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LINE 公的個人認証サービス(JPKI)

物価高の住民支援は地域電子マネー「でんすけペイ」でポイント付与!住民と職員の負担を減らすLINEを活用した当麻町の事例

北海道当麻町

2025.09.18

北海道当麻町は、上川地方に位置する自然豊かな町です。町の象徴である当麻鐘乳洞 は、北海道で唯一観光可能な鍾乳洞として多くの観光客を惹きつけています。農業が盛んで、特に米や野菜の生産が地域経済を支えており、新鮮な農産物は地元の特産品として人気です。観光スポットには、当麻山展望台フィールドアスレチック、世界の昆虫館パピヨンシャトーあり、自然を満喫することができます。夏には「蟠龍まつり」が開催され、地域の祭りやイベントが豊富です。旭川市からのアクセスが良好で、観光やビジネスの拠点としても利用されています。
 

 

LINE 公的個人認証サービス(JPKI)をどのような用途で利用していますか

当麻町では、物価高騰の影響を受ける全住民を対象に、町内の加盟店で利用できる地域電子マネー「でんすけペイ」のポイント付与を行いました。ポイント付与前の本人確認には、LINE 公的個人認証サービス(JPKI)を活用しています。

 

 

申請方法は、当麻町LINE公式アカウントのリッチメニュー「物価高騰支援」をクリック、フォームに必要事項を記入後、本人確認を行うことで申請が完了します。
本事業に関して、当麻町ホームページやLINEからのメッセージはもちろん、全世帯にLINE公式アカウントのQRコードと申請方法を詳しくまとめた案内を郵送しています。
役場に足を運ぶのが難しい方は案内をもとにご自身で申請、スマートフォンをお持ちでない方やデジタルに不慣れなご高齢の方は窓口申請をご利用いただけます。

LINE 公的個人認証サービス(JPKI)を採用した理由を教えてください

コロナ禍における経済対策の一環として、対象加盟店で利用できる商品券の配布を行いましたが、これは紙媒体での発行・配布でした。
住民は郵送された申請書に記入して返送し、役所はその内容を確認したうえで、1件ずつ受付名簿へ手入力する必要がありました。3,000世帯のうち実に2,200世帯から申請が寄せられ、担当課であるまちづくり推進課は、受付処理や商品券の発送業務に何日も追われることになりました。
この経験を踏まえ、住民が手軽に申請でき、かつ職員の負担を大幅に軽減できる方法の導入が課題となりました。
令和7年2月からは、プレイネクストラボ社が提供する「スマート公共ラボ」を活用し、LINE公式アカウントの運用を開始。これにより、LINE上での操作だけで電子申請が完結できる体制が整い、今回の新しい取り組みが実現しました。

電子申請にLINEを活用したことで、職員の業務に変化はありましたか

 

コロナ禍で実施した郵送での商品券配布と比べると、業務負担は体感で1/10に減ったと感じています。今回の取り組みは、申請者情報を管理画面で確認し、承認するだけで翌週には申請者にポイントを付与できます。お待たせすることなく給付ができ、心理的な負担も軽減されました。


また、窓口での申請を希望する方も一定数いらっしゃいましたが、長蛇の列を作ることなくスムーズに対応ができました。LINEを使い慣れた方はオンラインで、デジタルに不慣れな方は窓口で、どちらの方にも不便がない申請方法を提供できたと思います。

LINEから電子申請をした住民の反応はいかがですか

今回の物価高騰対策支援事業は、窓口申請1,732件、LINEから申請798件(有効申請のみカウント)でした。 初の試みでありながら、電子申請が多く好評だと感じています。

 

 

特に、LINEからの申請には70代以上の方も一定数いらっしゃり、申請導線を簡略化したことが功を奏したと思っています。
さらに、申請時間を見ると、お昼休憩や17時以降の申請が多く、平日に役場に足を運べない方々にも便利にご利用いただけていると感じています。
 

 

地域電子マネー「でんすけペイ」の利用状況はいかがでしょうか

この施策は、「住民の生活支援」と「町内加盟店」の双方支援を目的としていました。そのため、あえて当麻町内のみで利用できる「でんすけペイ」での給付を実施したのですが、加盟店からは、ポイント決済額が増加しているという嬉しいお声をいただいています。
役場としても、住民と加盟店の双方をサポートできる施策になったと思います。今回の施策により、「でんすけペイ」の利用者数が3,000人ほどに増え、住民のおよそ半数が利用する状態に達し、浸透に成功したと感じています。

とても成功した事業だと思うのですが、苦労したことがあれば教えてください

1人当たり1万ポイントの付与は、各世帯の代表者にまとめて付与する仕組みとなっています。(例えば、4人家族の場合は1万ポイント×4人分=4万ポイントが、その世帯の代表者にまとめて付与されます。)
このポイント付与ルールについて、住民へのアナウンスが十分でなく、世帯内で二重申請が発生するケースが見られました。この場合、対象世帯からの申請を全て取り下げなければなりません。個別にLINE上のメッセージ  で取下げ理由をお伝えし、申請をやり直していただきます。結果として、申請の約15%が却下となり、一部住民に手間をかけさせてしまいました。
次回以降は、申請条件をしっかりと案内するなど、課題が明確になっています。

 

今後の目標や展望を教えてください

LINEからの電子申請は、住民と職員の双方にとって満足度の高い行政サービスとなったと実感しています。この実績を基に、今後は他の事業での活用も検討したいと考えています。

ありがとうございました

 

 

北海道上川郡当麻町
人口:5,991人(令和75月末現在)
住所:〒078-1393 北海道上川郡当麻町3条東2丁目111