株式会社VS Games(バーサスゲームス)は、LINEミニアプリでゲームを提供するゲーム開発会社です。2025年8月に自社開発ゲーム『ぐぅぴょん』をローンチして以降、25タイトル超(2026年6月時点)を展開しています。LINEミニアプリならではのダウンロード不要でゲーム間を行き来できる特長を生かし、ゲーム内やLINE公式アカウントに複数タイトルへの導線を設計。結果、単一タイトル運営時と比べて14日後継続率とLTVは約2倍、広告収益は半年で約4倍に向上しました。今回はその取り組みについて、VS Games代表取締役 CEO 高木翔一郎氏に話を聞きました。
- 複数タイトル間をシームレスに回遊できるゲーム環境を構築したい
- 既存ユーザーの継続率を高めたい
- 運営タイトル全体の広告収益を伸ばしたい
- LINEミニアプリで25タイトル超のハイパーカジュアルゲームを展開
- ゲーム内・LINE公式アカウントに複数タイトルへの回遊導線を設計
- 回遊によって、アプリ内広告(IAA)による収益化を推進
- DAU(Daily Active Users)の約70%を既存ユーザーが占め、DAU全体の約20%が複数タイトル間を回遊
- 初回起動から14日後の継続率とLTVが、単一タイトル運営時に比べ2倍に向上
- 複数タイトル運営により、広告収益が半年で約4倍に向上
共通開発基盤で少人数開発を実現
VS Gamesは、創業以来、国内外のゲーム会社向けにゲーム開発や3D表現、AIキャラクター開発などを手がけてきました。2025年8月には、LINEミニアプリ上で自社開発ゲーム『ぐぅぴょん』をローンチ。現在は25タイトル超のハイパーカジュアルゲームを展開しています。
『ぐぅぴょん』はランダムに配置された3Dキューブを飛び移りながら、進み続けるゲームです。
VS Gamesは、高木氏が共通開発基盤を整備することで少人数でも開発できる体制を構築しています。
「高度な技術が必要な基盤部分は僕が担い、若手のエンジニアでもLINEミニアプリを開発しやすい体制にしています。ゲームは Unity で開発し、LINEミニアプリに必要な機能はビルド後に自動で結合され、すぐにリリースできます」
ネイティブアプリは新規ユーザー獲得が難しくなっている
ネイティブアプリで提供されるハイパーカジュアルゲーム市場では、新規ユーザーの獲得競争が激化しています。高木氏によると、広告費の高騰が大きな課題になっているといいます。
「我々が手掛けているハイパーカジュアルゲームは、ゲームの供給過多によってCPA(顧客獲得単価)が年々高くなっています。
代表的な手法の一つが、広告を集中的に投下してアプリストアのランキング上位を狙う方法です。トップ3を維持するには、1日あたり5~10万人規模のダウンロードが必要で、そのためには数千万円規模の広告投資が必要になります。一方で、トップ3に入ることで、1日あたり2~4万人の自然流入が期待できます」
さらに、ハイパーカジュアルゲーム特有の継続率の課題についても指摘します。
「ハイパーカジュアルゲームは3日~1週間程度で遊ばれなくなるケースがほとんどです。そのため、市場の変化に合わせて開発を進めなければなりません。新規ユーザーの獲得も年々難しくなっているので、既存ユーザーの継続率を高める取り組みが重要になっています」
こうした課題を解決する手段として、VS GamesはLINEミニアプリを選択しました。
LINEミニアプリを選定した3つの理由
なぜLINEミニアプリだったのか。高木氏は、その理由として「回遊性の高さ」「アップデートのしやすさ」「ゲーム事業者がまだ少ないブルーオーシャン市場」の3点を挙げます。
1つ目は、ゲーム間をシームレスに回遊できることです。
「ハイパーカジュアルゲームは一つひとつのゲームが単純なので、単体では長く遊ばれにくい特徴があります。そこで、複数タイトルをシームレスに回遊してもらうことで、全体として長く楽しんでもらえるのではないかと考えました。しかし、ネイティブアプリではゲームごとにダウンロードが必要になるため、ゲーム間の回遊は難しいのが実情です。一方で、LINEミニアプリならLINEアプリをインストールしていればダウンロード不要で、すぐに次のゲームが起動するため、離脱を最小限に抑えながら回遊を促せます」
2つ目は、アップデートのしやすさです。
「ネイティブアプリはアップデートのたびにApp StoreやGoogle Playの審査に少なくとも1日程度を要します。場合によっては3日程度かかることもあります。一方で、LINEミニアプリなら、正当なゲームとして初回審査が通った後は基本的に自由にアップデートできるので、1~2時間もあれば公開できます。他にも、印象的なユーザー行動が見られたときに、それを盛り上げるような施策もすばやく投入しやすいのが魅力ですね」
3つ目は、ゲーム事業者がまだ少ない市場環境です。
「LINEアプリ内の【アプリ】タブ内の特集でもフィーチャーしてもらいやすいので、最初の1000人を獲得するのが、ネイティブアプリより圧倒的に容易です。この点は、新タイトルのポテンシャルを早期に測るうえでメリットがあります」
複数タイトルを回遊させる導線設計
中でも、継続率向上やアプリ内広告(IAA)の収益拡大につながった「回遊性」の取り組みを紹介します。VS Gamesでは、ゲーム内とLINE公式アカウントの両方で、ユーザーの回遊・再訪を促す導線を設計しました。ゲーム内には、「今日の人気ゲーム」と「ゲーム一覧」の2つの導線を設けています。
1つ目は、プレイ画面右下に配置した「今日の人気ゲーム」です。ランキングを好むユーザー心理を踏まえて設計したもので、DAUの約12%が、ここから他タイトルへ回遊しています。
2つ目は、画面下部の「ゲーム一覧」です。DAUの約18%がこのボタンをタップし、そのうち約13%が他タイトルのプレイにつながっています。
「このボタンのUIには、かなりこだわりました。ゲームプロバイダーとして想起してもらうために、ホーム画面を意識したデザインにしたのが一つ。さらに、プレイ画面を起動するたびに右上へ赤い通知バッジが表示されるようにしたのもポイントです。これは後から追加した機能なのですが、この単純な仕組みだけでタップ率が1.5倍に向上しました」
ゲーム内に加え、LINE公式アカウントも再訪導線として活用しています。 リッチメニューには「ゲームスタート」「ゲーム一覧」に加え、最新タイトルを表示。ユーザーが「ゲーム一覧」をタップすると、おすすめゲームを自動配信し、トーク一覧の上位に該当ゲームのLINE公式アカウントを表示させる仕組みで、ゲームへの再訪につなげています。
「LINEミニアプリは、LINE公式アカウントを再訪導線として活用できる点が大きな特徴です。ただし、LINE公式アカウントはメッセージを配信しないとトーク一覧に埋もれ、ユーザーの目に触れにくくなります。そのため、ユーザーがリッチメニューの『ゲーム一覧』をタップするたびに、おすすめゲームを自動配信する仕組みにしました。こうすることで、LINE公式アカウントとの接点を維持し、継続的なゲーム利用につなげています。今後はメッセージ配信も強化し、ユーザーとの接点をさらに増やすことで、再訪率の向上につなげていきたいと考えています」
メッセージ配信によってLINE公式アカウントをトーク一覧の上位に表示し、次回以降のゲーム再訪につなげている
複数タイトル運営で継続率2倍・広告収益4倍を実現
その成果は、複数タイトル運営にも表れています。
現在では、DAUの約70%を既存ユーザーが占め、DAU全体の約20%が複数タイトル間を回遊しています。プレイが継続することでアプリ内広告(IAA)の接触機会も増加。単一タイトルのみを運営していた頃と比べ、14日後継続率とLTVは約2倍、広告収益は半年で約4倍に向上しました。
1. 2025年11月において『ぐぅぴょん』にて初回起動した14日後に、同タイトルを起動した場合と、2026年3月において『ぐぅぴょん』にて初回起動した後、他タイトルを起動し、14日後にいずれかのタイトルを起動した場合の比較
2. アプリ内広告(IAA)本格運用開始 6カ月後の収益の伸び率
高木氏は、「LINEでゲームを遊ぶ」という体験そのものの浸透にもつながっていると話します。
「当社タイトルのユーザーを対象にLINEヤフー内で自社ゲームの広告を出稿した際には、タップ率が約50%に達したケースもありました。ゲーム好きなユーザーが自然と集まる環境ができてきたと感じています」
また、オープンチャットやLINE公式アカウントから得られるデータも積極的に活用しています。
「我々のオープンチャットにはゲーム好きな子どもたちが集まるので、『今どんなゲームがはやっているか』『何を遊びたいと思っているか』という声が自然と入ってきます。小学生や中学生が多く利用しているので、新作を考えるうえでも非常に参考になります。
LINE公式アカウントから得られる属性データも新作開発の参考になっています。最近はヒットするゲームの傾向も見えてきたので、今後もLINEサービスを活用しながらKPI向上に取り組んでいきたいと思います」
VS Gamesでは、LINEミニアプリを基盤に、LINE公式アカウントやオープンチャットと組み合わせた運営モデルを構築することで、プレイの継続とアプリ内広告(IAA)の収益最大化を実現しています。
本記事内の数値や画像、役職などの情報は全て取材時点のものです
本記事内の実績は取材先調べによる数値です
本事例のサービス「LINEミニアプリ」について、詳しく知りたい方は「LINEミニアプリ スタートガイド」をご確認ください。(PDF資料・無料)
(公開:2026年7月、取材・文/戸谷美帆、写真/慎芝賢)
| 企業名 | 株式会社VS Games |
|---|---|
| 所在地 | 東京都渋谷区
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| 事業内容 | モバイルゲーム開発 / LINEミニアプリ開発 / ウェブサービス開発 / 3Dモデル制作 / AIキャラクター開発
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| サービス | ゲーム |