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2019.01.19
(画像左から)キリンビバレッジ株式会社 営業本部 営業部 流通企画担当 部長代理 菊池 徳人 氏キリンビバレッジ株式会社 営業本部 営業部 流通企画担当 主任 垣内 健太 氏株式会社博報堂プロダクツ データビジネスデザイン事業本部 Buynd事業部 データビジネスマーケティングディレクター 飛松 信太朗 氏株式会社博報堂 第五営業局 第五アカウントチームAE 永倉 啓太 氏
キリンビバレッジ株式会社(以下、KBC社)が発売する、特定保健用食品史上初のコーラ系飲料「キリンメッツコーラ」(以下、メッツコーラ)。KBC社は2018年春に「メッツコーラ」の販促施策としてLINEで応募の「LINEマイレージ」を活用したキャンペーンを実施し、商品購入率の大幅アップだけでなく、ブランドロイヤリティーやブランドシェアの向上に成功しました。 今回は、KBC社の菊池徳人氏(以下、菊池氏)と垣内健太氏(以下、垣内氏)、パートナー企業である株式会社博報堂(以下、博報堂)の永倉啓太氏(以下、永倉氏)、株式会社博報堂プロダクツ(以下、博報堂プロダクツ)の飛松信太朗氏(以下、飛松氏)の4名に、「LINEマイレージ」を活用したキャンペーン実施の背景や効果などについて話を伺いました。
LINEで応募の「LINEマイレージ」とは、店頭購入した対象商品からユニークQRコードを読み取り、LINEで簡単に応募できる複数購買や継続購買の促進に適したキャンペーンプラットフォームのこと。応募時にLINEのタイムライン上でシェアができるため、ユーザー間の口コミ拡散やLINEユーザーに向けたキャンペーンの認知拡大が狙えます。さらに、キャンペーン参加者の識別子を元にした、後追いプロモーションも可能です。
「QRコード」は、デンソーウェーブの登録商標です。
KBC社が今回「LINEマイレージ」でキャンペーンを実施した「メッツコーラ」は、強炭酸による刺激と爽快感のある味わいが特徴の特保コーラ飲料。健康意識の高い30~40代の男性を中心に、多くのファンから親しまれています。キャンペーン実施の際にポイントとなったのは、「メッツコーラ」へのブランドロイヤリティーをアップさせることと、停滞する特保コーラ市場の活性化を図ることだったとKBC社の菊池氏は語ります。 「『メッツコーラ』は、食事から摂取した脂肪の吸収を抑え、血中中性脂肪の上昇を穏やかにする効果が期待できる商品で、一本飲んだらすぐに効果が出るというわけではなく、継続飲用することで効果を実感できます。発売以降、同業他社による相次ぐ競合商品の投入と特保のコーラ飲料という珍しさで、一気に世間へ広がりました。ところが一時期を過ぎると、お客さまが慣れたり飽きたりしてしまい、嗜好の変化もあって他社商品への流出が続いてしまいました。ですので、お客さまに振り向いてもらうために今までやっていないことを実施したいと思い、LINEを使った施策を検討しました。『LINEマイレージ』を導入することで、継続購入を定着させて飲用本数を引き上げるのはもちろん、特保コーラのマーケット自体がシュリンクしている状態だったので、マーケット全体を押し上げるような効果が出せれば良いと考えました」
さらに菊池氏は、キャンペーン参加者のデータをもとに次の施策へ生かせる仕組みも、導入の決め手になったと振り返ります。 「お客さまの属性データなどを踏まえた効果検証がしっかり行えることもポイントで、これは今までのキャンペーンと決定的に違うところでした。また、キャンペーンが終わった後でも、お客さまと継続してコミュニケーションを取ることができる点は非常にメリットがあると考え、LINEでの施策を決定しました」
2018年春、KBC社は「メッツコーラ」を対象に「LINEマイレージ」を活用し、インセンティブとして「LINEポイント」をプレゼントするキャンペーンを実施。期間中、ネックリンガーに記載されたQRコード付きの「メッツコーラ」を3本購入し、QRコードを読み込んでキャンペーンへ応募すると、3本毎にもれなく「LINEポイント」が100ポイントもらえる設計を採用し、ユーザーが継続して手軽にキャンペーンへ参加できる仕組みを実現しました。
さらに、キャンペーン期間中の告知では、LINE公式アカウントを活用し、ユーザーのキャンペーン参加のステータスに応じてメッセージを出しわけ、より多くの参加者獲得を目指したとKBC社の菊池氏はいいます。 「従来のキャンペーンでは、SNSなどでキャンペーン開始段階の訴求は行っていましたが、それ以上の訴求は行わず、そこで終わっている状態でした。今回のキャンペーンでは、お客さまの参加ステータス別にクラスター分けをし、それぞれに異なるメッセージをLINE公式アカウントより配信しました。未参加のお客さまには『LINEマイレージ』の手軽さを訴求したメッセージ、一度でもQRコードを読み取ったお客さまにはLINEポイント獲得まで到達できるように離脱防止を訴求したメッセージなど、シナリオ設計をしっかり行った上でメッセージ配信をしました」
なお、キャンペーン設計については、パートナーである博報堂プロダクツの新設チーム、SP EXPERT’Sの博報堂プロダクツ 飛松氏が中心となって担当したそうです。SP EXPERT’Sは、商品の販売促進・プロモーションにおいて、営業やマーケティングといった垣根を取り払い、デジタルとアナログの掛け合わせによるあらゆるプロセスの見える化・高度化を推進する組織のこと。販促市場を主流にしてきた博報堂プロダクツと、デジタル市場を専業にしてきたデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社、そして株式会社博報堂/博報堂DYメディアパートナーズによって、会社の枠を超えて設立されました。
今回の施策では、ユーザーのキャンペーン参加率をKPIに設定し、重要視していたそうです。その結果、16%のキャンペーン参加率を獲得することに成功。この数字は、他のキャンペーンと比較して約2倍もの数値であり、通常であれば参加率が2桁台に到達することはなく、非常に高いキャンペーン参加率と応募数だったようです。 また、キャンペーン後にLINE SP Research by Intageを利用した調査では、キャンペーン期間前後でキャンペーン参加者の平均購入本数が約2倍となり、未参加者と比較して大きく伸長しました。競合商品からのブランドスイッチも起きており、今回のキャンペーンをきっかけに飲用頻度が増え、継続購入の促進に一定程度寄与していることがわかっています。
さらに、週に3本以上購入するHeavy層が7%増加し、ユーザーのロイヤル化にも寄与していることが結果に現れました。特に、キャンペーンへ複数回参加した方の購入本数はキャンペーン後も延び幅が大きく、「LINEマイレージ」は残存効果が強いと捉えられています。
キャンペーンの成功要因について、KBC社の菊池氏は語ります。 「LINEという日常的に利用するプラットフォームを活用することで、キャンペーンへの参加ハードルが低く、手軽にキャンペーンへ参加できた仕組みが良かったと思います。QRコードを読み取った後に、シリアル入力をする手間がなく、持っているスマートフォンと、インフラにもなっているLINEを使って、QRコードを読み取ればそのまま自動で画面が遷移していく手軽さが、今回の成果につながったと考えています。キャンペーン期間中、ユーザーのキャンペーン参加度に合わせて、告知のクリエイティブを変えるなど、きめ細かなアプローチを行った結果、未達成者も最小限に抑えることができました。特保コーラ市場全体を活性化させるまでには至らなかったものの、当初狙っていたお客さまをもう一度振り向かせて、もう一度メッツコーラを習慣づけて飲んでもらうことに関しては、一定の成果を出すことができましたし、商品の価値がちゃんと伝わって継続飲用をして下さるお客さまが増えていることは、非常に良い傾向だと感じています」 なお、博報堂の永倉氏は、キャンペーンの成果を次のように考えているようです。 「キャンペーン参加者の半分以上は、もともとLINE公式アカウントと友だちではなかった新規のユーザーでした。この結果は予想外のことでした。今回獲得できた新規ユーザーの中には、普段からメッツコーラを飲んでいた方が一定数いたと思います。飲んでいたけれども、LINE公式アカウントの友だちではなかった方々。LINE友だちになってもらった事で、今までオフラインでしか接点のなかったファンの方々と、オンラインでコミュニケーションが取れるようになったことは大きな成果だったと考えています」
今回のキャンペーンを経て得られた結果をもとに、今後の動きを次のように検討しているそうです。 「自販機事業の取り組みであるTappiness(タピネス)との連携(施策上、データ蓄積・活用等)を推進していき、点ではなく線でのお客様とのコミュニケーションを考えていきたいです」と、KBC社の垣内氏。 「例えば、その人がTappinessと被りがあるのか、他のキャンペーンと被りがあるのか、とした時に、次はどういうキャンペーンにしたらいいのかということを今いろいろ考えながら一緒に検討しています。自販機だけの枠で終わらせるのではなく、今回のキャンペーンに参加した人はTappinessであればどういう動きをしているかなど深掘りをして、そのデータをまたLINE公式アカウントの配信でアプローチするようにも使ってもいいかもしれません。僕らが構想しているのは、チャンネルの施策はそれぞれ独立でありますが、そのチャンネルを横断して回遊するような施策の仕組みです。壮大ですが、KIRINグループとしても何か横断してできるように、集まったデータを使って今後動いていきたいと考えています」 「2、3年前からチャネル横断的なイメージは構想としてあり、やっと今基盤が整いつつあります。各チャネルの施策がLINEを介してつながり、チャネルをまたいだユーザートラッキングがまさに実現できるフェーズになってきています。更に今後はチャネルだけでなくブランドも横断管理していくことで、ユーザーに合わせて最適なブランドをレコメンドできるような仕組みを整え、データを最大限活用して飲用機会ロスを減らして行ければと思っています」と、博報堂の永倉氏は語り、今後の施策に意気込みます。 (公開:2019年1月)
※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
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