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ガイドライン・広告品質 公開日:2022.02.03

ヤフーでは広告に関するデータをどう取り扱っているのか?

Yahoo!広告

多種多様なデータが存在する昨今、データの利活用と同時にデータに関してさまざまな配慮を行うことが企業にとって不可欠となっています。ヤフーでは、当社が提供するすべてのマーケティングサービスにおいて、データを利用する際に適用される基準であるYahoo! JAPAN 広告データ利用基準が存在し、サービスを利用される広告主の皆様に順守をお願いしていることを以前の記事で触れました。
では、ヤフーでは広告に関するデータをどのように取り扱っているのか。今回は、ヤフーにおける広告に関するデータの取り扱いについて、マーケティングソリューションズ統括本部のデータディレクターである坂田悠に話を聞きました。

ヤフーにおけるデータの取り扱い

社内の体制について

ヤフーでは検索キーワードだけでも90億種類以上※1が存在し、約100のサービス※2を横断して日々蓄積されるデータ量とバリエーションは国内最大級です。そのため、社内においてさまざまなデータを分類、かつ定義づけし、それぞれに対して適切に運用されるよう、「何を目的として」「誰が」「どの部分に対して」「何を」順守すべきかのデータガイドラインを定めています。さらに、ガイドライン順守の徹底を図るために、弊社社員への啓発・教育を行うと同時に、運用体制を構築し、施行後の順守状況の確認もしています。

代表的なものとして、慎重に取り扱うべき個人に関するデータ、位置情報など、ユーザーのプライバシーに深くかかわるデータの利用に関するガイドライン、クライアントにとって不利益につながるような利用方法を禁止するビジネスを配慮したガイドラインなどがあります。これらのガイドラインの運用やデータに関する業務全般の推進、管理する組織が存在し、定期的に見直しも実施しています。多種多様なデータを利活用することによって社会課題を解決し、ビジネスの持続・発展につなげることはもちろんですが、同時にユーザーの皆様への配慮が重要だと考えており、その点については特に注意を払っています。

広告で利用するデータについて

私が所属するマーケティングソリューションズ統括本部において取り扱うのは、主に広告に関するデータとなるのですが、前述した社内体制やガイドラインを基盤として、広告主やユーザーの皆様の不利益につながるような不適切なデータ利用が行われないようルール策定やその啓発、データ利用の目的や方法のチェック、データへのアクセス権限管理などの運用が行なわれています。

ときに広告主の皆様から「ヤフーへ提供したデータはヤフー社内でどのように取り扱われているのか」というお声を頂戴することがあるのですが、広告主の皆様からご提供いただいたデータに関しても、安全に管理しております。他のデータにもいえることですが、これらのデータに関してもヤフーは、個人の権利利益に配慮しつつ、ビジネスの発展に貢献できるよう、データを適正に活用することに尽力しています。

社員への啓発

広告主の皆様のデータやヤフーのサービスにおけるユーザーデータなどを取り扱う以上、弊社の社員が正しい知識を持つことは必要不可欠であると考えているため、社員への啓発にも力を入れています。特に、データの取り扱いに関するガイドラインについては、他のガイドラインと比べるとかなり複雑なため、難しく感じてしまう社員も多いようです。またガイドラインは、社会の動向に合わせてその内容を変えることもあるため、継続的な啓発をしていくことが必要であると考えています。

そこで最近始めたのが、データやプライバシーについての話をわかりやすく解説することをコンセプトとした、広告ビジネスの営業担当者向けの動画チャンネルです。

初回は、個人情報保護法遵守などデータを法的に適正に利活用する上で注意すべき内容の理解促進を目的とし、個人情報の定義に関する内容を取り上げました。クイズ形式で例を挙げて解説をしたのですが、これが好評でした。

まだ始めたばかりでコンテンツ内容は試行錯誤のところもありますが、今後も社員に自分たちが取り扱っているデータについての適正な取り扱いについて、さらに理解を深めてもらえるようなコンテンツを作っていきたいと考えています。

  • 社員向けの動画コンテンツより抜粋
    ※プライバシー配慮のため一部コンテンツを改変しております。

今後の取り組み

個人情報保護法改正が2022年4月にいよいよ全面施行される※3など、引き続き、プライバシー保護強化の動向については特に広告業界としても注視が必要で、社会的に責任とインパクトが大きい領域となります。社外に対してのヤフーの基本的なスタンスは変わらないですが、広告主やユーザーの皆様にとってよりよいデータの利活用となるように、また弊社のデータの取り扱いについて不安を抱かれることのないように、ヤフーとして体制やガイドラインも含め、さらなる磨きこみをしていくことが大事だと感じております。

そのために社内啓発やルール整備はもとより、データパトロールなど積極的な内部監査活動を通じて適切なデータ利用が担保できているか、実運用面での取り組みを強化していきたいと考えています。

ヤフーは関係するすべての方にご満足いただけるサービスを目指し、広告データの取り扱いに関する取り組み以外にも、透明性や品質改善へのさまざまな取り組みを進めています。詳細については広告サービス品質向上のための取り組みをご覧ください。


  • 坂田 悠(さかた ゆう)

    ヤフー株式会社 マーケティングソリューションズ統括本部 データディレクター

    2011年4月にヤフーに新卒入社。広告プロダクト開発やデータエンジニア、開発マネージャーを経て、広告系部署のデータ責任者に。2019年4月より現職。


※1 ヤフー株式会社自社調査 2020年1月~12月
※2 ヤフー株式会社自社調査 2021年9月30日時点
※3 個人情報保護委員会 「個人情報保護法 令和2年改正及び令和3年改正案について」(外部サイト)


関連リンク:
Yahoo! JAPAN 広告データ利用基準(PDF)

※当記事は2021年1月の情報をもとに構成しています。掲載内容、所属団体、部署名、役職名などは、取材時のものです。
文責:中井 美絵(ヤフー株式会社)

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