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LINE 公的個人認証サービス(JPKI)

練馬区の施設予約システムへの登録にLINEを利用! 70万人都市が進める自治体DXの形

東京都練馬区

2026.08.06

東京都23区の北西部に位置する練馬区は、23区内で最も緑豊かな住環境と、都市の利便性が心地よく調和した街です。
23区内で最も新しく誕生した区でありながら、人口、世帯数ともに有数の規模を誇ります。広大な「光が丘公園」や「石神井公園」など、四季の自然を感じられるスポットが多く、子育て世代を中心に高い人気を集めています。
また、練馬区は「アニメの街」としても有名です。日本初のカラー長編アニメが制作された地であり、現在も多くのアニメ制作スタジオが集積しています。大泉学園駅周辺をはじめ、街の至る所で人気キャラクターのモニュメントに出会えるのも大きな魅力です。
さらに、キャベツなどの近郊農業が盛んで、23区内でありながら新鮮な地場野菜が手に入る「みどり」と「文化」に恵まれた、非常に暮らしやすいエリアです。
 

LINE 公的個人認証サービス(JPKI)を採用した理由を教えてください

 

練馬区では、施設の種類ごとに予約システムが分かれており、利用するシステムごとに登録が必要なため、利用者にとって負担となっていました。最もハードルとなっていたのが「団体の新規登録手続き」です。住民は必ず施設の窓口まで足を運び、紙の申請書や構成員名簿を提出し、その場で本人確認書類を提示する必要がありました。
練馬区が進める全庁的なDX推進において、「窓口に来庁しなくても手続きが完了する仕組みの構築」は最重要課題の一つでした。
そこで、新たなシステムへの移行に伴い、3つのシステムを1つに統合するとともに、Webやオンライン上で完結する本人確認の仕組みの検討が始まりました。
 

なぜ「LINE」と「LINE 公的個人認証サービス(JPKI)」だったのか

 

本人確認の手段としてマイナンバーカードの普及率が向上している中、これを活用したデジタル認証の導入を検討しました。
一方、独自のアプリを新たにダウンロードしてもらうのは住民にとって心理的・操作上のハードルとなります。
すでに多くの区民の生活に浸透している「LINE」を活用し、LINE上で公的個人認証(JPKI)を行う仕組みであれば、誰にとっても直感的で迷いにくいという期待がありました。また、他自治体での導入実績が事前に確認できたことも、採用を強力に後押ししました。
 

導入までの経緯と運用の工夫を教えてください

113施設へ拡大、オンライン申請から予約までの流れ

新システムへの移行に伴い、当初対象だった施設だけでなく、これまで対象外だった図書館や清掃リサイクルセンター、区役所の本庁舎・石神井庁舎の会議室なども網羅し、合計113施設が1つのシステムで利用可能になりました。
住民が施設を予約する際、まずはシステム上で団体登録を行います。申請後、施設側での審査・許可は概ね2週間程度で行われ、許可されると代表者にメールで通知が届き、システム上での予約が可能になります。利用日の前日まで予約が可能で、料金は当日窓口で支払うという、全施設で共通化されたシンプルなオペレーションを確立しています。

 

JPKIがもたらす、職員・住民双方の「目視・添付」からの解放

LINEによる公的個人認証(JPKI)の導入は、業務効率化に大きな効果をもたらしています。デジタルに不慣れな方のために、免許証等の写真をスマートフォンで撮影してアップロードする「画像添付によるWeb申請」も残していますが、この場合は職員が「入力された文字データ」と「添付された画像」を目視で並べて見比べる確認作業が発生します。


一方で、住民がLINEからマイナンバーカードをかざしてJPKIを利用した場合、双方向に大きなメリットがあります。住民側は写真を撮影して添付する手間が省け、スマートフォン上の操作のみで手続きを完結できるようになります。また、職員側にとっても、JPKI経由で取得された氏名や住所などの情報が自動的にシステムへ反映されるため、資料を見比べる目視確認の作業量を大幅に軽減することが可能です。
この仕掛けにより、手続きの正確性が担保されると同時に、職員の事務負担が大幅に軽減されています。
 

ご利用いただいた区民の反応を教えてください

 

手続きがスムーズになったことで利用者が急増

システム移行後、JPKIを利用した住民からは「本人確認や認証の手続きが大幅にスムーズになった」という好意的な声が上がっています。
マイナンバーカードをかざすだけで情報入力が完了するため、記入漏れや入力ミスがなくなり、申請時の負担軽減につながったと実感しています。
その利便性は数字にも表れており、今年に入ってからJPKIを利用した登録申請ケースは右肩上がりに増加しています。
 

様々な方が施設を利用できる丁寧な仕掛け

 

練馬区には70万人を超える多様な住民が暮らしています。区ではシニア層をはじめとするインターネット利用に不慣れな方々への配慮も徹底しています。
オンライン化を強制するのではなく、従来の窓口申請も可能としています。さらに、新システムへの戸惑いを解消するため、業務を外部委託した「利用者用ヘルプデスク」を設置しました。職員よりもスマートフォンの操作に精通したプロが対応する環境を整えたことで、住民は安心して移行でき、現場の職員の問い合わせ対応にかかる負担も軽減できています。
この丁寧な対応が、施設を利用される幅広い年齢層の社会参加を促しています。
 

サービス開始後の職員の反応を教えてください

 

段階的移行によるトラブルの未然防止

今回の新システムへの移行にあたり、練馬区は令和7年10月にまず「団体登録の受付」を開始し、その後数ヶ月の猶予を置いて令和8年1月から「予約受付」を順次スタートするという段階的なスケジュールを組みました。
古いシステムから新システムへ団体情報をそのまま移行できないという制約があったため、予約開始前にあらかじめ登録期間を設けることで、窓口の混雑を軽減させることができました。
また、大規模なホール(練馬文化センターなど)は1年前や半年前から予約が必要ですが、スポーツ施設は2ヶ月前など、施設特性によって申し込み開始時期が異なります。これらを考慮して段階的に予約をスタートさせたアプローチは、職員が新しいオペレーションに段階的に慣れるためにも非常に有効でした。
 

デジタルへの心理的ハードルが下がり、次への意欲が芽生える

導入から半年以上が経過し、事務の削減効果以外にも、現場の職員がマイナンバーカードを用いた公的個人認証(JPKI)の利便性を実感したことで、「この仕組みは、施設予約以外の他の行政申請手続きにも活用できるのではないか」というデジタル活用のアイデアや主体的・前向きな考え方が庁内に芽生え始めています。
 

今後の展望・提言

さらなる汎用性と利便性の向上へ

現在は団体登録の「本人確認時のみ」に限定してJPKIを利用していますが、今後は自治体のLINE活用をさらに深掘りし、マイナンバーカードを用いたシステムへのログインなど、さらなる汎用的な仕掛けを検討しています。セキュリティを高めつつ、住民の利便性をより一層向上させるDXを継続していきます。

 

他の自治体へのアドバイス

1. 「現場からのボトムアップ」と「横の連携」で、これまでの縛りを変える

 

 

自治体には、従来の紙による申請や、長年運用されてきた条例・規則といった多くの「縛り」が存在します。練馬区では、施設を所管する13の部署の課長を集めた「検討委員会(管理職クラス)」と、実務を議論する「作業部会(現場職員クラス)」を組織し、月1回以上の頻度で徹底的な庁内調整を行いました。同時に、委託職員や指定管理者の方々を交えた説明会を複数回開き、認識の統一を図りました。条例や規則の変更という高いハードルも、現場の声を上げ、関係者を巻き込んで一つずつクリアしていけば必ず解決できます。
 

2. 徹底した「広報・告知」の3ステップ

 

 

新システムの導入を成功させるには、住民への周知不足による混乱を防ぐことが不可欠です。
練馬区では導入の半年前から、各施設の窓口で専用チラシを利用者に配布して周知。その後、専用のガイドブックを発行・配布しました。
さらに「区報」を活用し、①システム移行の告知、②具体的な団体登録方法、③予約開始のアナウンス、とフェーズを3回に分けて段階的に情報を届けました。
また、古いシステムのログイン後画面にも「新システムへ切り替わる旨」のお知らせを常時掲示する事で、現行システムの利用者へ確実に伝わるようにしました。

 

3. オンライン化への一歩を踏み出すこと

 

全国には、今なおシステムの登録や予約自体が「紙のみ」でしか受け付けられていない自治体も少なくありません。まずは窓口来庁を不要にするオンライン化へ舵を切ること。使い慣れたLINEインフラと確実な本人確認ができるJPKIの組み合わせは、住民の利便性を劇的に高め、自治体職員をアナログな作業から解放する、未来への確実な投資となります。

 

ありがとうございました

 

東京都練馬区
人口:752,705人(令和8年7月1日)現在
住所:東京都練馬区豊玉北6丁目12番1号