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Webマーケティング入門 公開日:2023.07.28 更新日:2023.12.26

リスティング広告の入札単価の決め方や最適化する方法を解説

Yahoo!広告

リスティング広告の入札単価を上げれば、上位掲載されやすくなり、多くのクリックやコンバージョンが見込めます。ただ、安易に入札単価を上げるだけでは、広告費がかさんでしまいます。

どうすれば費用対効果の高いリスティング広告の運用ができるのでしょうか。本記事はリスティング広告の入札単価の意味や入札の仕組みなどの基礎知識から説明し、続いて適切な入札単価を決める方法を解説します。また、応用編として入札価格調整率の活用についても紹介するため、成果を高める参考にしてください。

そもそも入札単価とは?

はじめに入札単価とは何か、クリック単価(CPC)との違いは何かについて解説します。オークションシステムの理解や入札単価の最適化にも関わるため、基本を押さえておきましょう。

入札単価の意味

リスティング広告の入札単価とは、広告のクリック1回ごとに最大いくらまで支払っていいか、広告主が指定する価格です。リスティング広告の掲載の有無と掲載順位はオークションで決まります。このオークションで広告主が指定する入札価格が入札単価です。

入札単価を上げるほど、検索結果ページの上位に掲載される可能性が高くなります。したがって、多くのクリック数やコンバージョン(商品購入や申し込みなど)数を見込めるでしょう。一方、入札単価を下げると広告費(クリック課金額)を抑えられますが、広告の表示回数が下がってしまいます。

なお、「入札単価」はGoogle広告における用語であり、Yahoo!広告では「入札価格」と呼んでおり、入札単価と入札価格の意味は同じです。

入札単価とクリック単価(CPC)の違い

クリック単価とは、広告のクリック1回ごとに課金される金額です。CPC(Cost Per Click)とも呼ばれます。

クリック単価と入札単価の違いは、誰が金額を指定するかです。クリック単価は媒体側のオークションシステムによって決まります。したがって、広告主はコントロールできません。一方、入札単価は広告主が設定できます。

また、金額も異なり、クリック単価は入札単価より安くなります。例えば入札単価に100円を入れた場合、クリック単価が100円以上になることはありません。そのため、入札単価はクリック単価の上限を指定する単価とも表現できます。オークションシステムの仕組みについてはのちほど解説します。

クリック単価については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

リスティング広告のクリック単価(CPC)とは? 最適化の方法も解説」を読む

リスティング広告の入札単価の決め方は?

リスティング広告の入札単価の決め方

競合に勝てる入札単価にしなければ、リスティング広告を掲載できません。しかし、同時に広告費のコントロールも大切です。

適切な入札単価を決めるには、どうすればよいのでしょうか。ここでは「相場のリサーチ」「最適化提案画面の活用」「目標から入札単価を逆算する方法」を解説します。

入札単価の相場をもとに決める

入札単価は競合が多く、商材の値段が高いほど、相場が高くなる傾向があります。自社が登録したいキーワードをリストアップして、広告管理ツールなどを使って相場を調べてみるとよいでしょう。

競合が多いのは、行動喚起につなげやすいキーワードです。例えば「税理士」のように漠然としたキーワードよりも、「税理士 インボイス対応」など複数のキーワードを組み合わせて検索しているほうが、コンバージョンに近い傾向にあります。こうしたキーワードは競合が多いため、入札単価を上げないと上位掲載できません。

また、リスティング広告では業界によってキーワードの相場が異なります。特に、利益率を高くしやすい単価の高い商材(自動車販売、不動産売買、リフォームなど)を扱う業界では高くなりやすいようです。したがって、高めの入札単価でなければ上位掲載できない可能性があります。

Yahoo!広告の最適化提案画面を活用する

Yahoo!広告では、「最適化提案画面」(旧キーワードアドバイスツール)を提供しています。最適化提案画面はアカウントの広告運用状況に応じて、最適な広告運用を提案するサービスです。入札単価の検討にも応用できます。

広告管理ツールのサイドメニュー「最適化提案」から、「新しいキーワードの追加」の項目にある「最適化案の詳細を表示」を選択します。すると、すでに登録済みのキーワードと関連度が高く成果が出そうなキーワードが抽出され、入札単価の推定値が表示されます。

最適化提案画面を使うと、広告運用の経験が少なくても、的確にキーワードの選定が可能です。ただし、運用実績が少なすぎると最適化提案の精度が下がる可能性があります。運用初期では入札単価の相場を調べたり、広告費用から入札単価を求めたりするなどしたほうがよいでしょう。

計算式を用いる

過去のプロモーションや類似商材の実績からCVR(Conversion Rate:コンバージョン率)が予想できる場合は、目標のCPA(Cost Per Acquisition:顧客獲得単価)から入札単価を求められます。

CPAとは、1件の成果を得るためにかかるコストです。例えば、広告費20万円で5件の成約を目標にする場合、CPAは次のとおりです。

  • CPA=コスト÷コンバージョン数=20万円÷5件=4万円

CVRが1%の場合、クリック単価は以下のとおりです。

  • クリック単価=目標CPA×CVR=4万円×1%=400円

このクリック単価を上限として、入札単価を検討します。

しかし、はじめての広告では、CPAやCVRがわからない場合もあります。こうした場合、広告予算と目標クリック数からクリック単価を計算するとよいでしょう。

例えば、広告費10万円で500クリックを目標とします。するとクリック単価は、次のとおりです。

  • クリック単価=広告費÷目標クリック数=10万円÷500クリック=200円

200円をクリック単価の上限として、入札単価を検討します。

CPACVRについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

CPAとは? 設定方法や活用するメリット・注意点を解説」を読む

CVRとは? 重要性や目安、改善方法、CTRとの違いも紹介」を読む

リスティング広告の入札単価を最適化するポイントは?

リスティング広告の入札単価を最適化するには、「入札価格調整率」を使うのが便利です。入札価格調整率とは、指定した時間帯や地域、ユーザーなどに広告配信するときのみ入札単価を引き上げ/引き下げられる機能です。

例えば、「土曜日の21:00?22:00に配信するときだけ、入札単価を50%引き上げる」のように設定ができます。仮に通常入札単価が100円なら、指定時間帯だけ入札単価が150円に上がるため、メリハリを利かせた運用ができます。

入札価格調整率を指定する条件は、デバイス別、日時別、地域別、ターゲットリスト別の4つです。それぞれ、具体策を交えながら解説します。

デバイス別に入札価格調整率を設定する

デバイス別の入札価格調整率は、ユーザーの利用デバイスによって入札単価を調整したいときに活用します。パソコン、スマートフォン、タブレットユーザーごとに、入札価格調整率を設定できます。

Yahoo!広告の場合、デバイス別の入札価格調整率を以下のように設定可能です(この調整幅は他の種類でも同じです)。

  • 引き上げ率:0%?900%
  • 引き下げ率:1%?90% ※100%の場合は広告表示しません

例えば、メインターゲットが若年層の場合、スマートフォンの入札価格調整率を上げたほうが成果を上げられるかもしれません。また、BtoBのターゲット層はパソコンユーザーが多いため、パソコンの入札価格調整率を上げ、スマートフォン、タブレットを下げるなどの戦略が考えられます。

ただし近年では、昼間は会社のパソコンを使い、通勤中はスマートフォン、自宅ではタブレットなどのように、マルチデバイス化が進んでいます。あまり利用デバイスを決めつけすぎると、接触機会を逃してしまいかねません。

日時別に入札価格調整率を設定する

曜日・時間帯の入札価格調整率は、特定の曜日や時間帯だけ入札単価を引き上げ・引き下げできる機能です。Yahoo!広告では曜日指定と、1日に最大6件の時間帯設定(15分単位)が設定できます。

曜日・時間帯の入札価格調整率の活用法は、大きく分けると2つです。

一つは成果が出やすい曜日・時間帯に重点的に広告配信する方法です。例えば、居酒屋なら金曜日の夕方くらいからお店を検索する人が増えるかもしれません。また、ホームセンターなら土日に関連情報を検索するユーザーが増えるでしょう。このような曜日・時間帯に入札価格調整率を引き上げます。逆に定休日の広告配信は消極的にするなどの手法も効果的です。

もう一つはユーザーのインターネット利用時間に合わせる方法です。例えば、主婦層は家事・育児が落ち着いたお昼過ぎにインターネットを使う傾向があります。ターゲットの利用時間に合わせて入札価格調整率を上げれば、効率的にターゲットに広告を配信することができます。

地域別に入札価格調整率を設定する

地域別の入札価格調整率とは、特定の地域に配信する広告だけ入札単価を調整する機能です。Yahoo!広告の場合、都道府県や市区町村(「福岡市」「東京23区」「北海道」など)単位で入札価格調整率を指定できます。

地域別の入札価格調整率は商圏がはっきりしている場合にとても便利です。飲食店やサービス業など、実店舗への集客目的でリスティング広告を活用する場合には、必須の機能といえるでしょう。

また、顧客の分布がはっきりしている場合も効果的です。例えば、観光客向けの旅館の場合、地元以外に広告配信すれば、余計な広告費が発生しにくくなるでしょう。顧客データをもとに都道府県ごとに入札価格調整率を調整すれば、さらに広告配信を最適化できます。

ターゲットリスト別に入札価格調整率を設定する

ターゲットリスト別の入札価格調整率とは、ユーザーの年齢、性別などの属性や、行動履歴などでターゲットを指定して、入札価格調整率を調整できる機能です。Yahoo!広告の場合は、過去に広告主のサイトを訪問したことがあり、かつ検索サイトで商品やサービスを検索しているユーザーを選んで入札価格調整率を変えられます。

Yahoo!広告の入札価格調整率の対象は、すでに自社と接点があり商品に関心を持っている、見込み度の高いユーザーです。このため広告のクリック率、そしてクリック後のコンバージョン率は高くなる傾向があります。入札価格調整率で入札単価が上がっても費用に見合う効果を期待できます。

リスティング広告の入札単価を適切に設定して効果の最大化を

リスティング広告は入札単価を上げるほど上位掲載されやすくなり、多くのクリック、コンバージョンを見込めます。しかし、その分広告費は高くなってしまいます。

そのため、投資収益率を最適化できる入札単価を見極めることが重要です。改善サイクルを回しながら、効果の最大化を図っていきましょう。

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