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仮会員から本会員へ|アルペンがLINEミニアプリとLINEタッチで進めた会員戦略

株式会社アルペン

2026.06.30

株式会社アルペン マーケティング部長 武藤恵一氏

スポーツ用品販売大手の株式会社アルペン(以下、アルペン)は、2018年1月にLINE公式アカウントを開設し、マーケティング施策に活用してきました。2026年2月には新たにLINEミニアプリによる会員証を実装するとともに、全店舗でLINEタッチを導入。その結果、本会員登録数が前年同期比200%超となりました。「本会員の増加がLTV(顧客生涯価値)向上のカギ」と語る同社マーケティング部長の武藤恵一氏に、その導入の背景と成果について詳しく聞きました。

目的
  • LTVが高い本会員比率を増やしたい
  • 本会員登録時の入力負担を軽減したい
  • 店頭での会員証利用をよりスムーズにしたい
施策
  • 仮会員証の運用を見直し、本会員中心の運用へ転換
  • LINEミニアプリを活用した会員証を導入
  • 全店舗にLINEタッチを設置し、会員登録や提示の導線を改善
効果
  • 本会員登録数が前年同月比200%超に伸長
  • 本会員登録の所要時間を123秒から79秒へ短縮(36%削減)
  • 会員証提示の利便性が向上し、顧客・店舗スタッフ双方から好評
     

仮会員は増えたがLTVに課題
本会員化への転換を決断

スポーツ用品販売大手のアルペンは、1972年に名古屋市でわずか20坪のスキー用品ショップとして創業しました。ウインターブームの追い風を受けて急成長を遂げ、現在は総合スポーツショップの「スポーツデポ」、ゴルフ専門店の「ゴルフ5」、アウトドア専門店の「アルペンアウトドアーズ」の3業態を軸に、全国で約400店舗を展開しています。

 

2026年4月には、東京・国立競技場に隣接する「都立明治公園」に新店舗「ALPEN RUN MEIJI PARK」をオープン。幅広いランニング用品を取りそろえるほか、シューズフィッティングサービスやコミュニティイベントをほぼ毎日開催するなど、ランニング文化の発信拠点として注目を集めています。

 

アルペンのマーケティング施策の基盤となっているのは、2019年4月にスタートした会員制度「アルペングループメンバーズ」です。自社アプリやメールマガジン、LINE公式アカウントを活用して実店舗やオンラインショップへ送客し、購買につなげています。

マーケティングの役割とKPI

それぞれの使い分けについて、武藤氏は次のように説明します。

 

「アルペンでは各チャネルを使い分けながら、店舗やECへの送客を行っています。中でも会員接点として最も規模が大きいのがLINE公式アカウントです。主にライトユーザー層に向けて週末のセール情報やチラシを配信しており、1配信あたりのクリック率はメールマガジン比316%を記録しています。
自社アプリはロイヤルユーザー向けのチャネルです。新商品の入荷情報や限定商品の案内など、よりコアな情報を動画コンテンツも交えながら発信しています。そしてメールマガジン。かつては、デジタル施策の中心を担っていましたが、現在は自社アプリとLINE公式アカウントを補完するチャネルとして活用しています」

 

株式会社アルペン マーケティング部長 武藤恵一氏

メールマガジン比316%のクリック率を実現するLINE公式アカウント
  • 2026年3月実績

会員基盤の拡大に向けて、アルペンでは2019年12月からLINEで利用できる会員証(LIFFベース)を導入しました。あわせて、本会員登録前でも「仮会員」として会員証を利用できる仕組みを整備。まずはLINE公式アカウントを友だち追加してもらい、ユーザーの都合のよいタイミングで本会員登録へ進める導線を構築しました。

 

「仮会員登録は氏名や住所の入力が不要で、友だち追加だけで完了します。その手軽さが好評で、導入後は仮会員数も順調に伸びました。また、ユーザーが都合のよいタイミングで本会員登録へ進めるため、本会員数の増加にも大きく寄与しました」

 

LINEミニアプリを導入し、会員基盤を拡大
2019年12月に会員証の提供を開始
友だち追加だけで利用できる仮会員の仕組みにより、会員登録のハードルを下げ、会員基盤の拡大を後押しした

会員証施策によって順調に会員基盤を拡大してきた同社ですが、武藤氏は「この6年の運用で課題も見えてきた」と続けます。

 

「分析の結果、本会員は2年目になってもLTVの低下幅が小さい一方、仮会員は大幅に低下していました。両者の2年目LTVには約3倍の差があり、本会員化の重要性が明らかになったのです」
 

本会員化の必要性を示したLTV分析
会員基盤の拡大に貢献した仮会員だが、分析の結果、本会員との間に2年目LTVで約3倍の差があることが判明
本会員化を推進する方針転換のきっかけとなった

登録時間を36%削減し、本会員登録数200%超へ

仮会員の課題が明らかになったことで、アルペンは会員戦略を大きく転換しました。目指したのは「仮会員を増やすこと」ではなく、「最初から本会員になってもらうこと」でした。

 

「仮会員は会員基盤の拡大に大きく貢献してくれました。一方で、LTVの観点から見ると、本会員化をさらに進めていく必要があります。そのため会員戦略を見直し、本会員への一本化を決定しました。2027年3月をもって仮会員証を廃止することを発表しています」

 

一方で、本会員登録には課題もありました。

 

「仮会員は友だち追加だけで登録できますが、本会員登録では個人情報の入力など複数の工程が必要です。本会員化を進めるうえで、最大の課題となったのが登録時の操作負担でした。実際に現場でユーザーの挙動を計測したところ、仮会員の登録完了までの所要時間は平均55秒でした。この手軽さが仮会員数増加の大きな要因だったと考えています。

一方、本会員登録では、①カメラによるQRコードの読み込み→②LINE内操作→③会員認証操作→④個人情報の入力という工程が必要で、平均で約123秒を要していました。裏を返せば、本会員登録の所要時間を仮会員登録並みまで短縮することができれば、本会員数をさらに増やせると踏んだのです」
 

本会員登録のハードル
  • LINE内操作:友だち追加、トークボタンタップ、リッチメニュータップ

そこで同社が目をつけたのがLINEミニアプリとLINEタッチの組み合わせです。従来の会員証に代わり、2026年2月に本会員向けの会員証機能をLINEミニアプリとして実装するとともに、全店舗にLINEタッチを導入しました。

 

「この決断に至った決め手は、大きく二つあります。一つは、LINEやYahoo! JAPAN IDに登録された情報を活用できるクイック入力機能によって、個人情報入力の負担を減らせること。もう一つは、LINEタッチによってQRコードの読み取りそのものを不要にできることです」
 

LINEミニアプリとLINEタッチを導入した理由
LINEミニアプリのクイック入力による入力負担の軽減と
LINEタッチによるアクセス導線の簡略化を組み合わせることで本会員登録時の操作負担を軽減、登録時間の短縮につながった

LINEタッチは、専用NFCタグにスマホをかざすだけで、LINEミニアプリなどへアクセスできるサービスです。アルペンでは既存のQRコードに代わる導線として、全店舗のレジ横に専用NFCタグを設置しました。総設置数は1500個以上にのぼります。

 

「LINEミニアプリのクイック入力とLINEタッチの活用により、本会員登録にかかる時間を123秒から79秒へと44秒短縮し、36%削減することができました。その結果、導入後の2026年2~3月における本会員登録数は、前年同期比で200%超へと伸長しました。期待以上の成果が出ています」

 

LINEミニアプリ・LINEタッチ利用により工数軽減
  • LINE内操作:友だち追加、トークボタンタップ、リッチメニュータップ

LINEミニアプリ・LINEタッチの効果
  • 2025年2月~3月、2026年2月~3月対比

  • LINE内操作:友だち追加、トークボタンタップ、リッチメニュータップ

会員証提示をよりスムーズに
LINEタッチがもたらした店舗体験の変化

本会員登録数の増加という定量的な成果に加え、店舗体験の面でも変化が現れていました。武藤氏によると、LINEタッチの導入後は、会員証提示の手間が軽減され、お客さまと店舗スタッフの双方から好意的な声が寄せられているといいます。

 

「今回のLINEミニアプリの導入は、レジ前のオペレーションにも好影響をもたらしました。スマホで会員証を探すのに手間取るお客さまもいらっしゃいますが、LINEタッチなら、すぐに会員証を表示できます。本会員登録の促進を目的に導入した施策でしたが、既存会員の皆さまにも好評をいただいています」


 

新しい顧客体験の評判

 

最後に今後の展望について伺いました。

 

「今後もLINEミニアプリとLINEタッチを活用しながら、本会員をさらに増やしていきたいです。そのデータを活用して、お客さまごとに最適な情報をLINE公式アカウントからお届けし、店舗やオンラインショップへの送客にもつなげていきたいですね。個人的には、LINEタッチの導入効果は想像以上に大きいと感じています。この取り組みが本会員の増加やLTV向上にどのようにつながっていくのか、引き続き分析していきたいと思います」

(公開:2026年6月、取材・文/相澤良晃、写真/川嶌順)

「LINEミニアプリ」について詳しく知りたい方は「LINEミニアプリ 会員証スタートガイド」をご確認ください。(PDF資料・無料)

  • 本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです

  • 本記事内の実績は取材先調べによる数値です

Alpen
企業名 株式会社アルペン
所在地
愛知県名古屋市中区
事業内容
各種スポーツ用品、ゴルフ用品、アウトドア用品等の商品開発、販売、ゴルフ場、スキー場、フィットネスクラブの経営
サービス Alpen Online(アルペングループ公式オンラインストア)

LINEミニアプリについて