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Webマーケティング入門 公開日:2022.08.18

PEST分析とは? 4つの要素や分析のタイミング、方法をわかりやすく解説

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より効果的なマーケティング施策を検討するためには、自社を取り巻く外部環境の把握が欠かせません。PEST分析は政治や経済などの自社ではコントロールできない外部環境を分析する手法で、経営戦略やマーケティング施策を考えて実施するうえで覚えておきたい分析手法の一つです。

本記事では、PEST分析の概要や目的、実際に分析を進めるときの流れなどを詳しくみていきます。

PEST分析とは?

PEST分析とは

PEST分析とは、マクロ環境を分析するためのフレームワークです。マクロ環境とは企業を取り巻く外部環境のうち自社でコントロールできないもののことで、具体的には次の4つを指します。

  • Political factors(ポリティカル・ファクター):政治的要因
  • Economic factors(エコノミック・ファクター): 経済的要因
  • Social factors(ソーシャル・ファクター)=:社会的要因
  • Technological factors(テクノロジカル・ファクター): 技術的要因

PEST分析では上記4つの環境を分析するため、それぞれの頭文字をとって名前がつけられました。

PEST分析の目的

PEST分析の目的は、事業に影響を及ぼす可能性がある外部要因を把握し、マーケティング戦略に活かすことです。政治や経済といったマクロ環境は、ビジネスに大きく影響を与えます。PEST分析は、自社を取り巻く環境を把握して柔軟な経営戦略を立案するために活用されます。

マーケティングにおけるPEST分析の重要性

ビジネスを進めるうえで、世の中全体の変化が事業に影響を及ぼす点を意識しておかなければなりません。法律や税制、景気、流行など、消費者の行動に影響を与える要因は多く、企業がコントロールできない部分であるため、しっかり分析したうえで戦略を立てる必要があります。このように、マーケティング戦略にはマクロ環境の分析が欠かせないため、効率的にマクロ環境を分析するフレームワークのPEST分析が重要とされています。

PEST分析の4つの要素

ここでは、PEST分析の4つの要素について解説します。

Politics(政治)

政治的要因は市場競争のルールを変化させる要因です。具体的には、以下のような要素が挙げられます。

  • 法律や条例による規制
  • 税率の変更
  • 裁判の判例
  • 政権交代や政治的思想 など

例えば学習塾なら、学習指導要領の変更や消費税率の変更があると、授業内容や授業料の見直しが求められるでしょう。

政治的要因の分析では、国内の動向だけでなく海外の動向も踏まえて、自社にどのような影響が及ぶ可能性があるか分析する必要があります。

Economy(経済)

経済的要因は、マーケティング自体に大きな影響を与える可能性がある要因です。具体的には、以下のような要素が当てはまります。

  • 景気動向
  • 消費動向
  • 物価の変動
  • 雇用情勢
  • 経済成長率 など

例えば2020年頃からの新型コロナウイルスの流行によって旅行需要が減少し、飲食店や宿泊施設などが大きな影響を受けました。これは、感染症の流行によって消費動向が変化したためです。

Society(社会)

社会的要因は、経営環境や消費者のライフスタイルに影響を与える要因です。具体的には、以下のような要素が当てはまります。

  • 人口や世帯構成
  • 流行や文化
  • 事件や犯罪
  • 世論 など

例えば学習塾の運営では、対象となる年齢の子供の数は経営状況に大きく影響を与えるでしょう。

社会的要因によって消費行動が変化するため、とても身近な分析要素といえます。

Technology(技術)

技術要因は、商品の開発や提供するサービスを変化させる要因です。具体的には、以下のような要素が当てはまります。

  • IT技術の活用
  • 技術開発
  • 特許の取得 など

身近な例として、IT技術の発展で「コールセンター業務をチャットポットに変える」などが挙げられます。

PEST分析を用いるタイミング

ここでは、どのようなタイミングでPEST分析を用いるべきなのか解説します。

社会の流行が変化するとき

流行は消費者の行動に大きな影響を与えるため、社会の流行やトレンドが変化するときにPEST分析を用います。業界によっては、流行の変化があっても事業にあまり影響しないケースもあるでしょう。そのため、まず自社への影響の有無を分析し、影響がある場合はどのような影響が予想されるのか分析が必要です。

新しい事業に取り組むとき

新しい事業に取り組む際、外部要因が自社に与える影響を分析するためにPEST分析を活用します。事業によってマクロ環境が与える影響が異なるため、既存の事業でのPEST分析の実績があるからといって、「新しい事業では分析不要」とはならないでしょう。

これまでのビジネスを方向転換するとき

既存ビジネスの方向性を変える際にも、PEST分析をおこないます。商品やサービスを改良したりターゲット層を見直したりすると、外部環境によって与えられる影響の内容も変わってくるため、分析が必要です

【4ステップ】PEST分析方法

ここでは、実際にPEST分析を進める手順を紹介します。

PEST分析はテンプレートを使うと手軽におこなえるため、以下からダウンロードして活用してください。

テンプレートダウンロード

ステップ1:分析の目的を把握する

はじめに、PEST分析の目的を定めます。「新規事業をはじめるため」「既存ビジネスの見直しのため」など、目的を明確にしておきましょう。このとき、誰が分析を進めるのか担当も決めておきます。

ステップ2:P・E・S・Tの情報を集める

分析の目的を定めたら、業界や取引先など分析する対象を決め、それに関連しそうな情報を集めます。情報が集まったら、それぞれP・E・S・Tの4つの要因に分類してください。テンプレートを活用する場合は、分析対象を中心に記載し、4つの枠に要素を振り分けます。

ステップ3:機会と脅威に振り分ける

ステップ3では、ステップ2で洗い出した要素をさらに分析し、機会と脅威に振り分けていきます。機会とは自社にとってのビジネスチャンスになる要素、脅威は自社にとって太刀打ちできないような要素です。分析の担当者が複数いる場合は、影響が大きい要素をメインにディスカッションして分析を深めます。

ステップ4:分析結果を施策に反映する

それぞれの要素を機会と脅威に振り分けたら、分析結果をマーケティング施策に反映させ、実施します。機会を最大限に活かす方法や、どのように脅威に対処するかを検討し、施策に落とし込みましょう

PEST分析のポイント

ここでは、PEST分析を実施するときのポイントを解説します。

積極的に仮説を立てる

PEST分析は中長期的な将来の仮説を立てる手法で、「予測」はできません。マクロ環境は予測が難しく、あらゆる可能性を考慮しておく必要があります。それぞれの要素を深く分析したうえで積極的に仮説を立てていき、自社が今どのような施策に取り組むべきなのか検討を重ねていくことが大切です。

無理に要因を埋めなくてよい

PEST分析用のテンプレートにはあらかじめ枠が用意されていますが、空いている枠があるからといって無理やり埋める必要はありません。テンプレートの枠にとらわれすぎず、自社を取り巻く環境を柔軟に分析してみてください。

状況に応じて他の要因も使って分析する

PEST分析は4つの要因に要素を分類する手法ですが、場合によってはうまく分類できなかったり、4つの要因だけでは事足りなかったりするケースもあります。その場合は、状況に応じて法的要因や環境的要因など他の要因を追加して分析しましょう。

例えば、自然災害が起きた場合は環境的要因、新しい技術が普及しそうな気配があるものの法整備がネックになりそうなら法的要因などに分類します。

PEST分析と組み合わせて使えるフレームワーク

PEST分析と組み合わせて使えるフレームワークを紹介します。

SWOT分析

SWOT分析

SWOT分析は自社の状況を「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの視点で分析する手法です。内部要因と外部要因の両方を分析するのが特徴で、マーケティング戦略を検討するときに活用します

PEST分析は外部要因を詳しく分析する手法のため、SWOT分析の機会と脅威をより深く分析する手助けとして活用するケースがあります。

SWOT分析の方法は、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

SWOT分析とは? 分析の目的や方法、メリット・デメリットをわかりやすく解説」を読む

5フォース分析

5フォース分析

5フォース分析は「買い手」「売り手」「競合他社」「新規参入」「代替品」の5つの要因からミクロ環境を分析するフレームワークです。外部要因が自社にもたらす影響を分析します。ミクロ環境は外部環境のうち自社である程度コントロール可能な要素のことで、マクロ環境と対になるものです。

PEST分析と5フォース分析を組み合わせると、マクロ環境とミクロ環境の2つの視点で外部要因を分析できます

3C分析

5フォース分析

3C分析は「顧客・市場(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つの関係性を分析するフレームワークです。自社と市場や競合の状況を分析し、自社の事業を成功させるために必要な条件(KSF)を導き出すために活用されます。PEST分析で外部要因を分析しておくと、3C分析で競合や顧客の状況を把握しやすくなります

3C分析の方法は、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

戦略立案に欠かせない「3C分析」とは? わかりやすい分析方法とコツ」を読む

PEST分析でマクロ環境を詳しく把握しよう

PEST分析は、政治や経済など自社でコントロールできないマクロ環境を分析する手法です。マクロ環境によって消費者の行動は大きく左右されるため、新規事業をはじめるときや既存ビジネスを見直すときにはPEST分析を活用しましょう。

マーケティング戦略を検討する際には、PEST分析以外にもさまざまな分析手法があります。SWOT分析や5フォース分析などをPEST分析と組み合わせると、違った視点から市場や自社の状況を分析できるため、複数の分析手法を活用してみてください。

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