重要視すべきは指名検索ユーザー!新たなマーケティング手法B.query活用のススメ
ユーザーがブランド名や商品名、サービス名など、特定の固有名詞で検索することを指す「指名検索」。指名検索をしているユーザーは、すでに興味関心が顕在化しているという意味で、重要な見込み顧客です。その指名検索ユーザーを重視し、媒体横断で可視化するマーケティング手法が、LINEヤフーが提唱する「B.query」(ビークエリ)です。B.queryで実現できることや活用事例を紹介します。
目次
ユーザーの行動・購買につながるブランディングとは
これまでのブランディングは、最終的にどれだけ行動・購買に貢献できたかという点に重きをおいた施策が多く、広告のKPI(重要業績評価指標)は主にクリック数や動画視聴数が設定されていました。しかし、このような効果指標だけでは、行動・購買につながる本当の効果を測定できないという課題がありました。
広告の新たなKPIとは
この課題を解決するため、ブランディング施策の新たなKPIとして着目すべきことが、購買意欲の高いユーザーの「購買に至る直前の検索行動」です。
認知に重きをおいたブランディングについては、以下より資料をダウンロードしてご確認ください。
広告のKPIに検索を加えるべき理由
ブランディング施策において、従来の広告のKPIに「検索」を加えるべき理由は、大きく以下4つあります。
1. 広告を見た後に、検索だけを行うユーザーが一定数存在している
ディスプレイ広告に接触した後、その広告をクリックせずに指名検索行動のみを行うユーザーが一定数存在することがわかっています。そのため、広告がクリックされたかどうかだけでなく、ユーザーの検索行動も重視する必要があります。
2. 指名検索数と本コンバージョン数との相関性が高い
指名検索数と通常計測している「資料請求」や「購入」などのCV数(以下、本CV数)の相関係数を見たところ、0.84と非常に高い結果になりました。このことから、ユーザーの指名検索数を増やすことは最終的に本CV数の獲得に寄与することがわかります。
3. ディスプレイ広告接触後のCVR(コンバージョン率)が高い
ディスプレイ広告に接触後の行動別にCVR(コンバージョン率)を可視化したところ、検索行動のみを行うユーザーはCVRが高い結果となりました。商材に興味を持ち、より深く知ろうと自ら検索行動を起こすユーザーは、高い購買意欲につながる可能性があります。
4. 能動的な行動をするため、LTV(顧客生涯価値)が高い
ディスプレイ広告接触後の自然流入ユーザーとディスプレイ広告のクリックユーザーを比較したところ、能動的にドメイン訪問した自然流入ユーザー群の方が購入単価が高く、購入回数も多い結果となりました。能動的に検索を行うユーザーのほうが購入単価が上昇し、LTV(顧客生涯価値)が高くなると予想できます。
クリック経由のCVと自然流入経由のCVを比較、クリック経由のCVを100%とした場合の数値
サービス利用バイアスを軽減する為、広告集計期間の前1カ月間でサービスに10回以上アクセスしているユーザーを対象に集計
自然流入:広告vimp後、クリックせずに1時間以内に自然流入したユーザー
クリック:広告vimpにclickしたユーザー
CV:広告vimpから24時間以内に発生したCVが対象。CVの価値のタグ情報を参照し、購入単価を可視化
B.queryの活用により実現できること
B.query(ビークエリ)とは
B.queryは、従来の評価指標に加えて、特定のブランド名やサービス名を検索する指名検索ユーザーの行動を重視するマーケティング手法です。購買意欲の高いユーザーに注目し、媒体横断で効果を比較することができます。
CV(コンバージョン)タグを活用してユーザーの広告接触から指名検索までをトラッキングし、どの広告が指名検索につながりやすいかを媒体横断で比較します。これにより、ユーザーの行動喚起までの過程を広告のKPIに加えることができるようになります。
B.queryで可能になること
具体的には、B.queryを活用することで「KPIの最適化」「運用の最適化」「媒体横断評価」の3つが可能となります。
KPIの最適化
CVタグを活用することで、どの広告から指名検索に至ったのかを広告管理画面上で適切に評価できるようになります。購買意欲の高い指名検索ユーザーをKPIにすることで、認知広告の最適化に繋がります。
運用の最適化
広告管理画面上で指名検索数をリアルタイムで評価できるため、予算配分や配信量の強化・抑制といった運用の最適化が可能となります。
媒体横断評価
各媒体で広告配信やCV計測の設定を同条件にすることで、「広告接触からの指名検索数」を媒体横断で適切に評価できます。ターゲティングごとの指名検索単価など、貢献度を細かく把握できるため、適切に媒体予算を配分することも可能になります。
活用事例
JTB
| 課題 | 中間KPIとして指名検索を重要な指標としているが、成果の可視化と媒体ごとの比較が難しい |
|---|---|
| B.query活用の目的 | 媒体横断で指名検索率を分析・検証する |
| 商品 | ブランドパネル SP ディスプレイ広告(予約型)×動画 |
| 訴求内容 | 国内・海外旅行プラン |
| 配信内容 | 旅行関連オーディエンスリスト |
活用の成果:高い指名検索率
他媒体の指名検索率と比較して、ディスプレイ広告接触後の検索広告経由およびオーガニック経由のYahoo! JAPANにおける指名検索率が高く、指名検索を喚起させる媒体として期待できる結果となりました。また、国内旅行・海外旅行プランの両方の訴求においても、検索率が高く、Yahoo!広告 ディスプレイ広告(予約型)と検索との相性がよかったといえます。これは、他媒体と異なり、Yahoo! JAPANでは広告が表示される表示画面の上に、常に検索窓が表示されるというのも大きな要因といえます。
活用の成果:安価な指名検索単価
他媒体と比較して、Yahoo! JAPANでは指名検索率が高く、その単価も圧倒的に安価で、効率よく指名検索を促せる媒体であることがわかりました。。具体的には、すべての訴求および経由パターンにおいて、指名検索単価は他媒体の半分以下、最も安価なもので1/6以下となりました。
活用の成果:指名検索後の高いCV率
広告接触後に指名検索を行ったユーザーは、その後に本CV(申し込み)に至る確率が高く、非指名検索ユーザーと比較すると58倍にも及ぶという結果となりました。これにより、実際のCV獲得に貢献する中間KPIとして、指名検索が重要であるということが明確になりました。
日本旅行
| 課題 | 効率と規模の観点で、指名検索が最も販売に繋がる重要な指標であると認識しているものの、自社の検索数が伸び悩んでおり、効率の良い検索数の増加施策がわからない |
|---|---|
| B.query活用の目的 | 他媒体およびYahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)で、定常的に指名検索数の向上施策を実施中。認知施策向けメニューでは、指名検索率がどのくらいなるかを比較検証 |
| 商品 | Yahoo! JAPAN トップページ トピックスPR(オールリーチ) Yahoo!広告 ディスプレイ広告(予約型)×静止画 |
| 訴求内容 | JRセットプラン |
| 配信内容 | ノンターゲティング・フリークエンシー1回 |
活用の成果:高い指名検索率と安価な指名検索単価
Yahoo! JAPANのトップページで掲載したYahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)とトピックスPRは、指名検索率が他媒体を上回り、ディスプレイ広告接触後の指名検索の喚起力が高いといえます。
また、他媒体と比較して指名検索率が高く、指名検索単価が安価で、特にトピックスPRに関しては他媒体と比較して1/3以下となりました。
活用の成果:興味関心濃度別のリフト効果
トピックスPRの配信ユーザーを、興味関心濃度別に3段階に分類した結果が以下となります。すでに旅行を検討している興味関心層だけでなく、潜在層の指名検索行動につなげることができ、いずれの興味関心濃度のユーザーにおいても指名検索率が上昇しました。
また、旅行に関して興味関心を持っていなかった潜在層でCV(申し込み)が約2倍以上と、獲得への寄与度も高い結果となっています。
活用の成果:競合サイト利用ユーザーへのアプローチ効果
トピックスPRでのアプローチにより、競合サイトの利用ユーザーに対しても、興味喚起させる効果がありました。特にライト層では指名検索率の上昇だけでなく、その後の予約ページへの誘導にも貢献しました。
「ブランディング施策に対する課題がある」「B.queryについて詳細が知りたい」という場合には、弊社担当営業までご相談ください。
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