家電の修理・販売サービスを展開している合同会社 dapper(以下、dapper)は、サービス開始の2020年当初から、Yahoo!広告 検索広告(以下、検索広告)を活用してきました。検索広告で集客効果が表れ始めたころ、検索で興味を持ったユーザーのリターゲティングのために、Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)もスタート。検索広告と同程度のCPA(顧客獲得単価)で、顧客の獲得に成功しています。同社がどのようにディスプレイ広告(運用型)を利用しているか、同社代表の簾田徳彦氏(以下、簾田氏)に話を聞きました。
- 家電修理を検討しているユーザーに「東京生活家電修理センター」を認知してもらうこと
- 検索広告で同社Webサイトを訪れたユーザーに再来訪してもらうため、Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)を活用
- ディスプレイ広告(運用型)を活用し、検索広告の約1/7という効率的なクリック単価を実現
- 検索広告と同水準のCPAで新規顧客の獲得に成功
「家電の修理をしたい」ユーザーにピンポイントでリーチできる検索広告
dapperは、家電メーカー「ダイソン」のドライヤーをはじめ、さまざまな家電の修理・販売を手がける企業で、「東京生活家電修理センター」というWebサイトを運営しています。メーカー修理と比較してリーズナブルな料金設定に加え、平均1〜2日という迅速な対応と高い技術力が強みです。
簾田氏は、修理を希望する依頼者の傾向について次のように語ります。
「安価な家電は、『修理するよりも買い替えたほうが安い』と考える方が多いように感じます。修理の依頼を検討されるのは、価格の高い高級家電が故障したときがほとんどです。そのため、弊社のお客さまは若年層よりも、高級家電を所有している40代から60代くらいの方が中心で、日本全国から修理依頼をいただいています。また、美容室やスパ、ホテルなど、高価格帯のドライヤーを大量に保有している法人のお客さまからのご依頼も多く寄せられています」
修理希望者は、Webサイトの問い合わせフォームや電話などから無料の見積もりを依頼し、見積もりが届いた後に故障品を発送します。同社は、故障品を実際に確認した上で正確な見積もり金額を提示し、修理希望者は最終見積書を確認してから料金を支払います。その後、同社が修理を行い、完了次第返送するという流れです。
簾田氏は同社のサービスを「ニッチな隙間産業」と捉えており、Webサイトのトップページにも「ダイソンドライヤー修理専門店」と大きく掲げ、専門性をアピールしています。
ただし、実際にはメーカーを問わず幅広い家電修理に対応しており、ドライヤー、ロボット掃除機、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど、多様な家電の修理依頼が寄せられているのが実情です。
「特にご年配の方は、家電が壊れたときに『公式メーカー以外にも修理サービスがあるかもしれない』と検索される傾向があります。そうした方に、メーカーの公式サイトや競合他社ではなく、当社のサイトに最初にたどり着いていただきたい。そのためにまずは、検索広告をはじめとするリスティング広告に注力し、『ダイソン ドライヤー 修理』などのキーワードで上位表示されるよう運用しています」
サービス開始当初より検索広告に力を入れてきたことで、ドライヤー以外のダイソン製品に関する修理の問い合わせも増加したそうです。また、現時点では競合他社は多くありませんが、「当社が継続して検索結果の上位に表示されていることが、結果的に新規参入の抑制にも一定の影響を与えている可能性があるのでは」と簾田氏は見ています。
リターゲティング目的でディスプレイ広告(運用型)を低予算で運用
簾田 徳彦氏
簾田氏は、Web上での同社の存在感を高めるため、「Web広告でできることは一通り取り組んでおきたい」と考えていました。しかし、「自分で設定するのは面倒で難しそうだ」と感じていた上、当初は修理作業から広告運用、顧客対応までを少人数で対応していたため、ディスプレイ広告の着手は後回しになっていたといいます。
そうした折、Yahoo!広告のサポート担当者からディスプレイ広告の案内があり、これが始めるきっかけとなりました。
「ディスプレイ広告を始めるのにちょうどいい機会だと思い、『どのサイズで画像を作ればよいか』『使用を避けるべきNGワードはあるか』などを確認し、画像制作に取りかかりました」
制作したディスプレイ広告(運用型)の画像では、小さなサイズでも「ダイソン製品の修理が可能であること」が直感的に伝わるよう、構成や文字サイズに配慮したといいます。
「画像が完成した後は、Yahoo!広告の担当者に電話で相談しながら一緒に設定を進めました。電話でのサポートのおかげで、ハードルが高いと感じていたディスプレイ広告(運用型)をスムーズに始めることができました」
本画像は合同会社dapperの許諾を得て掲載しています。
また、ディスプレイ広告(運用型)の運用にあたっては、適切なユーザーに広告配信が行われるよう、ターゲティングに注力したと言います。
「当社のサービスは修理が中心のため、家電が壊れていないお客さまに広告を配信すると広告費が無駄になってしまいます。そこで、特定の広告をクリックしたユーザーや、当社Webサイトを訪れたことのあるユーザーを対象に配信する設定(※サイトリターゲティング)にしました。ターゲットを絞ることで、広告費を抑えながら運用できています」
以前に自社Webサイトを訪問したユーザーに対し、再来訪を促す広告を表示する手法。興味を持っているユーザーが配信対象のため、成約の見込みが高いのが特徴
さらに、Webサイト誘導に至る可能性の高いユーザーを特定して、自動的に配信対象を絞り込むスマートターゲティング機能も活用することで、運用を効率化できていると話します。
ディスプレイ広告(運用型)も、検索広告と同程度のCPAでの顧客獲得を実現
ディスプレイ広告(運用型)を始めた当初、簾田氏は「効果が出なければすぐにやめよう」と考えていたと言います。しかし実際に運用を開始すると、想定以上に成果が出ていたことから、現在も継続的に活用していると話します。
「ディスプレイ広告(運用型)の運用を続けている理由は、検索広告と比べてクリック単価が約1/7と低く抑えられていた点です。獲得件数自体は検索広告より少ないものの、最終的なCPA(顧客獲得単価)はほぼ同水準で推移しており、費用対効果の面でも十分に手応えがありました」
同社ではこの成果を受け、他のWeb媒体でもディスプレイ広告の配信を開始。しかし中には、アドフラウド(広告の表示やクリックが不正に水増しされる行為)の疑いがあるWebサイトに頻繁に掲載されてしまう媒体もあったと言います。
「その点、ディスプレイ広告(運用型)は配信面の信頼性が高く、安心して運用できています」
さらに簾田氏は「これまで時間がなく着手できていませんでしたが、動画広告にも取り組んでみたい」とディスプレイ広告のクリエイティブの強化も検討していると語りました。
LINE公式アカウントをお客さまとの個別コミュニケーションに活用
同社では現在、Yahoo!広告の運用と並行してLINE公式アカウントも活用しています。
「LINE公式アカウントを開設した当初は、見積もり依頼の窓口として利用いただくことや、修理後のレビュー投稿をお願いする用途を想定していました。実際に運用してみると、故障箇所の動画や型番の画像をお客さまから送っていただく際にも非常に便利でした」
現在同社は、電話・メール・ショートメール・LINE公式アカウントでユーザーと連絡を取っています。その中で、やり取りが最もスムーズなのがLINE公式アカウントだと簾田氏は感じています。
「メールやショートメールはその他の未開封メールに埋もれてしまってお客さまが見ないケースが増えています。その点LINE公式アカウントは、日々家族や友人とのやり取りで利用しているLINE上でメッセージを届けられるので、見てもらえやすいのではないかと思います。友だち(LINE公式アカウントのフォロワー)数はすでに5,000人に到達しており、長期的なリピート利用につながる新たな接点として期待しています」
| 企業名 | 合同会社dapper |
|---|---|
| 所在地 | 東京都新宿区
|
| 事業内容 | 電化製品の修理及び販売 他
|
| サービス | 東京生活家電修理センター |
(公開:2026年1月、取材・文/小泉明奈、POWER NEWS編集部、写真/慎芝賢)
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本記事の実績数値は、取材先による調査結果に基づきます