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日産自動車~MASS MATRIXで実現するファネル戦略

日産自動車株式会社

2022.05.31

電動化・自動化への挑戦や安全性の追求など、自動車業界を取り巻く環境は日々変化しており、企業へのニーズも年々高くなってきています。日産自動車株式会社(以下、日産自動車)では、市場の変化に真摯(しんし)に向き合い、お客様のニーズをデータに置き換え可視化することで、お客様を中心に据えた新たなマーケティング戦略を展開されています。

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  • 比較検討層での第一想起検索率が2倍

  • 新セグメントでの潜在層へのアプローチ、コンバージョン含有率が8.1倍

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日産自動車では、メディアなど環境変化によるタッチポイントの多様化やお客様の行動様式の変化にあわせ、マーケティングプロモーションを進化させてきました。

デジタルプロモーションの強みでもあったコンバージョン至上主義からの脱却を目指し、対象をアッパーやミドル領域にまで拡大、データ検証から導き出されたユーザー群の行動予測に基づいた広告配信を実施するなど「未来の顧客を捉える」ためのフルファネルコミュニケーションを展開しています。

今回の施策では、ヤフーが提唱する「MASS MATRIX」(各種サービスを使った多様で質の高いユーザー基盤とプラットフォーム規模)を最大限生かし、自動車購買と親和性が高いと思われる「第一想起検索(*1)」と「車種コンバージョン(*2)」を教師データ(*3)として採用。可視化したデータを元に予測ファネルでの高スコア層、すなわち "未来のお客様" への広告配信を実施した結果、実際に第一想起検索と車種コンバージョンを起こすユーザーが増加し、より確度の高い広告配信につなげることができました。



日産自動車株式会社の小倉様

日産自動車株式会社 日本マーケティング本部 ブランド&メディア戦略部
小倉 遵也様



MASS MATRIXとは

ヤフーの持つ巨大なユーザー基盤で、広告主様の課題解決をより強化していくというステートメント。規模(MASS)とデータの多様性、質を備えた立体的なユーザー基盤(MATRIX)を掛け合わせ「規模と効率を両立したマーケティング活動」「データを活用しフルファネルでPDCAを回せるマーケティング活動」を実現します。



MASS MATRIXで実現するフルファネル戦略の世界観

マーケティングファネルの購買層においては、より深い自動車への関心や購買行動を意識したターゲティングを活用した広告配信をし、また購買を具体的に検討し始める比較検討層ではYahoo! JAPAN 第一想起分析やYahoo! JAPAN 予測ファネルを駆使した"未来のお客様"へのアプローチを展開しました。さらに、テレビや新聞などノンデジタルなメディア訴求が主流であった潜在層へは、比較検討層へのプロモーションで蓄積されたデータをベースにしたデジタルでの配信を実施、すべてのユーザー層に一気通貫したプロモーションサイクルを目指しています。



日産自動車様のMASS MATRIXをベースにしたフルファネル戦略

日産自動車様のMASSMATRIXをベースにしたフルファネル戦略



比較検討層での第一想起分析と予測ファネル活用

"未来のお客様"である比較検討層へのリーチ拡大戦略としては、第一想起分析や予測ファネルなどヤフーのデータソリューションを活用。ユーザー群の予測行動を先回りして捉え、第一想起検索をリフトさせることができました。



予測ファネルでは、第一想起検索、車種名検索、コンバージョンしたユーザー群のウェブ上での行動を分析してリアクションにつながりやすいユーザー群を予測ファネルのデータから抽出。検討中期のコンバージョンしやすい層と検討初期の第一想起しやすい層に分けて定義し、各ターゲットでのペルソナを可視化しました。


検討中期層と検討初期層の差分を特別セグメントとして広告配信(設計イメージ)

検討中期層と検討初期層の差分を特別セグメントとして広告配信(設計イメージ)



2つのターゲット差分を特別セグメント("未来のお客様")と定義して、広告配信に活用した結果、広告接触後に第一想起検索を起こしたユーザー数が2倍となりました。



広告接触後の第一想起検索数

広告接触後の第一想起検索数

※比較条件
計測期間_2021/11/19 ~ 2021/12/05
訴求期間_90日(自動車関心行動がなかった期間)、検討期間_14日(第一想起検索を起こした期間)
上記条件でNOTE (ノート)を第一想起したユーザー



比較検討層での勝ちパターンを他車種にも展開

今回作成した特別セグメントを潜在層アプローチの手法として、他車種 のSERENA(セレナ)への配信へと展開しました。予測ファネルでの高スコアユーザー群への配信期間では、熾烈なマーケット環境においても、ミニバンセグメントにおいてセレナの第一想起検索を伸長させるなど、データを可視化したセグメント設計の効果が発揮されました。
この予測ファネルでの車種コンバージョンの高スコア層(車種コンバージョンを起こしやすい層)への広告配信では、リターゲティングを除く通常の配信と比較して、コンバージョンにつながる確率が8.1倍になり、比較検討層での戦略として恒常的に配信できるセグメントを確立することができました。



予測ファネル高スコア配信のコンバージョン含有率


予測ファネル高スコア配信のコンバージョン含有率

※比較条件
対象となる広告接触後のコンバージョン率を計測
計測期間_2022/1/19~2022/2/28
第一想起高スコア配信 ディスプレイ広告(予約型・運用型)と同車種のディスプレイ広告(予約型)は除外


導入企業のコメント

日産自動車では、今後デジタル領域で潜在層を捉えていくことを最重要課題のひとつと位置付け、ユーザーを精緻に可視化したデータベースを構築。ATL(Above The Line:一般的なマス広告の総称)とBTL(Below The Line:一般的なセールスプロモーション施策)の融合でリーチする手法など、より先の"未来のお客様"に向けたプロモーション戦略を検討しています。実際、メディアを融合する際は、接触頻度やお客様のリアクションをメディアを横断して把握することでオーバーアプローチを避けるなどよりメディア間の相乗効果を可視化していく必要が発生しますが、お客様を中心に据えたアプローチがプロモーションの本質であることは変わりません。第一想起などより検討初期に近いタイミングでのリーチ拡大にチャレンジしつつも、お客様が適切だと思うタイミングで、お客様に適切なコンテンツを届け続けたいと考えています。

今回の施策、MASS MATRIXの概念に基づいた比較検討層へのアプローチでは、想定以上の結果が出たと感じております。このようなデータプロモーション戦略は、多様なメディアを持つヤフーとのタッグだからこそ実現できたと考えており、今後はGYAO!やLINEを使ったOTT(Over The Top)(*4)コンテンツ配信などにかなり期待しています。ありがたいことに、プレミアムコンパクトという市場を開拓し、その中でAURAがカーオブザイヤー三冠(*5)をいただくことができました。外部機関からの評価はお客様からの評価でもあり、マーケットで一定の評価をいただけたということだと思っております。お客様に振り向いていただけない時により自然なアプローチで認知して接触してもらう、ブランディングも兼ねたプロモーション戦略は今後もぜひ一緒に取り組んでいきたいです。。

小倉 遵也(おぐら じゅんや)氏

日産自動車株式会社
日産自動車株式会社 日本マーケティング本部 ブランド&メディア戦略部 シニアマネージャー

 

 

企業名
日産自動車株式会社(外部サイト)
所在地
神奈川県
事業内容
自動車の製造、販売および関連事業

 

*1:検討行動時、1番目に商品、サービスが検索されること
*2:車種ページ来訪後、カタログ請求・試乗車検索・オンライン見積もりなど、車種の購買に近しいページへの来訪
*3:ヤフーのデータを活用したセグメント作成に必要なベースとなる、検索やコンバージョンなどユーザー群の行動をデータ化したもの
*4:ウェブ上のコンテンツ配信サービスの総称
*5:日本カー・オブ・ザ・イヤー2021-2022、RJC(NPO法人日本自動車研究者ジャーナリスト会議)カーオブザイヤー、日本自動車殿堂カーオブザイヤー

* グラフなどに使用している数値は、ヤフー株式会社調べ

文責:水谷美由紀