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LINE公式アカウント×LINEミニアプリで予約比率5.5倍、売り上げ1.7億円増|美容室Agu.が進めた顧客接点改革

B-first株式会社

2026.07.03

B-first株式会社 代表取締役社長 鈴木紀彦氏

国内 1100 店舗を展開する大手美容室チェーン、Agu.グループ。全国45社のフランチャイズを統括しているのが、B-first株式会社(以下、B-first)です。同社がLINE公式アカウントLINEミニアプリの活用を本格化したのは2025年1月。顧客基盤を強化しながら、美容ポータルサイト(予約メディア)への依存を減らし、集客コストを最適化したい──。その思いから、予約・販促・顧客管理などの顧客接点をLINE上に集約しました。その結果、約1.5年でLINEミニアプリ経由の予約比率が5.5倍に増加。指名率や顧客単価の向上にもつながり、年間約1.7億円の売り上げ増加に貢献しています。B-firstはどのように顧客接点を再設計し、成果につなげたのか。代表取締役社長の鈴木紀彦氏(以下、鈴木氏)に話を聞きました。

目的
  • リピーター集客を強化したい
  • 来店間隔が空いた顧客の再来店を促進したい
  • 美容ポータルサイトへの依存度を減らし、集客コストを最適化したい
  • ブランドおよびスタイリストとの関係性を強化したい
施策
  • LINE公式アカウントのショップカード機能を活用し、紙の会員証をデジタル化
  • LINE公式アカウントとLINEミニアプリを活用し、予約・顧客カルテ・販促などの顧客接点をLINE上に集約
  • 来店履歴や予約状況に応じて配信内容を出し分け、再来店を促進
  • LINE公式アカウントのリッチメニューからオンラインショップへ送客し、物販を強化
効果
  • LINEミニアプリ経由の予約比率が約1.5年で5.5倍に増加し、美容ポータルサイトへの依存低減につながった
  • 指名率が5.5ポイント向上し、顧客との関係強化につながった
  • LINEミニアプリ経由予約者の顧客単価が向上し、年間約1.7億円の売り上げ増加に貢献
  • 来店間隔が空いた顧客約2万人への配信で、21%が2週間以内に再予約
  • LINEミニアプリ経由のアクティブユーザーのブロック率は1%台
B-first株式会社 代表取締役社長 鈴木紀彦氏
B-first株式会社 代表取締役社長 鈴木紀彦氏

「美容のインフラ化」を掲げ急成長
地方進出で見えた“顧客基盤”の重要性

かつて長時間労働や低賃金が当たり前だった美容業界に、新風を巻き起こしたサロンの1つがAgu.グループです。2009年、スタイリスト一人ひとりが自身のキャリアを描ける業務委託型美容室をオープン。“スタイリストファースト”を掲げ、国内1100店舗、在籍スタイリスト約4800名(2026年5月時点)を抱える国内有数の美容チェーンへと成長しています。

 

B-first株式会社
B-first株式会社
国内約1100店舗・15ブランドの美容室を運営するB-first

鈴木氏は、これまでの歩みをこう振り返ります。


「目指してきたのは、“美容のインフラ化”です。『コンビニのように気軽に入れる美容室』をコンセプトに、低価格帯でわかりやすいメニューを提供しています。さらに、スタイリストの負荷を減らすために、顧客カルテもあえて作成せず、新規・フリーのお客さまを中心に店舗を拡大していきました」

 

しかし、地方進出を進める中で同様のチェーンも増加。差別化が難しくなっただけでなく、人口規模が限られるエリアでは新規集客だけに頼った成長にも限界が見え始めていました。そこでAgu.グループでも、リピーターとの関係構築を通じた顧客基盤の強化を検討するようになったといいます。

 

「既存の美容ポータルサイトでもリピーター施策は打てます。ただ、お客さまが再予約する際に他店の情報も目に入るため、せっかく来店いただいたお客さまが別の美容室へ流れてしまうこともあります。また、メールなどでアプローチすることはできても、必ずしも開封されるとは限りません。

 

『もっと既存顧客さまにかけるコストを抑えられれば、その分を未来の新規客への投資に回せるのではないか』

 

そう考えるようになったことが、顧客接点を見直すきっかけでした。試行錯誤する中でたどり着いたのが、多くのお客さまが日常的に使うLINEでした」

 

LINE公式アカウントとLINEミニアプリで
顧客接点を再設計

2024年、副社長に就任した鈴木氏は、来店後の顧客接点を強化するため、LINE公式アカウントとLINEミニアプリの運用を本格化しました。

 

Agu.のLINE公式アカウントとLINEミニアプリ
Agu.のLINE公式アカウントとLINEミニアプリ

紙のショップカードを全面的に廃止し、LINE公式アカウントのショップカード機能を会員証として活用。あわせて、施術予約や顧客カルテ管理を担うLINEミニアプリを導入し、来店後の顧客接点をLINE上に集約しました。

 

ただ、各店舗はフランチャイズ運営で、スタイリストの多くは業務委託。本部主導の施策は、当初なかなか浸透しなかったといいます。

 

転機となったのは、独自にLINE活用を進めていたオーナーによる成功事例です。

 

「東北エリアで100店舗以上を展開するフランチャイズ企業のオーナーが、LINE公式アカウントの友だち数やLINE経由の予約率、リピート率を伸ばした結果、年間数百万円規模のコスト削減を実現したのです」

 

この成果を受け、鈴木氏は本部のマーケティング部を中心に、LINE公式アカウントの一括運用を本格化しました。本部はLINE公式アカウントの運用方針や配信内容の設計を担い、各店舗は来店したお客さまへの案内を担当。役割を分担することで、全国規模での運用体制を構築していきました。
 

本社とグループ・店舗で役割分担
15ブランドそれぞれにLINE公式アカウントを開設し、本部で一括運
15ブランドそれぞれにLINE公式アカウントを開設し、本部で一括運用

LINEは多くのお客さまが日常的に利用しているため、新たなアプリをダウンロードしてもらう必要がありません。スタイリストも「ショップカードはLINEです」と案内しやすく、お客さまにも自然に受け入れられたことから、スムーズに浸透していったといいます。

 

こうして、取り組みは各店舗へ広がり、Agu.グループでは新規集客からリピート促進までの導線を再設計していきました。

 

初回接触は美容ポータルサイトで集客しつつ、来店後のコミュニケーションはLINEへ移行。継続的な接点を持ちながら、再来店や指名につなげる仕組みを構築していきました。
 

来店後の顧客接点をLINE上で一元化
ショップカードを起点に、情報配信や再来店予約、顧客カルテ管理までをLINE上で運用
来店後のコミュニケーションを継続し、リピーター集客につなげている

 

LINE公式アカウントでは、新メニューの案内だけでなく、来店履歴や予約状況に応じたメッセージ配信も実施していました。

欲しい情報を欲しいタイミングで配信する設計に

 

そして、美容ポータルサイト経由で来店した顧客データとLINE公式アカウントの友だち情報を電話番号で紐付けることで、来店履歴に応じて再来店を促すメッセージを配信できる仕組みを構築。顧客一人ひとりに合わせたアプローチを実現しました。

休眠顧客へのメッセージ配信で再来店を促進

一方、LINEミニアプリでは、施術予約、顧客カルテ管理、来店前リマインドを実装。これまであえて作成してこなかった顧客カルテも自然と復活していきました。

 

「同じエリアで複数店舗を展開する私たちにとって、カルテの店舗間共有は、リピーター増加につながる大きな要因になる。そう確信し、最低限の記入で済ませられるルールとともに運用することにしました」

 

加えて、LINE公式アカウントのリッチメニューからオンラインショップへ送客することで、店販商品の購入導線も整備。施術以外の売り上げ機会拡大にもつなげました。
 

“送りすぎない”コミュニケーションで
指名率向上と売り上げ1.7億円増を実現

 

こうした取り組みの結果、美容ポータルサイトを介さないLINEミニアプリ経由の予約比率は、2024年12月と比較して2026年5月時点で約5.5倍に増加しました。

 

LINEミニアプリ経由の予約比率は約5.5倍に増加
  • 2024年12月~2026年5月顧客単価実績

 

LINEミニアプリ経由の予約比率の増加は、指名率や顧客単価の向上にもつながりました。予約者の指名率や顧客単価が向上し、年間約1.7億円の売り上げ増加に貢献しました。

 

LINE経由予約者の顧客単価向上により約1.7億円の売り上げ増
  • 2024年の顧客数で2026年2月の顧客単価を掛け合わせて計算した場合
     

こうした成果の背景について、鈴木氏は次のように分析します。

 

「LINE公式アカウントで継続的に接点を持てるようになったことで、まずAgu.や店舗名を認識していただきやすくなりました。以前は、『Agu.に通っている』というよりも、『駅前の美容室で髪を切っている』くらいの感覚のお客さまも少なくなかったと思います。LINE公式アカウント上で店舗名やキャンペーン情報などを継続的に発信することで、Agu.や店舗名を思い出していただきやすくなり、再来店につながっていきました。そこからリピーター化が進み、スタイリストを指名していただくほどの信頼関係が生まれたことで、オプション提案にもつながり、顧客単価が上がっていったのです」

 

さらに特徴的なのが、ブロック率の低さです。Agu.グループ全体のブロック率は13.6%。LINEミニアプリ経由で予約するアクティブユーザーに限ると、わずか1%台となっています。

 

「基本的に、メッセージ配信は月1〜2回程度です。お客さま一人ひとりの状況に応じて内容を出し分け、必要な方に、適切なタイミングで情報を届けることを意識していました。結果的に、それがお客さまにとって心地よい頻度になっていたのだと思います」

 

休眠顧客へのLINEメッセージ配信でも成果が表れました。約2万人への配信で21%が2週間以内に再予約し、再来店促進につながっています。
 

リピーター集客に向けたLINE配信
  • LINEアカウントのID連携には、ユーザーの許諾・同意が必要です
     

予約メディア経由の休眠顧客約2万人への配信で、21%が2週間以内に再予約

“三方よし”を目指して
LINE活用が変えた、広告戦略とスタイリスト支援

LINE公式アカウントとLINEミニアプリの運用を本格化してから約1.5年。売り上げや利益率の向上に伴い、フランチャイズ各社の管理職の視座にも変化が生まれたと鈴木氏は振り返ります。

 

「以前は美容ポータルサイトへの永続的な投資が前提でしたが、LINEミニアプリという選択肢が加わり、コスト削減効果も見えてきました。その結果『既存店の広告費を最適化し、浮いた予算を新店投資や新規集客への広告投資へ回せないか』といった、より踏み込んだ議論ができるようになりました。

 

日常的な口コミ投稿のお願いや返信対応が、スタイリストにとって大きな負担になっていました。LINEミニアプリ経由の予約が増えた今、そうした作業はほとんど必要なくなっています」

 

また、LINE公式アカウントのリッチメニューからオンラインショップへアクセスできるようにしたことで、店販商品の購入導線も整備しました。そこには、スタイリストの将来に対する不安を軽減したいという思いがありました。

 

「初回購入時のフォームに担当スタイリストのIDを入力していただくことで、お客さまは30%オフ、スタイリストには継続的に売り上げの5%が還元される仕組みにしています。業務委託は、病気や出産で休めば収入が途絶えてしまう。だからこそ、施術以外でも収益を生み出せる仕組みが必要でした」

 

約4800名のスタイリストの半数は女性で、その多くが子育て中。こうした支援体制も後押しとなり、出産後に早期復帰するケースも少なくないといいます。さらに、LINE経由の予約者は指名率が5.5ポイント向上し、売り上げや給与の向上にも寄与。顧客との関係構築からスタイリスト支援まで、LINEを活用した取り組みは、お客さま・スタイリスト・オーナーそれぞれにメリットをもたらしています。

 

「今後もLINEを通じて、スタイリスト・お客さま・オーナーの“三方よし”につながる取り組みを進めていきたい」

 

LINE公式アカウントとLINEミニアプリを活用した顧客接点改革は、Agu.グループの新たな成長基盤となりつつあります。

スタイリストの待遇も改善

(公開:2026年7月、取材・文/福嶋 聡美 、写真/川嶌 順)

本事例のサービス「LINEミニアプリ」について、詳しく知りたい方は「LINEミニアプリ スタートガイド」をご確認ください。(PDF資料・無料)

  • 本記事内の数値や画像、役職などの情報は全て取材時点のものです

  • 本記事内の実績は取材先調べによる数値です

企業名 B-first株式会社
所在地
東京都新宿区
事業内容
直営美容室運営事業・フランチャイズ事業
サービス Agu.

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