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2025.07.24
株式会社アルテジェネシス 執行役員 大山高寛氏
「予約なし」で手軽に髪形の調整やカラーをしたい──。こうしたニーズに応えるべく、株式会社C&Pが運営する「チョキペタ」は、お手頃な価格とショッピングモール内を中心とした出店形態により、“気軽に立ち寄れる”メンテナンスサロン(美容院)として人気を集めています。一方で、予約不要の特性ゆえに発生する「順番待ち」や、紙による顧客管理の煩雑さが課題となっていました。これらを解消し「会員数20万人突破」「再来店率74%」に貢献したLINEミニアプリとLINE公式アカウントの活用について、C&Pの親会社である株式会社アルテジェネシスの執行役員の大山高寛氏に詳しく伺いました。
2011年に売り上げ1500万円でスタートしたチョキペタは、2025年5月時点で売り上げ21億円・全国70店舗超と、着実に成長を続けているメンテナンスサロンです。メンテナンスサロンとは「ちょっと伸びてきた髪を切りたい・白髪を染めたい」といったニーズに応えるタイプの美容院のことです。
カットとカラーに特化し、50代以上のユーザーをターゲットに展開しているチョキペタ。「予約なしで直接ご来店いただける点も、大きな魅力の1つ」です。しかし、店舗オープン以来、「ある課題があった」とアルテジェネシスの大山氏は振り返ります。
「来店順にご案内するため、どうしても待ち時間が発生します。以前の受付では、店舗前の発券機で行い、紙の予約番号をお渡ししていました。呼び出しはメールなどで対応していましたが、まれに順番をスキップしてしまう不具合が起きたり、お客さまが近くにいらっしゃらないと呼び出しが難しかったりと、どうしてもお客さまの利便性を損ねることがありました」
入店時の課題に加えて、再来店のきっかけづくりや紙での顧客管理の煩雑さも大きな課題でした。
これまでは、周囲の住宅への折り込みチラシなど、紙媒体を活用した来店促進が中心でした。「50代以上の女性のお客さまが多いため、当初はデジタルチャネルよりも紙媒体のほうが、相性が良いと考えていました」と大山氏は振り返ります。しかし、店舗数の拡大に伴い、施術待ちの対策や来店促進、ユーザーとのエンゲージメントの強化など、複合的な課題に対応するためには、思い切った施策が必要でした。
当初は、ネイティブアプリの開発・運用も考えましたが、日々の運用負荷や継続的なコストを考えて、最終的に採用したのがLINEミニアプリとLINE公式アカウントの活用でした。
「ちょうど、グループブランドであるAshでLINEミニアプリを導入して成果が出ていたことも後押しとなりました。現場担当者の要望もあり、チョキペタでも導入を決めました。Ashとは異なり、チョキペタは年齢層が高いお客さまが多いため、活用されるか不安もありましたが、LINEは日常的に使われているアプリであり、幅広い年代に浸透していることから、“安心して活用してもらえる”と判断しました」
まず、2020年にLINE公式アカウントを開設。店頭の受付機の上部に「友だち追加」を促すQRコードを設置したところ、友だち数は順調に伸びていきました。その基盤を生かし、次に進めたのが紙会員証の廃止。2023年1月にLINEミニアプリを活用し、LINE上でデジタル会員証を提供する仕組みへと順次移行しました。
LINE公式アカウントの友だち数が増加するにつれ、LINEミニアプリを活用したチョキペタのデジタル会員登録者数も大きく伸びました。「会員証をLINEで確認できるようになり、忘れることがなくなった」とユーザーからも好評で、紙会員証時代の正確な数は把握していなかったものの、概算で5倍以上の会員登録数に増加しています。また、施術履歴も簡単に確認できるようになり、ユーザー管理の効率化にもつながりました。
施術の順番待ちについても、従来の店舗前の発券機に加えて、LINEミニアプリで受け付けする仕組みを導入しました。ユーザーは店頭に設置されたQRコードや、チョキペタのLINE公式アカウント下部にあるリッチメニューからアクセスし、「現在の待ち人数」を確認したうえで「受付登録を始める」ボタンをタップ。カットやカラーなどの施術メニューも選択できる仕組みになっています。
LINEミニアプリの順番待ちと併用になったことで、自宅や移動中でも受付が可能になり、店頭で順番を取る必要がなくなりました。その結果、以前は「買い物のついでに立ち寄る」ケースが多かったのに対し、「チョキペタを目的に自宅で受付、その前後に買い物」という流れへと変化。来店の優先順位が高まり、ユーザーの利便性の向上にもつながりました。
店舗のLINE公式アカウントを通じたコミュニケーションにより、ユーザーとのつながりも強化されました。チョキペタでは月2〜3回、ヘアケアの方法や製品、髪に関する最新情報をブログで発信しています。その更新に合わせてLINE公式アカウントからメッセージを送るようにしたところ、アクセスが一気に集中し、閲覧しづらくなるケースも発生。大山氏は「LINEは即時性があり、多くの方に見てもらえている証拠。お客さまとの重要なタッチポイントです」と話します。
また、配信しているクーポンは、再来店の促進に大きく貢献しています。施術料金の割引に加え、ポイントプレゼントが付いたお得なクーポンが、ユーザーの再訪を促すきっかけになっています。
クーポン使用率を見ると、再来店者の30%がLINEからのクーポンを利用。また、クーポンを2回利用したユーザーの再来店率は37%、3回では61%、4回では74%と、クーポンの継続利用に伴いロイヤルカスタマー化が進んでいることがわかりました。
大山氏は、チョキペタのLINEミニアプリとLINE公式アカウントでの施策が大きな効果を上げている理由として、次のような見解を示します。
「LINEという日常的に使うアプリでコミュニケーションを取り、利便性を高めることで、ユーザーの生活に自然に入り込めているのだと思います。また、チョキペタのお客さまは、自分の興味に合った情報を適切なタイミングで受け取ることに心地よさを感じる方が多く、それが良い結果につながっていると考えています」
今後は、グループ全体で扱っているヘアケア製品の販売予約などにもLINEミニアプリやLINE公式アカウントを活用し、自宅ケアのニーズに応えていく予定です。
(公開:2025年7月、取材・文/岩﨑史絵、写真/慎芝賢)
本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
本記事内の実績は取材先調べによる数値です
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