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Webマーケティング入門 公開日:2025.08.26

LINEはビジネス活用に有効!「LINE公式アカウント」のメリットや成功事例を解説

LINE公式アカウント

国内で月間9,900万人(2025年6月末時点)が日常的に利用するコミュニケーションアプリ「LINE」を、集客や販促といったビジネス目的で活用する企業や店舗が増えています。

 

特に、企業や店舗がLINE上に自社のアカウントを作成し、「友だち」追加してくれたユーザーに直接情報を発信できるビジネス用のサービス「LINE公式アカウント」を活用することで、新規ユーザーの獲得から販売促進、リピーター育成までを一貫して行い、一人ひとりと深く、そして長期的なつながりを築くことが可能です。

 

本記事では、改めてLINEをビジネスに活用するメリットから、LINEのビジネス用アカウントである「LINE公式アカウント」の基本的な知識、具体的な成功事例まで、分かりやすく解説します。

 

アカウントはオンライン上で無料で作成できるため、本記事の内容を参考に、まずはアカウントを作成してみましょう!

目次

LINEをビジネス活用するメリットとは

LINEをビジネスで活用する際に特に知っておきたい2つの大きなメリットを紹介します。

圧倒的なユーザー数とアクティブ率の高さ

LINEの最大の強みは、その広範なユーザー基盤と利用頻度の高さにあります。日本国内で月間9,900万人(2025年6月末時点)、老若男女問わず幅広い年齢層が日常的なコミュニケーションツールとしてLINEを利用しています。

 

優れた商品やサービスを提供していても、その情報がユーザーに届かなければ購入などのアクションにつながりません。LINEをプラットフォームとして活用することで、より多くのユーザーにアプローチできる可能性が広がります。

「友だち」への直接的かつ継続的なアプローチが可能

「LINE公式アカウント」を活用することで、自社のアカウントを「友だち追加」してくれたユーザーに対して、直接メッセージやクーポンを送ることができます。ユーザーにとってお得なメッセージを継続的に配信し、再購入や再来店を促していきましょう。

 

また、LINEユーザーはメッセージの開封率も高く、約8割がその日のうちに開封するというデータもあります。情報がしっかり届くことも強みの一つです。

※ 2021年7月 携帯電話に関するアンケート(総サンプル数 n=2,060)

ビジネス活用の基本!「LINE公式アカウント」

LINEをビジネス目的で活用したい、と考えたときに「まず何から始めればいいの?」という疑問が浮かぶかもしれません。LINEをビジネスで活用できるサービスはいくつかありますが、まず利用したいサービスとして挙げられるのが「LINE公式アカウント」です。

 

改めて、LINE公式アカウントの基本を解説します。

LINE公式アカウントとは?個人LINEとの違いを解説

LINE公式アカウントは、ひとことで言えば「ビジネス向けのLINEアカウント」です。

 

普段友人や家族とやり取りしている個人のLINEアカウントとは異なり、企業や店舗がユーザーとのコミュニケーションや情報発信を行うための、さまざまな機能が利用できます。

 

また、個人のLINEは基本的に一人で利用しますが、LINE公式アカウントは一つのアカウントを複数人の管理者で共同運用できるため、担当者間での分業や、店舗スタッフ全員での顧客対応といったチームでの活用が可能になります。

 

さらに、LINE公式アカウントには友だちの数やメッセージ配信、クーポンの反応などを確認できる分析機能も備わっています。どのメッセージがユーザーの心に響いたのか、どのような情報が求められているのかをデータに基づいて把握し、次の施策に活かすことが可能です。これらは個人アカウントにはない、ビジネス活用を前提とした強力な機能です。

 

LINEとLINE公式アカウントの違いについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。

 

▼記事を読む
LINE公式アカウントとLINEの違いとは?機能や料金プラン、業界別の活用法を解説

これだけはおさえたい!LINE公式アカウントの主要機能

LINE公式アカウントには、販促や集客に活用できる便利な機能が数多く用意されています。ここでは、主要な機能を厳選して紹介します。

メッセージ配信

LINE公式アカウントの最も基本的な機能です。友だち追加してくれたユーザーに対して、新商品のお知らせやセール情報、イベントの告知などを直接配信することができます。

 

テキストだけでなく、画像や動画、スタンプなども活用できます。また、画像・テキスト情報を一つのビジュアルで訴求できる「リッチメッセージ」、複数の画像をカルーセルで表示する「カードタイプメッセージ」など、さまざまな形式のフォーマットを用いた配信も行えます。

 

▼関連記事
メッセージ配信の特長や種類、効果的なメッセージとは

LINEチャット

「LINEチャット」は、LINE公式アカウントの友だちになっているユーザー一人ひとりとコミュニケーションが取れる機能です。

 

顧客対応中など、すぐに電話対応ができない時でも、チャットであれば手が空いたタイミングで返信することができます。スマートフォンがあればアプリ版の管理画面から返信ができるため、外出中などでも対応が可能です。

リッチメニュー

LINE公式アカウントのトーク画面の下部(キーボードエリア)に固定で表示されるメニュー機能です。Webサイトへのリンクや予約ページ、LINE公式アカウントのクーポンやショップカードなどへの導線を設定できるため、ユーザーを目的のページやサービスへスムーズに誘導できます。

ショップカード

紙のポイントカードと同様、来店や商品購入ごとにポイントを付与し、貯まったポイントに応じて特典を提供できる機能です。

 

ユーザーは財布の中でかさばるカードを持つ必要がなくなり、スマートフォン一つで完結するため、利用率の向上が期待できます。店舗側もカード発行のコストを削減できるほか、さまざまなキャンペーンと連動させることで、再来店を促すきっかけづくりにもなります。

 

▼関連記事
ショップカードの活用方法|活用メリットや効果的な設定方法を解説

クーポン

LINEの友だち限定で利用できるクーポンを作成・配信できる機能です。友だち限定のお得な情報を届けることで、再来店を促す効果が期待できます。また、LINE公式アカウントのクーポンは管理画面の分析画面から開封者数などが確認できます。

 

▼関連記事
LINE公式アカウント「クーポン」の効果的な使い方とは?

応答メッセージ

ユーザーからチャットで送られてきたメッセージに対して、あらかじめ設定しておいた内容を自動で返信する機能です。

 

営業時間外の問い合わせ対応や、よくある質問への一次回答などに活用することで、顧客対応の効率化と機会損失の防止につながります。特定のキーワードに反応して個別のメッセージを返す設定も可能です。

 

応答メッセージのさらに詳しい情報は、以下の記事でも紹介しています。

 

▼関連記事
自動応答が可能に!「応答メッセージ」の機能や導入事例について

LINE公式アカウントのビジネス活用成功事例5選

LINE公式アカウントの機能が分かっても、「実際にどのように活用すれば成果が出るのか」をイメージするのは難しいかもしれません。

 

そこで、さまざまな業界の企業がどのようにLINE公式アカウントを活用し、成果につなげているのか、具体的な成功事例を5つご紹介します。自社のビジネスに置き換えながら、活用のヒントを見つけてみてください。

飲食店の活用事例|SUZU CAFE

カフェチェーン「SUZU CAFE」では、2019年11月にLINE公式アカウントを開設し、リピーター育成や顧客との関係構築に活用しています。

 

中でもLINE公式アカウントの機能である「ショップカード」を活用し、「グループ全員にランチデザートをサービス」など複数人数で利用できるインセンティブの設定や、雨の日にはポイントを2pt付与するなどして、リピーター育成と同時に来店者数の平準化促進につなげています。

 

また、期間限定メニューの紹介など、ユーザーに確実に届けたい情報を発信する際にはカードタイプメッセージを用いた配信を実施。

 

「LINE公式アカウントで新メニューを告知すると、メッセージを配信した直後から予約の電話が入ることもあります。LINEがいかにユーザーの生活に根付いており、情報をしっかり届けられるツールであることを実感しています」と担当者が実感するなど、LINE公式アカウントを通じた事業成長の好事例となっています。

流通・小売の活用事例|ヌボー生花店

地域密着型の“まちの花屋”として親しまれ、2025年6月現在長野県内に3店舗を構える「ヌボー生花店」は、2023年に「EDWARD(エドワード)」(北海道デジタル・アンド・コンサルティング株式会社提供)のLINEミニアプリ(後述で紹介)をパッケージで導入し、同時にLINE公式アカウントの本格運用を開始しました。

 

紙の会員証をLINEミニアプリでデジタル化し、そこで得られたデータをLINE公式アカウントのメッセージ配信に活用(※)。来店頻度に応じたクーポンやタイムリーな入荷情報を配信することで、ユーザーとの関係を強化しました。

 

※ データの取得・活用にはユーザーの許諾が必須となります

 

この連携により、ギフト需要への依存から脱却し、自宅用の売り上げを3倍以上に伸ばすことに成功しています(2019年~2025年実績)。

理美容・サロンの活用事例|Number76 Tokyo

ヘアサロン「Number76 Tokyo」では、LINE公式アカウントの「LINEチャット」機能を活用し、顧客コミュニケーションの円滑化とリピーター獲得に成功しています。

 

チャット上で事前カウンセリングを行うことにより、来店当日の施術がスムーズになり、トラブルの防止や顧客満足度を向上しました。

 

また、メッセージ配信を使ったリピート集客施策も実施するなど、店舗運営に欠かせないツールとなっています。

ECの活用事例|ohora

韓国発のジェルネイルブランド「ohora」の日本展開を担う株式会社デジタルガレージでは、きめ細やかなコミュニケーションを実現し、売り上げ増加につなげるためにLINE公式アカウントを導入。

 

クーポンの配信や定期的な情報発信だけでなく、「過去に配信したメッセージを開封したユーザー」や「メッセージをクリックしたユーザー」を抽出してメッセージを配信するなど、ユーザーとの関係構築とオンライン購入の後押しにつなげています。

 

運用を続けた結果、LINE公式アカウント経由の売り上げは、導入当初と比較して3倍まで増加。クーポンの利用に関しても、LINE公式アカウントで配信する友だち限定クーポンの使用率は、メールマガジンで配信するクーポンに比べて20〜30倍の効果を得るなど、大きな成果を上げています(2023年3月時点)。

人材・教育の活用事例|ESOH個伸塾

千葉県内で3教室を展開する学習塾「ESOH個伸塾」では、生徒・保護者とのコミュニケーションにLINE公式アカウントを役立てています。

 

電話やメールでの連絡の手間を削減し、LINEチャットで欠席連絡や相談に応じることで、きめ細やかなフォローを実現。

 

この取り組みにより、保護者とのコミュニケーションが円滑になり、退塾率を28%も減少させる成果を上げています(2020年8月時点)。

これらの事例のように、LINE公式アカウントは多様な業種でその効果を発揮します。

 

では次に、実際にLINE公式アカウントの料金プランと開設方法について解説します。

LINE公式アカウントの料金プランと始め方

LINE公式アカウントは無料でアカウントを開設できるため、導入へのハードルが低いことも大きな魅力です。

 

ここでは、LINE公式アカウントの料金プランと、簡単にできるアカウントの開設方法を紹介します。

LINE公式アカウントの料金プランは3種類

LINE公式アカウントには3つの料金プランが用意されています。なお、料金プランによる機能の制限はありません。無料プランと有料プランの大きな違いは、無料で送信できるメッセージの通数です。

無料の「コミュニケーションプラン」では月額固定費は0円で月200通まで、「ライトプラン」では月額固定費が5,000円で月5,000通まで、「スタンダードプラン」では月額固定費15,000円で、月30,000通までが無料で配信可能です。

 

無料メッセージ通数を超えて配信したい場合は、スタンダードプランのみ追加でメッセージを配信可能です。その場合の費用は、配信した分だけ費用が発生する従量課金制となります。1通当たりの値段は送る通数によって異なりますが、最大3円です。

 

料金プランはアカウント作成後にアップグレード、ダウングレードが可能です。まずは無料のコミュニケーションプランから始めて、友だちの数や配信頻度が増えてきたら有料プランへ移行する、といった柔軟な使い方も行えます。自社の予算や運用目的に応じて選択してみましょう。

 

▼LINE公式アカウント料金プランの詳細を見る
LINE公式アカウント料金プラン

3ステップでできる! LINE公式アカウントの開設方法

LINE公式アカウントの開設は、3ステップで完了します。LINE公式アカウントは、アプリもしくはWeb上から開設が可能。ここでは、Web上で開設する方法を紹介します。

1. ビジネスIDの登録

LINE公式アカウントの作成ページで「LINE公式アカウントをはじめる」ボタンを選択すると、「ビジネスID(※)」の管理画面が表示されます。

 

(※)ビジネスIDとは……LINEヤフーが提供するビジネス向け、または開発者向けの各種管理画面にログインができる共通認証システムです。LINE公式アカウントのアカウント作成時にビシネスIDを作成いただけます。

現在使用している個人のLINEアカウントもしくはメールアドレスを登録することで、ビジネスIDが登録されます。

2. 必要事項の登録

ビジネスIDの登録完了後、アカウントの作成フォームから必要事項の記入を行います。

3. 管理画面へログイン

入力内容を確認し、申し込みが完了すると、LINE公式アカウントの管理画面(LINE Official Account Manager)にログインできるようになります。これで、LINE公式アカウントの開設は完了です。開設後すぐにビジネスプロフィールの設定など運用を開始することができます。すぐに始められる手軽さもLINE公式アカウントの強みです。

 

LINEのビジネス活用を検討中の方も、まずはアカウントを開設し、管理画面でどのような機能があるのかを実際に触ってみてください。

LINE公式アカウントと併用したい「LINEミニアプリ」

LINE公式アカウントの活用に慣れてきたら、次の一手として検討したいのが「LINEミニアプリ」の導入です。LINE活用において他社との差別化を図るためのヒントとして、LINEミニアプリを紹介します。

LINEミニアプリとは?

LINEミニアプリは、デジタル会員証、順番待ち、テイクアウトオーダーなどの企業・店舗のサービスを、LINEアプリ上で提供できるサービスです。ユーザーは新たなアプリのダウンロードが不要で、LINE上で企業・店舗のサービスをシームレスに利用できます。

 

LINEミニアプリとLINE公式アカウントを併用することで、ユーザーの囲い込みと利便性向上を同時に実現できます。例えば、LINEミニアプリを使って席の予約やテイクアウトの注文を行ったユーザーに対し、後日LINE公式アカウントで御礼やアンケート、再来店を促すクーポンを配信する、といった連携も可能です。

 

LINEミニアプリに関する詳細は、以下の記事で紹介しています。併せてご確認ください。

 

▼記事を読む
LINEミニアプリ完全ガイド|導入方法や費用、導入事例まで

自社の課題に合わせてLINEのビジネス活用を始めよう

LINEをビジネスに活用するメリット、特に「LINE公式アカウント」でできることや料金、具体的な成功事例まで見てきました。

 

LINE公式アカウントは新規ユーザーの獲得からリピーター化、そして日々の顧客対応まで、ビジネスにおけるさまざまな課題を解決するツールとなります。

 

多くのユーザーが日常的に使うLINEというプラットフォームで、ユーザーと直接的なつながりを築けることは大きな強みです。まずは自社の課題が何であるかを整理し、LINE公式アカウントのどの機能で解決できそうかを考えてみましょう。

 

LINE公式アカウントは、以下からアカウントを作成できます。

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