• ホーム
  • 事例
  • 来店動機の最大化を目指すファミリーマートのLINE活用戦略
LINE公式アカウント LINEチラシ

来店動機の最大化を目指すファミリーマートのLINE活用戦略

株式会社ファミリーマート

2026.02.05

株式会社ファミリーマート マーケティング本部
メディア&プロモーション改革推進部 メディアグループ 近藤秀仁 氏

2012年にLINE公式アカウントを開設して以来、ファミリーマートはLINEクーポンLINEチラシなど、複数のサービスを組み合わせながら来店促進となるデジタル施策に取り組んできました。その背景や戦略などについて、株式会社ファミリーマート マーケティング本部の近藤秀仁氏(以下、近藤氏)に話を聞きました。

目的
  • デジタルを活用し生活者と継続的につながるコミュニケーション基盤を構築したい
  • キャンペーン通知や商品情報を、時代の変化に合わせてタイムリーに届けたい
施策
  • LINE公式アカウントでキャンペーン・新商品情報を配信
  • LINEクーポンを活用し、来店・購買行動を促す導線を設計
  • LINEチラシで常時掲載型の情報発信と継続的接触を強化
効果
  • 複数のLINEサービスを統合的に運用することで来店促進に貢献
  • プッシュ配信による瞬間的な認知の最大化と、クーポンによる購買への転換を実現

LINE公式アカウントの開設からLINEクーポン、LINEチラシと拡充した背景

ファミリーマートとLINEの取り組みは、2012年10月のLINE公式アカウント開設から始まりました。その後、LINEクーポンで来店を後押しする仕組みを整備し、キャンペーン情報を常時掲載できる媒体として2021年にはLINEチラシを導入。紙媒体の縮小やデジタルの進化とも相まって、LINEを活用した施策を年々拡大させていきました。

 

「そもそも、ファミリーマートが展開するキャンペーン告知にあたり、当時、破竹の勢いでユーザー数を伸ばしていたLINEに注目したことが活用のきっかけでした。現在も、これまで紙で提供していたクーポン券やギフト券などが次々にデジタル化されています」

LINE公式アカウント、LINEクーポン、LINEチラシはいずれのサービスも「集客につなげる」という共通目標があります。

 

「LINE公式アカウントは『ファミリーマートの情報を知りたい』と思って友だち追加してくれるユーザーが多いため、そこを軸に相互連携を考えました。例えば、LINEチラシ上でファミリーマート各店舗をフォローすると、LINE公式アカウントの友だち追加も促進できます。一方、LINE公式アカウントからもクーポンやチラシの案内を配信しています。サービスごとに利用しているユーザーの目的や接点は異なりますが、相互送客が生まれるように設計することで、一つのサービスとして運用可能になり、結果的に来店されるお客さまの数にも寄与していると思います」

ファミリーマートのLINE公式アカウント

そんなファミリーマートのLINE活用の中心にあるのは、「注力キャンペーンをいかに多く認知してもらい、来店につなげるか」という考え方です。

 

「『今、最もお客さまに参加してほしいキャンペーン』を訴求軸の中心に据え、認知から来店につなげることがゴールです。その上で、LINE公式アカウント、LINEクーポン、LINEチラシそれぞれの特性を生かして、キャンペーンを案内しています」

 

LINE公式アカウントは、キャンペーン開始当日にメッセージを一斉配信し、初動の認知を高める役割を担います。LINEクーポンは認知を「来店と購買」に転換するための手段と位置づけ、キャンペーン対象商品に紐づいた割引や特典クーポンを配布することで、「見ただけ」ではなく、「お得に買える」という来店動機を提示します。

 

一方、LINEチラシは常時情報が掲載されるメディアのため、お得な情報に敏感な顧客層、特に女性ユーザーに向けて、キャンペーン情報や増量企画などを一覧で掲載しています。

 

こうして、同一キャンペーンについて「瞬間的な告知(LINE公式アカウント)」「お得な参加導線(LINEクーポン)」「継続的な露出(LINEチラシ)」という3つの角度から提示することで、接触機会と来店動機の最大化を図っています。

最終ゴールである「来店・売上」に至るKPIを管理、効果向上に向け改善を継続

ファミリーマートのLINE施策における目的は「キャンペーン認知から来店と購買につなげる」というシンプルなものですが、サービスごとに「途中の指標」は細かく確認しています。

 

具体的には、LINE公式アカウントではクリック率などを、LINEクーポンは利用率、LINEチラシは閲覧数などです。

 

「大型キャンペーンは年度ごとに同時期に展開していることも多く、前年比較はしやすいです。そのため、今回はどのサービスが貢献したのかを確認しながら、キャンペーンのクリエイティブや配信方法を調整しています。ただ、『これが勝ち筋だ』と断言できるケースは少ないのが現状です。シズル感のあるクリエイティブの見せ方が良かったのか、タレントを起用できたからなのか、コラボ企画が好評だったのかなど、いくつかの要素が複合しているため、『なぜ良かったのか』を毎回探り続けています」

そんなファミリーマートのキャンペーンで近年特に支持されているのが、「増量」や「1個買うと1個もらえる」といったお得感を打ち出した企画です。「実質値下げ」としてユーザーに受け止められやすく、値上げが続く環境下では大きな効果があったといいます。

「ファミマ」ならではの体験づくりに貢献

一方、課題もあります。ファミリーマートでは各種クリエイティブ制作でも前回結果などを参考に調整を重ねていますが、特にLINEクーポンの場合、「この商品が何円引きで購入できる」というように、対象商品と価格の値引き金額が注目を集め、キャンペーンの認知向上が難しいという状況が生まれていました。

 

こうした状況を打破するために、商品訴求のキャンペーン時には商品とキャンペーンを紐づけて認知してもらえるように、LINEクーポンページ内にキャンペーンバナーを掲載することにしました。

 

「ファミリーマートは『お得だけで勝負する』ブランドを目指しているわけではありません。コンビニエンスウェアのような独自商品、メジャーからニッチまで幅広いコンテンツコラボなど、『ファミリーマートに行くからこそ得られる特別感』も重視しています。世代や価値観ごとにターゲットを絞って効果的なキャンペーンや商品を打ち出していくことで、値引き以外の訴求でも来店につなげることができると考えています」

現状でも、LINEのサービス活用について、「まだまだ、やり切れていない部分がたくさんある」と語る近藤氏。とはいえ、今後も戦略の基本方針は変えず、新機能や情報にアンテナを立てながら、ファミリーマートならではの体験提供を強化していきたいと語ります。

 

(公開:2025年1月、取材・文/岩崎史絵、写真/山﨑美蔓)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です

企業名 株式会社ファミリーマート
所在地
東京都港区芝浦三丁目1番21号
事業内容
フランチャイズシステムによるコンビニエンスストア事業
関連タグ:
#LINE公式アカウント