共同でさまざまな施策を展開しています。

 

MZ:P&Gは、テレビCMなどのマス媒体も含め、多様なマーケティングチャネルを活用されています。その中でLINEはどのような位置づけにありますか?

 

根岸:LINEはお客様と1to1コミュニケーションをする上で重要なチャネルだと考えています。消費財メーカーはお客様との直接的な接点が少なく、購買データが紐づいたデータを集めにくいという課題があります。その点、LINE公式アカウントではお客様と直接つながることができますし、CRM的なアプローチも可能です。

 

情報があふれ、モノやサービスの選択肢が多様化している現在、ユーザーは自分により適した情報を求めるようになりました。これからのショッパーコミュニケーションにおいて、1to1アプローチは付加価値ではなく絶対条件。購入体験をより良くするショッパーマーケティングにおいて、LINEは重要なプラットフォームですね。

 

MZ:リアルな買い物体験にも1to1コミュニケーションが求められているんですね。

 

江田:私たちLINEとP&Gさまが考える1to1コミュニケーションは、1,000人に1,000通りの異なる内容のメッセージを届けるのではなく、「その人に合った内容を、欲しいタイミングで、その人に最適な手段で届ける」というものです。LINEの月間利用者数8,900万人(2021年6月末時点)という圧倒的なユーザー数の中には、P&Gさまのメインターゲットである幅広い世代の女性層が多く存在します。詳細なターゲティングだけでなく、情報やサービスを届けるタイミングと手段を最適化していくため、共に取り組みを進めています。

LINE株式会社 OMO販促事業推進室 広告・法人事業本部 室長 江田達哉

継続的なつながりが持てる「LINEで応募」

MZ:では、取り組みの中でP&Gが活用している「LINEで応募」の仕組みを教えて下さい。

 

江田:「LINEで応募」は、誰でも簡単にLINEから応募が可能なキャンペーンプラットフォームです。従来デジタルを用いた販促キャンペーンでは、専用のアプリをダウンロードする、会員登録をしてIDやパスワードを入力するなど、少なからずユーザー側に負担を強いる仕組みが多い傾向にありました。

 

対して、個人の認証が完了しているLINEを使った「LINEで応募」の場合、シンプルなプロセスでキャンペーンに参加できます。たとえば、「対象商品を購入した際のレシートを撮影して応募する」や「商品についているシールをめくり、QRコードを読み込んで応募する」といったように、流通や商品に合わせたキャンペーン設計が可能です。さらに、LINEのユーザーID単位で応募の有無や購入された商品がわかるので、後日キャンペーンに参加したユーザーとLINE公式アカウントでコミュニケーションできる点も特徴です。

 

MZ:今回P&Gが「LINEで応募」を採用された狙いは、どのようなところにありますか?

 

根岸:大きく2つの理由があります。1つ目は、LINEポイントというデジタルインセンティブに販促手法の有効性を感じたこと。2つ目は、応募に参加されたお客様とコミュニケーションが取れることです。コミュニケーションツールとして浸透しているLINEを通じて、ユーザーとつながることができる点は、大きなメリットだと考えました。

商品の購入有無で「友だち」のブロックレートに違いが

MZ:続けて、実施されたキャンペーンの概要を教えて下さい。

 

根岸:今回実施したのは、対象の商品を購入されたお客さまに「LINEで応募」からレシートを撮影して応募していただき、LINEポイントを付与するキャンぺーンです。

 

MZ:お客さまに新しい商品を使ってもらうきっかけも創出しているんですよね。

 

根岸:はい。キャンペーンをきっかけに高付加価値商品の使用感にご満足いただき、その次の買い物でも購入の選択肢に入れていただくことをイメージしています。お客さま、小売店さま、そしてメーカーの全員が良い体験、ビジネスにつなげられるようキャンペーンを設計しました。

 

MZ:キャンペーンには、どのような反響がありましたか?

 

根岸:これまでハガキとWebで行っていたキャンペーンと比べ、短期間で多くのお客さまにご参加いただきました。「LINEで応募」の参加ハードルの低さ、LINEポイントというインセンティブの魅力も実感できました。

 

また、LINEプロモーションスタンプやエントリーのみでポイントを付与する他のキャンペーン経由で獲得した友だちと比べ、商品購入を前提としたキャンペーン経由で獲得した友だちは、その後のブロック率が低い傾向があります。実際に商品を購入し、使っていただいているからこそ、ブランドや今後のプロモーションへの関心も高いのではないかと考えています。

小売側でも高まる、デジタルプロモーションへの期待

MZ:キャンペーンでつながったユーザーとは、その後どのようなコミュニケーションを行っているのですか?

 

江田:たとえば、キャンペーンの参加履歴を基に、次回以降のキャンペーンのアナウンスを行っているほか、キャンペーンにエントリーいただいたユーザーに対して、対象となる小売店に近づいたタイミングでリマインド配信を行うような取り組み(※)も実験的に開始しています。

 

MZ:ショッパーマーケティングは、小売店と共同して取り組むことが重要と伺いました。小売店側では、「LINEで応募」に対してどのような反応がありましたか?

 

根岸:近年、小売店さまもデジタルプロモーションへの関心を持たれています。「LINEで応募」に関しても、販促効果だけでなく、蓄積したデータを集客や小売店様の運用するアプリの利用促進に活用するなど、お客さまとの関係性を深めるビジョンにとても共感いただいています。

 

売り上げへの貢献という点では、まだ折り込みチラシなどの伝統的な手法も大切ですが、その効果が少しずつ弱まっていることは事実です。小売店さまもお客さまにも満足いただき、ビジネスを伸ばすアプローチとしてデジタルの必要性を実感されているのだと思います。

 

MZ:LINEでは、かねてからOMO施策に力を入れていらっしゃいます。企業や小売店の変化は感じていますか?

 

江田:そうですね。これまではハガキとLINEによるキャンペーンを併用されていた企業さまが、LINE単独でキャンペーンを実施されるケースも増えてきました。LINE全体のユーザー数8,900万人から見ると、伸びしろはまだまだあります。店舗起点でお客さまとつながる機会をより創出できると期待しています。

 

(※)「位置情報の取得を許可」をオンにしているユーザーに対してのみ配信が可能。

より楽しいトータルショッピングジャーニーの実現へ

MZ:終わりに、今後の展望をお聞かせください。

 

根岸:P&Gでは、お客さまの買い物の流れを「トータルショッピングジャーニー」と呼んでいます。買い物をする前・買い物の最中・買った後と、複数の接点でショッパーにより良い情報やサービスをご提供し、トータルショッピングジャーニーをより楽しく、進化させていきたいです。

 

コロナ禍を受けてECが伸びていますが、お店に買い物へ行く楽しさを再発見されているお客さまもいらっしゃいます。オフライン、オンラインとどちらのチャネルも活用しながら、買い物の時間をより良い時間にしたいと考えています。

 

そして、私たちP&Gの「毎日の暮らしをよりよいものに」と、LINEさんが生活を支えるインフラとして目指している「Life on LINE」のビジョンには共通するところが多いと感じています。ぜひ、これからも長期的な取り組みを続けていきたいです。

 

江田:「ブランド価値をどのようにエンドユーザーへ伝えていくか?」を考えた時、キャンペーンに応募するといった体験も含めた買い物体験がより重要な要素になっていくだろうと実感しています。また、先日実証実験を行った「NFTを活用した新たなデジタル景品」の取り組みも含め、ワクワクするような買い物体験をお届けするため、引き続き「LINEで応募」やLINEの販促領域の様々なソリューション、テクノロジーを活用し、P&Gさまをサポートしていければと思います。