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2021.11.25
ヤフー株式会社が提供する目標広告費用対効果 (以下、tROAS )とは、目標とする平均広告費用対効果(以下、ROAS)を維持しながら、より多くのコンバージョンの価値を獲得できるように入札価格を自動的に調整する入札戦略です。自動学習のアルゴリズム改善により大幅に機能アップデートしたタイミングで、楽天市場様(以下、楽天市場)にご利用いただきました。ROASの大幅改善と楽天市場の広告経由の流通総額拡大において、大きな成果を出された事例です。
流通総額最大化に向けたtROAS活用イメージ
※tCPA_コンバージョン単価の目標値
課題と背景
楽天市場のマーケティングチームは、「楽天市場全体の流通額最大化」のため、出店店舗様の売り上げ最大化と楽天市場ユーザーの購買満足度向上を両軸で追いかけています。
広告運用においては、広告経由の流通額だけではなく、新規ユーザー獲得につながっているか、ライト層の利用を促せているか、ロイヤリティを高められているか、などユーザーに着目した指標もKPIとしています。事業環境も刻々と変わる中で、膨大な自社データの解析と経営判断により、その時々重視する指標を変化させています。
流通額の最大化、ユーザーに着目した指標をKPIとして考えた時に、コンバージョン価値を最大化する入札がベストであるという思いはありつつも、従来は精度などの問題から販売件数の最大化に頼らざる得ない状況でした。
施策と効果
tROAS利用時のポイント
1.コンバージョン規模が多いキャンペーンにフォーカス(Yahoo! JAPAN推奨) 2.直近の媒体実績を参考に乖離のない目標値を設定 3.比較対象となるキャンペーンの条件をそろえる
施策導入のタイミングでは、季節変動などの影響を最小限に抑えて施策の効果判断をするため、同一ジャンルでtCPAを継続するキャンペーンとtROASに挑戦するキャンペーンに分けて配信。実績推移を計測しつつ、tROASで期待している高額商品の実績が伸びているかを実際の配信クエリを確認しつつトラッキングしました。
配信の結果、家電カテゴリーにおいては、端末本体を探しているユーザーへの配信が大幅にアップし、携帯ケースを探しているユーザーへの配信が相対的に抑制されました。また、コスメ・美容系のジャンルでは、ネイルシールやコスメ雑貨などの商品から酸素濃縮器やポータブルクーラーなどにコンバージョンラインアップが遷移するなど、高単価商材への配信が増加することで、ROASが45%向上、広告経由の市場の流通総額も38%増加するなど、効率と規模の両軸で効果を出すことができました。
tROAS活用前後比較
計測期間:tROAS利用前_2021/07/26〜08/01、利用後2021/08/17〜08/23 ヤフー株式会社調べ
本記事の事例も掲載された活用事例をまとめたCASEBOOK(PDF)のダウンロードはこちら
今回の結果を受けて、すべての対象キャンペーンの入札をtROASに切り替えていますが、自動入札に活用できているのは、web経由の購入情報に限定されアプリ利用ユーザーの行動は活用できていません。また、短期的な流通額の最大化だけでは理想の姿とは言えず、新規ユーザーやライト層の利用を促し、長期的な投資をしていかなければいけません 。今後はオフラインコンバージョンなどを活用し、自動入札の対象となるシグナルのラインナップとその精度向上がますます重要になると考えています。 店舗の商品やサービスへのニーズを広告配信に取り込み、楽天市場ユーザーに届ける、この仕組みが今以上に潤滑に回ることで、ユーザー満足度を向上させつつ市場流通額最大化を実現できると感じています。 過去にもtROASの仕組みは採用したことがありました。その時は配信規模が縮小してしまい、予想した結果にはならなかったのですが、今回は楽天市場が目指すKPI(楽天市場の流通額最大化)に対して、期待通りのパフォーマンスが出て満足しています。tROASへの切り替えが成功したことで、従来から検討していたヤフーのビッグデータを活用した構想の実現度が大いに高まっていると感じています。 クッキーレスが叫ばれる中であってもコンバージョンの先にある顧客体験をどう売上に結びつけるか、われわれ楽天が抱える大きな課題に対して、ヤフーと共に邁進していきたいと思います。
住谷 誠
マーケットプレイス事業 楽天市場マーケティング部 チャネルマーケティング課サーチエンジンマーケティンググループ マネージャー
相良 彩
マーケットプレイス事業 楽天市場マーケティング部 チャネルマーケティング課サーチエンジンマーケティンググループ リスティングチームアシスタントマネージャー
天満 太郎
マーケットプレイス事業 楽天市場マーケティング部 チャネルマーケティング課サーチエンジンマーケティンググループ
※当記事は2021年10月の情報をもとに構成しています。掲載内容、所属団体、部署名、役職名等は、取材時のものです。 文責:水谷 美由紀(ヤフー株式会社)
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