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2024.04.24
株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ CRM部 部長 高崎信義氏
株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ(以下、アイ・グリッド)は、GXソリューション事業、仮想発電所(VPP)事業、電力供給事業など、多岐にわたる事業で統合的な脱炭素ソリューションを展開するGX推進企業です。同社が展開する一般家庭向けの電力供給サービス「スマ電CO2ゼロ」は、LINE通知メッセージを活用して毎月の電気料金をユーザーに通知することで、サービス解約率の低下や問い合わせ対応の工数削減を実現しました。LINEを活用した取り組みや得られた成果について、CRM部 部長 高崎信義氏(以下、高崎氏)に話を聞きました。
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アイ・グリッドが展開する「スマ電CO2ゼロ」(以下、スマ電)は、再生可能エネルギー100%の電気プランを一般家庭に提供するサービスです。アイ・グリッドでは、全国各地の商業施設や物流施設などの屋根上に太陽光発電パネルを設置する事業も行なっており、そこで発電した電気の一部をユーザーにも提供しています。自然を傷つけずに生み出した再生可能エネルギーを循環させることで、脱炭素社会への転換に寄与する仕組みです。電力小売りが全面自由化された2016年にサービスを開始して以降、環境意識の高いユーザーを中心に支持を集め、現在、北海道と沖縄県、離島を除く全国で電力を供給しています。
しかし、近年は「顧客とのコミュニケーションのあり方に課題を抱えていた」と高崎氏は振り返ります。
「もともとは身近なスーパーマーケットなどでスマ電の加入申し込みができることを強みにしていたのですが、全国に展開していくなかで代理店を通した契約が一般的となっていき、直接お客様とやりとりする機会が少なくなっていました。また、加入時の書類にメールアドレスを記入していただけない方も多く、こちらからお客様に連絡するときには一件ずつ電話するか、書類を郵送するなど大きな手間が生じていました」
こうした背景を踏まえ、アイ・グリッドが2019年11月に導入したのが、「LINE通知メッセージ(※1)」です。
1「LINE通知メッセージ」はLINEヤフー株式会社が提供する、企業からの利便性の高い通知を企業のLINE公式アカウントから受け取ることができる機能です。本機能の利用に同意することで、個別のアカウントを友だち追加することなく、簡単に通知メッセージを受け取ることが可能になります。対象はLINEヤフー株式会社がユーザーにとって有用かつ適切であると判断したものに限定され、広告目的のものは配信されません。
アイ・グリッドにとって、LINE通知メッセージ導入の最大の目的は、ユーザーとのコミュニケーションを活性化することでした。スマ電に加入する際、携帯電話の番号を記入してもらうことで、毎月の電気料金が確定した数日後、「LINE通知メッセージ」でユーザーに請求額が送られてきます。メッセージを受け取ったユーザーは、IDやパスワードを入力しなくても金額が確認できる(※2)ため、好評を得ているそうです。
2 現在のレギュレーションとは異なる場合があります。
「これまで電気料金のお知らせはメールで行なっていましたが、他のメールに紛れて開封されないケースもありました。しかし、LINE通知メッセージは幅広い世代の方が使っているLINEに直接届けられるので、高い開封率が見込めます。新たにアプリをインストールしていただく必要はなく、審査を経ているので質も担保できます。こうしたことからLINE通知メッセージでの配信には、お客様にも抵抗なく受け入れていただいています」
電気料金の通知を入口に、ユーザーとのコミュニケーションを実現したアイ・グリッドは、LINE通知メッセージの導入に先駆けること半年前、2019年5月にLINE公式アカウントを開設しました。LINE通知メッセージを受け取る際、あわせてLINE公式アカウントを友だち追加したユーザーに対して、さまざまな情報を発信しています。
具体的には、引っ越しシーズンに転居先でも「スマ電」を継続利用してもらうキャンペーンやクイズキャンペーンなどを実施し、その告知もLINE公式アカウントのメッセージ配信や、トーク画面下に固定表示されるリッチメニューを活用して周知しています。
「メッセージ配信は月に1、2回の頻度で行なっています。キャンペーン情報などのほかにも、お客様が考えた節電アイデアを紹介するなど、『スマ電』により親近感を持っていただける発信を目指しています。リッチメニューも分割テンプレートの最大数である6つを利用して、メニューのうちどこに何の情報を配置するのが最も効果的かなど、試行錯誤しながら運用しています。
LINE公式アカウントの運用は、CRM部の3人で担当しています。配信に使うクリエイティブなども全て内製していますが、工数をあまりかけずにお客様とのコミュニケーションができて、大変便利です」
また、アイ・グリッドはLINE公式アカウントを通じて、サポート部門の改善も実現しています。従来、ユーザーからの問い合わせに対しては、Webサイトのヘルプページや、コールセンターにおけるスタッフ対応が中心でした。しかし、LINE公式アカウントの開設をきっかけに、リッチメニュー内にヘルプページへの遷移ボタンと、ユーザーからの質問に回答するチャットボットの起動ボタンを入れました。
「チャットボットは、直近ですと月に約3,000人の友だちにご利用いただき、約8,000通のチャット返答を行なっています。なかには、ボット回答に対してスタンプで応答してくださる方もいるなど、LINEならではのコミュニケーションも見受けられます。
ボット回答で疑問が解決されない場合はコールセンターを案内しますが、その分受電が増えてコストも増大しますから、チャットボットのみで疑問が解決した件数をKPIとして回答コンテンツの改善を重ねてきました」
LINEを活用した一連の施策を通じて、「顧客とのコミュニケーションが活性化された」と高崎氏は評価します。
「定期的に実施するユーザーアンケートでも、周囲にスマ電を薦めたい理由を尋ねると『LINEで通知が来るのが便利だから』と回答したお客様もいました。また、問い合わせ対応の際に実施するアンケートでも、LINEについての肯定的な意見が毎回数件は含まれています」
そうした成果は数字にも現れており、LINE公式アカウントを通じて特に積極的な情報発信を行なった2023年の後半期は、それ以前の2期に比べてユーザーの解約率が約0.8%低下。LINE公式アカウントの友だち数は、アカウント周知を特に行わない現在も、LINE通知メッセージ経由の友だち追加を含め毎月300~400人のペースで増え続けているといいます。
問い合わせ対応の強化も業績アップに貢献しています。チャットボットによる回答コンテンツや、ヘルプページの改善に取り組んだ結果、コールセンターへの電話による問い合わせが顕著に減少。入電数は、ピークだった2021〜2022年の月平均1万2,000件から4分の1の約3,000件となり、「これは経済効果として極めて大きい」と高崎氏は手応えを語ります。
「電力事業はサービス面で他社と差をつけるのがなかなか難しい業界ですが、LINEを通じてお客様に親近感を感じていただけることは大きなメリットだと感じています。
今後もLINE通知メッセージやLINE公式アカウントを通じて、お客様との関係をさらに強固なものにするとともに、地域や年齢別に一層きめ細かな情報発信を試みるなど、さまざまな施策にチャレンジしていきたいです」
(公開:2024年4月、取材・文/桜井恒二、写真/山﨑美津留)
※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです ※本記事内の実績は取材先調べによる数値です
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