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Webマーケティング入門 公開日:2021.07.21

Web(インターネット)広告に必要な費用は? 課金方法や代理店の手数料、費用の抑え方

Yahoo!広告

Web(インターネット)広告はリスティング広告やバナー広告のほか、最近ではSNS広告や動画広告なども一般化しており、広告フォーマットや掲載方式の種類が広がっています。
広告を掲載する場合、広告費が必要になります。広告費は広告の種類や掲載方式で異なるため、Web広告を掲載するにはどのように費用が決まるのか、どのくらい予算が必要なのかなど、費用について知る必要があるでしょう。

ここではWeb広告の掲載にかかる費用、課金方式、広告費を抑えるための工夫をご紹介します。

Web広告の費用はどのように決まる?

Web広告は大きく「純広告」と「運用型広告」の2種類に分けられます。

  • 「純広告」とは
    純広告は広告枠を一定期間買い取る方式となるため、掲載金額や掲載期間などがあらかじめ決められています。広告枠ごとに費用設定が異なるので、どの広告枠を買い取るかを判断することで費用をコントロールできます。
  • 「運用型広告」とは
    リスティング広告に代表されるような運用型広告は、文字通り広告を自分で運用していくタイプの広告フォーマットです。
    広告枠の選択や入札額の設定、ターゲティング、広告文などを広告主が自ら設定・変更し、配信をおこないます。広告費は、クリック課金、インプレッション課金、エンゲージメント課金、広告視聴課金など、課金方式ごとに規定がありますが、少額費用からスタートし運用していくなかで、ある程度費用のコントロールが可能な点が特徴です。

ここからは、課金方式の特徴をそれぞれ紹介します。

クリック課金

広告を1回クリックするごとに広告費が発生する課金方式です。
リスティング広告、ディスプレイ広告、リターゲティング広告、ネイティブ広告、SNS広告など多くのWeb広告がこの課金方式を採用しています。

インプレッション課金

広告が表示されるたびに課金される仕組みです。1,000回表示されるごとに課金が発生する「CPM課金」、動画再生されるたびに課金が発生する「CPV課金」など、いくつかの種類があります。多くのユーザーに見てもらえるように配信されるため、認知拡大に向いています。

CPM課金とCPC課金の違い

エンゲージメント課金

クリックに限らず、シェアやダウンロードなど事前に広告主が設定したユーザーの行動がおこなわれるたびに費用が発生する課金方式です。「ユーザーにしてほしいアクション」に指標を置くことができます。

インプレッション保証型

広告の表示回数ごとに料金を設定する課金方式です。Yahoo!などのポータルサイトやPV数エンゲージメント課金の多いサイトで採用されているケースが多くなっています。100万インプレッション保証でクリック単価1円であれば、広告費は100万円です。実際に100万回広告が表示されるまで掲載されます。

PV保証型

広告ページのPV数を保証する期間契約型の課金方式です。保証されたPV数が達成されると費用が発生します。記事広告の掲載によく見られます。

掲載保証型

情報サイトやビジネスサイト、ポータルサイトなど、Webサイトの特定ページへの掲載を保証する広告です。記事広告でよく見られる方式で、料金設定が高い傾向にあります。

期間保証型

広告の掲載が一定期間保証され、その期間に応じて費用が変動する課金方式です。

成果報酬

商品購入やユーザー登録、アプリダウンロードなど、コンバージョンごとに費用が発生する課金方式です。

Web広告をはじめるのに必要な予算は?

Web広告は「どのような広告を打つか」によって予算が異なります。それぞれの広告の特徴を知り、商品やサービス、ビジネスにもっとも合った広告を選択しましょう。

また、予算について考える際には「継続的な運用」を視野に入れる必要があります。
リスティング広告やSNS広告、記事広告、バナー広告など、それぞれの広告種類ごとに最低出稿価格が決められている場合があります。
しかし広告は出稿するのが目的ではなく、リードやコンバージョンを獲得することが目的です。成果を出すためには、広告を出稿したあとに1ヵ月から2ヵ月程度、場合によってはそれ以上の期間運用し、そのなかで出てきた成果や課題を分析して新たな広告施策を打ち出し、広告をよりよいものにしていく必要があります。

もちろん最初から成果が出れば問題ありませんが、それでもさらに効果を上げるための改善は必要です。そうした検証と改善にかかる費用も予算に組み込んで予算を設定しましょう。

Web広告とマス広告で予算はどのくらい違う?

Web広告とマス広告では、一般的にマス広告の方が多額の予算が必要です。

例えば新聞の場合、全国紙の1面広告(全15段広告)で1段あたり約2,657,000円前後、経済紙でも1段あたり約1,360,000円と多額の費用がかかります。雑誌では、隔週発売で30万部以上発行されている雑誌の場合、カラー1ページの広告費は約2,500,000円です。

テレビCMは放送局や提供番組で異なりますが、放映費と製作費の二種類の費用が必要です。 例えばCM制作パッケージを利用した場合、15秒のCMで約500,000円以上かかります。

参考:
朝日新聞「朝日新聞 広告料金表」
日本経済新聞「広告料金表」
オレンジページ「オレンジページ本誌 広告表」
TBSテレビ 営業サイト「CM制作パッケージ」

一方、Web広告はクリックされた数や動画が視聴された回数によって費用が発生するため、広告の対象となるビジネスによって一般的な費用は大きく異なります。

最適な広告費は「目標を1件獲得するのに必要な単価」(=CPA)×「獲得したい件数」で決まります。
例えば「サイト上での購入1件あたり1,000円までなら広告費が払える、でも、月に100件は購入されないと厳しい」という場合であれば、

1,000円×100件=100,000円

が目安の予算となります。

CPAとは? 設定方法や活用するメリット・注意点を解説」を読む

各Web広告にかかる費用の傾向

ここでは代表的なWeb広告の概要と、費用の目安を紹介します。

リスティング広告

リスティング広告とは、Yahoo! JAPANなどの検索エンジンの検索結果上部に表示されるテキスト広告です。「今」検索しているユーザーにダイレクトに広告を表示でき、比較的成果につながりやすい特徴があります。
リスティング広告の費用相場は以下の通りです。

課金方式 クリック課金型
1クリックあたり 1円?数百円

リスティング広告の費用について、こちらのページでも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

リスティング広告の費用はどのくらい?相場や予算の決め方、手数料を解説」を読む

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、Webサイト、SNS、アプリなどの広告枠に表示される広告で、テキストだけでなく画像や動画も表示できるのが特徴です。またユーザー属性や広告掲載先などで細かなターゲット設定もできます。

ディスプレイ広告には4つの種類があります。それぞれの概要と費用目安は以下のとおりです。

純広告 特定のWebメディアの指定枠に出稿される広告
・期間保証型
・1週間あたり数十万?数百万円
アドネットワーク広告 複数のメディア(WebサイトやSNSなど)を横断するオンライン広告ネットワーク(アドネットワーク)を通じて掲載される広告
・インプレッション課金またはクリック課金
・インプレッション1,000回あたり数十円
・1クリックあたり10円?数百円
DSP広告 複数のアドネットワークを通じて掲載される広告
DSP:Demand Side Platformの略
・インプレッション課金
・インプレッション1,000回あたり10円?数百円
リターゲティング広告 自社サイトを訪れたユーザーを追跡して、別の広告枠に表示する広告
・クリック課金
・1クリックあたり数十円?数千円

ディスプレイ広告の費用について、こちらのページでも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

ディスプレイ広告の費用相場は? 課金方法や単価を抑えるコツを紹介」を読む

動画広告

動画広告は、主に動画配信サービスの動画の再生前、途中、再生後に流れる広告です

リスティング広告の費用相場は以下のとおりです。

課金方式 クリック課金
インプレッション課金
視聴課金
1クリックあたり 10円?数千円
インプレッション1,000回あたり 10円?数百円
1再生あたり 数円?10円

ジャンルや掲載先動画などによって単価に幅があるため、出稿前によく確認しておきましょう。

動画広告について、こちらのページでも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

効果的な動画広告の作り方は? 方法や改善ポイントを解説」を読む

SNS広告

各SNSのタイムラインや広告枠などに表示される広告です。掲載場所やフォーマット(テキストや画像、動画など)のバリエーションが豊富で、目的にあった配信方法を選べます。

コンテンツ閲覧の合間に見てもらえるため、「あくまで自然なかたちでブランディングしたい」といった場合に効果的です。また、情報拡散効果や、双方向コミュニケーションによる交流などを図れるのもSNS広告の特徴です。

SNS広告の費用相場は以下の通りです。

課金方式 クリック課金
インプレッション課金
動画視聴
エンゲージメント課金
成果報酬 ...など
1クリックあたり 50円?
インプレッション1,000回あたり 50円?
1再生あたり 数円?10円
エンゲージメント課金 50円?数百円
成果型 -(コンバージョンごとに異なる)

SNS広告について、こちらのページでも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

リスティング広告とSNS広告の違いとは? 組み合わせた使い方も紹介」を読む

広告代理店に依頼するとどのくらい予算が必要?

ここでは広告代理店に依頼した場合の初期費用やランニングコストの目安を紹介します。

初期設定にかかる費用

Web広告運用の初期設定にかかる費用で、相場は3万?10万円程度です。具体的には次のような作業内容に対して費用を支払います。

  • アカウントの開設
  • キャンペーン設定
  • ターゲット設定
  • キーワード選定(リスティング広告) など

広告代理店に依頼する際には、どの範囲で代行してもらえるのか、各費用はいくらかかるのかなどを確認しておきましょう。広告代理店によっては、リサーチやマーケティングの費用が加算されることがあります。
一方、これらの初期設定は自社でおこなうこともできます。自社で設定すれば初期費用がかからないため、検討するとよいでしょう。

運用手数料(代行料)

広告代理店に運用を依頼する場合、一般的には上述の金額におおよそ20%程度の手数料が上乗せされます
例えば、15万円を広告費とする場合、代理店費用として3万円程度を見込み、実質12万円の中での運用となります。

代理店に依頼すれば運用やレポート、改善などを任せることができます。これまでに蓄積したナレッジや経験のもと運用してもらえるので、より確実に効果を上げたい場合には大きなメリットとなる可能性があります。
しかし一方で、「自分で成果を見ながら運用できる」というのもWeb広告の特徴です。最初からすべてを任せるのではなく、試しに少額ではじめてみるというのもおすすめです。

広告費用

広告出稿時に各媒体に支払う費用です。広告代理店を利用する場合には、代理店経由で支払ってもらいます。

広告代理店によっては、広告費用の最低額を設定している場合があります。例えば「月20万円以上の広告費でなければ広告運用を請け負わない」などです。

また、広告費によって先の運用手数料(代行料)が変わることもあります。具体的には、広告費月30万円未満は広告費の20%、月30万円以上は5万円/月などです。

クリエイティブ制作費用

広告の画像や動画、広告文、ランディングページ(LP)などのクリエイティブ制作にかかる費用です。制作物によるので一概にはいえませんが、数万円?数十万円程度かかるのが一般的です。
クリエイティブ制作は広告代理店に任せられるケースもあれば、別業者に発注することもあります。

コミュニケーションコストを減らしたい場合は、広告代理店に一括で任せたほうがよいケースが多いでしょう。おおまかなイメージを担当者に伝えるだけで、クリエイティブ制作や制作ディレクションを代行してくれる場合もあります。

一方、クオリティを重視するなら、その広告ジャンルに強みを持つWeb広告制作会社に発注するのがおすすめです。逆にコスト削減重視なら、クラウドソーシングを活用して仕事を依頼する方法も検討できます。

広告代理店にWeb広告の見積もりを出してもらうには?

広告代理店を決める前には、大体の費用を知っておきたい場合や、相見積もりを取って比較したい場合があります。ここでは見積もりをとる際に必要な準備や注意点を解説します。

見積もり作成に必要な項目

見積もり作成の際には、共有できる情報が多いほど正確な見積書を受け取れます。最低限以下の内容は伝えるとよいでしょう。

広告出稿の目的 認知度向上やブランディング、コンバージョン数アップなど

※「自社サイトへの流入数を3割増やしたい」、「CPA(顧客獲得単価)を下げたい」など具体的な目標があると伝わりやすい
予算 広告費の予算
月の広告費上限 など
運用時期 広告運用開始時期
どれくらいの期間、継続するつもりか など
自社の現状 広告運用体制(自社運用や他の代理店依頼など)
活用しているメディア
成果状況 など
求めるサービス 設定代行、分析・調査、Webマーケティングのコンサルティングなど、どのようなサービスを求めるのか

見積もりを出してもらうときの注意点

広告効果を完璧に予測するのは困難なので、見積もりやシミュレーションを鵜呑みにすれば、予想外の損失を出すリスクがあります。効果を予測する意味では、見積もりやシミュレーションはあまり役に立たないと考えておきましょう

予測が外れてしまうのは、いくら最適な広告運用をしたとしても、商品自体に魅力がなければ成果が出ないことがあるためです。また、競合会社や景気などの外部要因によっても、結果が大きく変わることはあるでしょう。
「運用してみなければわからない」というスタンスを持っておくことが大切です。

Web広告の費用を抑えるためのポイント

Web広告の費用を抑えるには「いかに無駄を省けるか」が大切です。リスティング広告であれば、ターゲットを明確にして広告を見てほしい人だけに広告を表示させるなど、商材に関係のない不要なキーワードでのクリックを避けるだけでもコストカットが可能です。

商材にあった広告媒体や配信方法の選択すること、店舗誘導が広告の目的であればその店舗や施設がある地域に広告配信を限定したりすることも効果的です。

広告の成果をウォッチし継続的に改善をおこなうことで、より効果的な広告掲載と集客が叶うでしょう。

不要なキーワードを除外する

出稿するキーワードを厳選し、関係性の薄いキーワードを除外します。一時的にクリック数は落ちますが、見込みのないユーザーのクリックを抑えることができます。

例えば、さまざまなブランドを取り扱っているアパレルショップのリスティング広告を出す場合、一般的には「ブランド名+アイテム名」「ブランド名+商品名」などでキーワードを設定しますが、自社で取り扱っていないブランドの商品を探しているユーザーにまで広告が表示される可能性があります。

しかし、取り扱いのないブランド名をあらかじめ除外しておくと、そのブランドの商品を探しているユーザーへの表示を防ぎ、クリックを避けることができます。

誰に広告を表示させたいか、ターゲットを明確にする

Web広告では地域や性別、年齢層などの属性で配信するユーザーを限定できます(※広告の種類によって異なります)。
もし商材が特定の年齢層や趣味嗜好に偏っている場合は、ターゲットを絞り込み、商品のユーザー層だけに向けて広告を配信すべきでしょう。
逆に、明らかに自社の商品やサービスの客層ではない人たちに配信し無駄なクリックが増えてしまうと、広告費がかさんでしまいます。

ターゲットに合ったメディアを選ぶ

ターゲットを明確にしたら、無駄なく広告を表示させるため、ターゲット層が多く集まるメディアを選びましょう

例えば若年層の女性をターゲットにするなら、画像や動画中心のSNSを選ぶのがおすすめです。老若男女にアピールしたいなら、ユーザーの偏りがないディスプレイ広告やリスティング広告が向いています。

まずはメディアを選択し、次にWebサイトやアプリなど、ターゲットの興味や関心に合わせて掲載先を絞り込んでいくとよいでしょう。見込み度が高い顧客に広告表示できれば、CPA(顧客獲得単価)を下げられます。

目的や商材に合った広告フォーマットを選ぶ

広告の目的は、商品販売だけとは限りません。例えば、商品やブランドをより広く世の中の人に知ってもらうために広告を出すという場合もあるでしょう。

認知を増やすためには露出を増やす必要があります。その場合、バナー広告やディスプレイ広告、動画広告が向いています。
また、「検討段階のユーザーにアプローチしたい」という場合はリスティング広告、「まだニーズが潜在的なユーザーにアプローチして意識を引き上げたい」という場合は記事広告などが向いています。

広告配信の目的を明らかにしたうえで、効果が出そうな広告フォーマットを選びましょう。

成果を確認し継続的に改善をおこなう

どのようなWeb広告でも同じことがいえますが、広告のクリック率とコンバージョン率は定期的にチェックし、改善を繰り返していくことが大切です。クリック率が悪ければクリエイティブを変更したり、配信先の絞り込みを考えたりする必要があります。
またコンバージョン数が取れていなければ、配信している広告枠を変えることや別の広告種別に切り替えるなどの対策をとる必要があります。

検索ユーザーにとってクリックしたくなる広告であれば、リスティング広告に関わる「広告の品質」の指標が良くなります。キーワードと商材、ランディングページのコンテンツとキーワードの親和性や表示速度にも気をつけ、読み込みが遅いのであれば画像を圧縮する、スマホ対応していないのであればスマホ対応にするなどといった対応も重要です。これらは品質スコアの上昇に関連するため、改善のポイントとして覚えておきましょう。

自社内でできることはやってみる

広告代理店に丸投げではなく、自社内でできることをすれば、それだけ費用を抑えられます。「動画・イラスト作成はプロに任せ、広告運用は自社で行う」など、できないことだけ依頼するようにしましょう。

また、すべてを広告代理店に任せてしまうとクリエイティブ制作や広告運用のノウハウを蓄積できず、長期にわたり費用を支払い続けることになってしまいます。短期的な成果だけでなく、長期的にコストを抑えられる体制づくりも大事です。

まとめ:自社に適した広告運用で費用対効果を高めよう

ここまでWeb広告の掲載にかかる費用、課金方式、広告費を少しでも安くするための工夫などを紹介してきました。

広告の種類とそれぞれの特徴を踏まえながら、広告掲載の目的を明確にしたうえで選びましょう。ぜひYahoo!広告を活用して最適な広告配信をおこない、コンバージョンにつなげていきましょう。

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#Web広告の基本

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