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2025.01.29
佐賀県の南西部に位置する鹿島市は、自然豊かな地域です。東側には有明海が広がり、西側には多良岳山系の山々に囲まれています。人口は約27,000人の市ですが、年間約300万人の参拝客が訪れる祐徳稲荷神社などの観光スポットがあります。また、2日間で約10万人が集まる「鹿島酒蔵ツーリズムⓇ」というイベントや、有明海の干潟をいかした「鹿島ガタリンピック」など、多くの観光資源が特徴です。
鹿島市では、住民票の写し、戸籍証明書、印鑑証明書や税証明書など、役所に行かなくとも発行できる、電子申請を受け付けています。発行手続きには、LINE公式アカウントを友だち追加、申請情報を入力し、LINE 公的個人認証サービス(JPKI)にて本人確認を実施することで、簡単に申請が可能です。
鹿島市LINE公式アカウントは、令和6年8月に大幅にバージョンアップをしました。情報の発信だけではなく、電子申請機能・施設予約機能を追加し、住民の利便性向上を担っています。使い慣れたLINEで24時間365日気軽に手続きや情報が手に入る、まるで一人ひとりの「手のひら」の中に市役所の窓口があるかのような「てのひら市役所」の実現を目指しています。
住民票の写しなど一部の証明書については、コンビニエンスストアでの交付が可能であり、その利便性から利用率も高い状況です。しかし、戸籍証明書や税証明書などの特定の証明書類については、役所窓口での直接交付、または郵送請求のみでした。窓口での手続きでは、住民が開庁時間内に来庁しなければならないため、平日の時間を確保するのが難しい方にとって大きな負担となっています。また、郵送請求においても、返信用封筒や手数料分の定額小為替、本人確認書類の写しなどを準備する必要があり、手間がかかります。さらに、職員側でも証明書発行手続きに多くの時間を割いており、業務負担が大きい状況です。例えば、戸籍証明書に関しては年間交付件数が約12,800件にも上回り、デジタル化によって解消できないかと模索していました。
電子申請を開始するにあたり、本人確認専用の認証アプリをインストールする手間は、利便性を損なう可能性があり、普及率にも影響すると考え、避けたかったです。そこで着目したのが、国内のアクティブユーザーが9,700万人/月(2024年9月末時点)のLINEです。多くの市民が使い慣れたLINEを活用することで、手軽で利用しやすい仕組みを構築できると考え、LINE 公的個人認証サービス(JPKI)を採用しました。
・各種証明書の郵便請求は手間も時間もかかるが、LINE公式アカウントで申請から決済まで簡単にできた・いつでもどこでも申請ができ、役所に行く必要がなく便利などポジティブなお声をいただいています。このような声を受け、令和7年1月からは、戸籍証明書、除籍や独身証明書なども追加で電子申請できるようにバージョンアップし、さらに市民の利便性を高められるよう取り組んでいます。
今までは、申請書の書き方のサポート、内容の確認作業など1件の処理に時間を要していましたが、LINE 公的個人認証サービス(JPKI)を活用した電子申請を取り入れたことで、・マイナンバー情報を参照するため、記入ミスの確認が不要になった・申請書の確認項目が減り、1件あたりの処理時間がかなり削減された・窓口混雑の緩和に繋がり、心理的負担が削減されたなど職員にとっても意味のあるデジタル化になりました。
昨今、庁内ではさまざまなDXの取り組みが進められています。特に市民課や税務課の窓口業務のDX化は課題として挙がっていますが、今までの窓口や郵送の受付に追加して、電子申請を受け付けることは、負担が増えるのではないか、という懸念の声もありました。そのため、情報システム部局としては、担当課の業務負担を可能な限り軽減する仕組み作りに注力しました。具体的には、電子申請の管理画面をワンクリックで承認できるよう簡略化しました。さらに、ベンダーとの調整や広報業務など、情報システム部局が対応可能な業務はすべて引き受け、各担当課が事務手順を確認し、遂行するだけで済むようにしました。将来的には窓口対応の減少による業務時間の削減が見込まれています。そのため、現場の負担を最小限に抑えながら、長期的な視点で業務効率化につながるような工夫を重ねています。
鹿島市では、全庁的にDXの推進に取り組んでいます。今回の電子申請の導入がスムーズにリリースできた背景には、「庁内コミュニケーションは原則チャット」という方針が大きいです。職員間のやり取りだけでなく、テックパートナーとのコミュニケーションもチャットツール内の専用チャンネルで行うことで、迅速かつ効率的な情報共有ができました。この柔軟なコミュニケーション体制が、円滑なプロジェクト推進とリリース成功のカギとなりました。
システムや電子申請の仕組みを整えることは、あくまでスタートラインに過ぎません。重要なのは、その仕組みを多くの市民に利用していただき、現在窓口で対応している申請の大部分を電子申請に移行させることです。そして、効率化することで生まれた時間を、オフラインでの相談やサポートが必要な市民への対応に充てることが、意義あるDXの実現だと考えています。今後は「市民に利用される仕組みづくり」に焦点を当てた取り組みに力を注ぎ、利便性の向上や利用促進を目指して進めていきたいと考えています。
ありがとうございました
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