モニターの“性質”が調査結果を左右する ― 「アンケート慣れしていないリアルな生活者の声を集める」LINEリサーチモニターとは
目次
1. 最近、調査結果が「肌感と合わない」と感じたことはありませんか?
調査結果を見て、「なんだか実際の消費者とズレている気がする」と感じたことはないでしょうか。
例えば、ブランド認知率が想定より大幅に低いなど。
その違和感の多くは、“モニターの性質”が影響している場合が少なくありません。
どんなに設問設計を工夫しても、回答する人が“アンケート慣れ”していると、無意識のうちに「模範的な回答」や「慣れた選択肢」を選ぶことがあります。
つまり、データの精度はモニターの性質に左右される可能性があります。
調査会社やリサーチサービスを選択する際には「どのようなモニターさんが回答するか」をぜひご確認ください。
モニターの性質には、募集方法、デモグラフィック構成、アンケート慣れなど、さまざまな要素があります。
例えば、全国の20-69歳にアンケートをする際に「日本の統計よりも未婚の人の割合が多い」など、
属性に偏りがあると、結果が実際の市場を正確に反映しにくくなることがあります。
では、モニターの性質によってどのような違いが生まれるのか。
LINEリサーチでは2025年8月、自社モニターと他社モニターを比較する調査を実施しました。
今回はその結果を基に、モニター特性の違いをご紹介します。
2. LINEリサーチモニターの70%が”他のアンケートサービスに登録していない”
LINEリサーチモニターと他社モニターを比較すると、アンケートサービスへのモニター登録状況と回答頻度に明確な違いが見られました。
LINEリサーチモニターは、「複数のアンケートサービスを”かけもち”しておらず、アンケート回答頻度が低い」性質があるとわかりました。
一方、他社モニターは、「複数のアンケートサービスを”かけもち”して、毎日回答している方が多い」結果となりました。
どちらのアンケートモニターが、あなたの身近な人たちに近い性質だと思いますか?
3. “アンケート慣れ”の少なさが生む、本音データ
モニターが複数のアンケートサービスに登録していたり、頻繁に回答していると、設問の意図を先読みしたり、報酬目的で反射的に回答してしまうケースも見られます。
このような“回答慣れ”は、データに次のような違いをもたらすことがあります。
| 慣れたモニター | 自然なモニター |
|---|---|
| 設問パターンを予測して回答 | 素直に直感で回答 |
| 回答スピード重視 | 内容理解・考えて回答 |
"回答慣れ"そのものを直接測ることは難しいものの、回答データの傾向をみると、モニターの向き合い方には違いがあるようです。
ブランド・企業認知設問の結果から見える傾向
食品メーカー14社の認知をマルチアンサーで聴取しました。(企業名の提示順は回答者ごとにランダム)
その結果、「味の素」の認知度はLINEリサーチで93%、他社モニターで78%と15ポイントの差が見られました。「日清食品」など他の企業でも同様の傾向です。 また、「知っているものはない」と回答した割合はLINEリサーチで4%に対し、他社モニターが12%となりました。
さらに、認知した企業の社数に着目すると、「0〜1社」と回答した人がLINEリサーチでは6%、他社モニターでは18%でした。 また、9社以上を認知していると回答した人の割合はLINEリサーチモニターで高い結果となりました。
これらの結果から、LINEリサーチモニターは選択肢を一つずつ丁寧に確認しながら回答している傾向がうかがえます。日常の中で企業やブランド情報に自然に触れている層が多く、回答分布にも大きな偏りは見られませんでした。そのため、得られる結果は実際の生活者の感覚に近く、全体として“違和感の少ない”調査データになりやすいと考えられます。
こうした“アンケート慣れしていないリアルな生活者”が多いことは、LINEリサーチにとって大きな強みの一つといえます。特に、若年層の比率が高いLINEリサーチでは、変化の速いトレンドや消費者行動を把握しやすく、日々移り変わるトレンドや生活スタイルをより自然な形で捉えることができます。
「肌感に合う調査結果なのか」という問いに、その答えのヒントを与えてくれるのが、モニターの性質かもしれません。
4. 次回予告
次回は、未婚率・同居家族構成・外出頻度などのデータから紐解きます。生活者のリアルに迫る調査の裏側を、ぜひご覧ください。
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