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Webマーケティング入門 公開日:2023.09.07

アクセス解析とは? 分析方法やサイト改善のコツを解説

Yahoo!広告

Webサイトの運営でアクセス解析が欠かせないことは、多くのweb担当者がご存じかと思います。しかし、アクセス解析で何がわかるのか、どこまでわかるのか、なんとなくわかっていても、細かく理解できている人はあまり多くありません。また、何を調べるのか、どうやってアクセス解析するのか具体的なイメージがつかめない人もいるでしょう。

そこで本記事では、初心者でもわかるようにアクセス分析とは何か、目的、代表的な指標、解析の進め方、ポイントなどの基礎知識を解析します。アクセス解析に取り組みはじめる参考にしてください。

アクセス解析とは?どこまでわかる?

アクセス解析とは、特定のWebサイト、Webページに対するユーザーのアクセス状況を調査することです。具体的には以下のような内容を調べられます。

  • ページごとの閲覧数
  • サイト訪問者の特徴(年齢、性別、住んでいる地域、利用デバイスなど)
  • サイト内の行動(1ページ目だけ閲覧して離脱した、内部リンクをたどって他のページを閲覧した、どのボタンをクリックしたかなど)
  • どのページ経由でコンバージョン(商品購入や問い合わせなど)に至ったか

これらのデータは、アクセス解析ツールを使ってオンライン上で取得できます。アクセス解析の対象は、基本的に自社のWebサイトですが、他社サイトのアクセス状況も一部解析できます。

アクセス解析の目的

ここからは、アクセス解析すると何に役立つのか、どのようなマーケティング活動の参考になるのかを解説します。自社の課題と照らし合わせると、アクセス解析の活用シーンをイメージできるようになるでしょう。

Webサイトの現状把握

アクセス解析はWebサイトの運用状況を客観的なデータで把握するのに役立ちます。漠然とWebサイトを運営しているだけでは、誰がいつ、どのようにサイトを利用しているのかわかりません。これではWebサイトの問題点や課題に気付けないことも多いでしょう。アクセス解析することで、改善に向けての重要なデータが得られます。

ユーザー行動の把握

アクセス解析は、マーケティングに用いられるペルソナ作成に役立てられます。アクセス解析することで、どのページから流入して、どのリンクをたどってコンバージョンに至ったかなどの行動を分析できます。多くのデータを集めれば、ユーザーの行動パターン・心理を理解でき、ユーザーにとって有益なサイトに改善する参考にできるでしょう。また、広告配信や商品開発などにも応用できます。

ペルソナについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

ペルソナとは? ターゲットとの違いと設定時に用いる要素を解説」を読む

施策の効果検証

アクセス解析をおこなうと、どのようなマーケティング施策が効果あったのか検証できます。例えば、どのWeb広告やSNS広告からの流入が多いのかわかります。オフラインの広告であっても、識別用のURLパラメータ付きのQRコードを掲載したチラシやDMなどを配布すれば、流入数を計測できます。これらのデータを分析することで、広告の成果測定が可能です。

また、SEO効果もアクセス解析で測定できます。例えばオウンドメディア(自社所有のWebメディアやブログなど)を運営している際は、どのキーワードで検索上位を獲得できているのか、どのページのアクセスが多いのかなどをアクセス解析して、改善につなげられます。

モニタリング

アクセス解析を継続的におこなうことでWebサイトの目標に対してどの程度達成しているのか把握することが可能です。例えばオウンドメディアのPV数(Webページの閲覧数)をモニタリングしていれば、サイトの成長度合いを時系列で把握できます。1回ごとのアクセス解析は瞬間的な分析ですが、定期的に実施していけば、中長期的な成果測定が可能であるとともに目標達成が厳しい場合にいち早く気付くことが可能です。

アクセス解析で利用される指標・専門用語

ここではアクセス解析でよく使われる指標や専門用語を、初心者でもわかりやすいように説明します。意味を理解しておくと、アクセス解析ツールのマニュアルや参考文献などを読みこなせるようになるでしょう。
※用語の意味は使用するアクセス解析ツールによって異なるケースがあります。

セッション数

セッション数とは、ユーザーがサイトを訪問して離脱するまでの一連の流れをカウントした指標です。例えば、あるユーザーが朝・昼・晩にサイトを訪問した場合、セッション数は3です。

セッションは途中経過を考慮しません。例えば、「流入→ページA→離脱」と「流入→ページA→ページB→離脱」はどちらも1セッションです。なお、「30分以上クリックなどのアクションがないとき」「日付が変わったとき」も離脱と同じくセッションの区切りになります。

セッション数は、サイトの訪問回数を調べる際の指標としてよく使われます。

セッション数とは? カウント方法と増やすためのポイントを解説」を読む

PV数(ページビュー)

PV数とは、ある期間内にサイト内のページが表示されたトータル回数です。例えば、あるユーザーが流入してページA、B、Cを閲覧した場合は、PV数は3になります。
この場合セッション数は1となります。

PV数では閲覧するユーザーは問いません。例えば同一ユーザーが5ページ閲覧した場合と、5人のユーザーが1ページずつ閲覧した場合は、どちらもPV数は5になります。

PV数は主にサイトの集客力を測る指標として使われます。

UU数(ユニークユーザー)

UU数とは、特定の期間内にWebサイトを訪問したユーザーの数です。例えば、ユーザーX、Y、Zの3人がサイトを訪問した場合、UU数は3です。また、ユーザーXが3回訪問した場合は、UU数は1回となります。

アクセス解析では、固有ユーザーをCookie(クッキー、ブラウザに保存されている閲覧履歴)、IPアドレス、ホスト名で推測しています。したがって、UU数を正確にカウントできるとは限りません。

UU数は重複を除外した利用者数を調べたいときに便利な指標です。

ユニークユーザー(UU)とは? 他の指標との違いと計測方法を解説」を読む

直帰率

直帰率とは、最初に訪れたページだけ閲覧して離脱したユーザーの割合です。直帰とは、「流入→ページA→離脱」のようなセッションです。

あるページの直帰率は「直帰率(%)=直帰数÷セッション数×100」で計算できます。以下の例で、ページAの直帰率を求めてみましょう。

セッション1:流入→ページA→ページB→ページC→離脱
セッション2:流入→ページB>ページA>ページC→離脱
セッション3:流入→ページA→離脱

ページAではじまったセッションはセッション1、3の2回です。このうち直帰したのはセッション3の1回です。計算式にあてはめると、「直帰率=1回÷2回×100=50%」となります。

直帰率が高い状態は、実店舗にあてはめると、店に入ってきた客が何も買わずにすぐに出て行ったようなイメージです。このため、直帰率はコンテンツの質や検索ニーズとのマッチングを評価する指標としてよく使われます。ただし、最初のページで目的を果たして直帰するケースもあるため、直帰率が高いページが悪いとは限りません。

直帰率とは? 離脱率との違いや改善方法を紹介」を読む

離脱率

離脱率とは、あるページのPV数に対して、そのページで離脱した割合です。離脱率は「離脱率(%)=離脱したセッション数÷PV数×100」で表せます。

先ほどの直帰率と同じ例でページAの離脱率を求めてみましょう。

セッション1:流入→ページA→ページB→ページC→離脱
セッション2:流入→ページB>ページA>ページC→離脱
セッション3:流入→ページA→離脱

ページAのPV数(=ページAを含むすべてのセッション数)は、セッション1、2、3の3回です。このうち、ページAで離脱したのはセッション3の1回です。よって、「離脱率(%)=1回÷3回×100=33%」になります。

離脱率と直帰率は混同しやすいため注意が必要です。間違いやすいポイントは、離脱率はページAを含むすべてのセッションが対象なのに対して、直帰率はページAからはじまったセッションのみが対象となる点です。

回遊率(ページ/セッション)

回遊率とは、ユーザーが1回の訪問で平均何ページを閲覧するかを示す割合です。計算式は「回数率=PV数÷セッション数」です。例えば、100セッションがあり、PV数が1,000回なら、「回遊率=1,000回÷100セッション=10」となります。

回遊率が大きい状況は、雑誌でいえば、たくさんのページを読んでもらえているイメージです。したがって、回遊率はユーザーの満足度を示す指標としてよく用いられます。逆に回遊率が低ければ、直帰率や離脱率が高く、ユーザーの求める情報を提供できていない可能性があります。

ランディングページ

ランディングページとは、ユーザーが流入して最初に閲覧するページです。言い換えれば、セッションのはじめに閲覧されるページです。ランディングページという名称は、英語の「Landing Page(着陸するページ)」からきており、「LP」とも略されます。

多くの場合、トップページがランディングページになりますが、検索エンジン経由で流入した際は、サイト中層のコンテンツなどがランディングページになるでしょう。いずれにしても、ランディングページはサイトの入り口の役割を果たすため、優先的に改善するべき重要ページです。

なお、Web広告のリンク先ページも、ランディングページと呼ばれます。この場合、特定の商品の紹介を1ページ程度でまとめて購入や申し込みなどを促すWebページを指します。

アクセス解析の進め方

ここでは、アクセス解析の導入からサイト改善までの流れを4つのステップに分けて解説します。

目標設定

アクセス解析をする前に、最終的な目標(KGI)と中間的な目標(KPI)を決めておきましょう。アクセス解析自体はデータ収集と整理ですので、それを分析して何を達成したいのか決めておかなければ、収集するデータが絞り込めません。また、分析の切り口もブレてしまいがちです。

例えば、KGIを認知度向上とすれば、KPIはKGI達成の前提条件となるPV数やUU数などになるでしょう。

KPIとは? Web広告で用いるべき指標と決める手順を解説」を読む

KGIとは? 設定の必要性や例、KPIやOKRとの違いを解説」を読む

アクセス解析ツールの選択

アクセス解析ツールは大別すると以下の3種類です。

種類 特徴 利用に向くケース
Webビーコン型(タグ型) ・アクセス解析ツールの主流・ページに埋め込んだタグでアクセスデータを取得・無料ツールもある ・詳細なデータを入手したい
サーバーログ型 ・アクセスデータを直接Webサーバーに保存・ユーザーを判別する精度が低い ・Webページに手を加えたくない・リアルタイムで分析する必要がない
パケットキャプチャリング型 ・Webサーバーに流れるトラフィックを専用サーバーに保存・リアルタイム分析が可能・初期コストが大きい ・Webサーバーが自社内にあり、管理できる

それぞれ特徴があるため、目的や自社環境に合ったツールを選びましょう。

レポートの閲覧と分析

多くのアクセス解析ツールには、収集したデータを自動集計してレポーティングする機能が搭載されています。有効活用すると作業を効率化し数値を見て今後の方針を考案する時間を確保することができます。また、グラフや表などで解析結果を見える化できます。

見るべきポイントは分析目的によって異なります。目標設定のKGIやKPIに関連する指標を中心に分析していきましょう。

仮にKGIが認知度向上、KPIがPV数の場合、PV数に注目します。さらにPV数に影響する指標として直帰率、離脱率、回遊率なども分析するとよいでしょう。

データの活用と改善策の実行

アクセス解析を終えたら、結果を改善につなげていきます。具体例をいくつか挙げてみましょう。

  • 直帰率、離脱率が高い
    ユーザーがコンテンツに満足していない可能性があります。コンテンツの質をチェックするとよいでしょう。コンテンツに問題がない場合は検索ニーズとのミスマッチが疑われます。
  • セッション数・PV数が少ない
    セッション数・PV数が少ない場合は、Web広告で露出を増やすなどの対策を打つと良いでしょう。また、SEO対策に力を入れるのも効果的です。

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  • 回遊率が少ない
    回遊率が少ない場合は、ページ内に適切にサイトを回遊するためのリンクが設置されていない可能性があります。また、サイト構造のユーザビリティが悪く、ユーザーが目的のページにたどり着けていない可能性があります。ユーザーの視点になって求められている情報への誘導やデザインの改善などを検討するとよいでしょう。

上記は一例にすぎません。重要なのはアクセス解析を改善につなげる姿勢です。

アクセス解析をするときのポイント

アクセス解析をするときのポイント

ここではアクセス解析を導入する際に、はじめに知っておきたい基本のポイントを4つ解説します。

過去のデータを比較する

アクセス解析の対象となるセッション数やPV数などには、よい数値、悪い数値の基準がありません。適切な分析をするには、自社サイトの過去データと比較してみる必要があります。

例えば、月ごとにPV数をモニタリングすれば、順調にサイトが成長しているかわかるでしょう。また、1年単位で調べれば、季節的なサイクルがわかるかもしれません。

内部要因と外部要因を考慮する

アクセス解析で発見した問題点を、内部要因だけに結び付けて考えてしまうと、本当の原因に気付けない可能性があります。例えば、PV数が急落したときには、サイト改修や方針転換などに走ってしまいがちです。

しかし、実は本当の原因が、競合他社のサイト運営や景気動向など外部要因にあるかもしれません。内部要因・外部要因のどちらにも目を向けることが重要です。

周囲に解析結果を共有する

アクセス解析の結果はサイト運営担当者だけで囲い込んでしまうのではなく、Webデザイナーやコンテンツ制作者、営業、マーケターなどに広く共有するとよいでしょう。多様な意見を聞いて、改善のアイデアがみつけられます。

共有する際は、レポート機能を使ってグラフや表で見える化するのがポイントです。データのままだと、分析に慣れた担当者しか意味を理解できません。

ユーザーの意図を考える

アクセス解析とは、ユーザー行動のリサーチともいえます。「なぜ、この順番でサイトを回遊したのか」「なぜ、この検索語句で流入したのか」など、ユーザーの意図を考えることが大切です。意図を深堀りしていくと、顧客インサイト(購買行動の根拠や動機)をみつけられる場合もあります。

ただ、近年はCookieを利用した個人の行動データの収集が規制されるようになりました。プライバシーポリシーを示したり、情報収集の承諾・拒否を選択できる画面を提示したりするなどの対策が求められています。

アクセス解析でWebサイトの改善に役立てよう

アクセス解析は自社サイトのユーザー特性や行動パターンを把握するのに欠かせない施策です。アクセス解析の結果は、ユーザーのインサイトを発見したり、コンテンツ制作のアイデアをみつけたり、プロモーションの成果測定をしたりと、幅広く応用できます。アクセス解析でWebサイトの運用成果を高めていきましょう。

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