問い合わせから見えた、LINEヤフー広告の審査で注意したい3つの表現
広告が掲載不可となった際、「どの表現を、どのように修正すればよいのか分からない」と迷うことはないでしょうか。
広告審査に関する問い合わせにはさまざまなものがありますが、なかでも繰り返し寄せられている否認理由には、いくつかの傾向が見られます。
そこで今回は、2026年4月~6月の3カ月に広告主からお客様サポートセンターへ寄せられた問い合わせ内容を基に、否認理由の傾向を分析しました。特に問い合わせの多かった否認理由とともに、広告を作成する際に注意したい表現例を紹介します。
目次
問い合わせが多かった3つのポイント
分析の結果、問い合わせが多かったのは、主に次の3つでした。
1.医療機関の広告における誇大表現
2.医療機関の広告における費用の強調
3.No.1表示など、根拠情報に不備のある最上級表示
医療機関の広告に関する問い合わせが中心ですが、ほかの業種でも広告表現を見直す際に参考になるポイントがあります。ここからは、具体的にどのような表現に注意すべきなのかを見ていきましょう。
1.「最適」「確かな技術」など、医療広告の誇大表現に注意
最も多く見られたのは、医療機関の広告における誇大表現に関する問い合わせでした。
注意したい表現には、次のようなものがあります。
●「一人ひとりに最適な治療をご提案」
●「豊富な経験を持つ医師が対応」
●「確かな技術で治療を提供」
●「高い効果が期待できる治療」
●「安全性の高い施術」
●「専門性の高さを強調する表現」
いずれも、広告では比較的よく見かける表現です。一方で、医療広告では、治療内容や医師の経験・技術、医療機関の優良性などについて、実際以上の効果を期待させたり、実際以上に優良であるとの印象を与えたり事実を不当に誇張して伝えたりする表現は、誇大広告として掲載できない場合があります。
医療広告ガイドラインでは、誇大広告について、必ずしも虚偽ではないものの、医療の内容などを不当に誇張したり、人を誤認させたりする広告としています。
ここでポイントとなるのは、表現の仕方によって医療の内容を不当に誇張したり、患者に誤認を与えたりする場合があることです。広告全体からどのような印象を受けるかも踏まえて確認しましょう。
「最適」と断定できる根拠はあるか
「最適な治療」は、患者一人ひとりに適した医療を提供することを表した表現ですが、厚生労働省の医療広告等ガイドラインに関するQ&Aでは、「最適」の表現は誇大広告に該当するため広告できないとされています。
「確かな技術」「質の高い治療」といった表現についても、医療機関や医療の内容を実際以上に優良であるかのように受け取られるおそれがないか確認しましょう。
また、断定を避けて「期待できる」「目指せる」と表現すれば問題ないとは限りません。広告全体として治療効果を強く印象付ける場合は注意が必要です。
「安全」を保証するような表現になっていないか
「安全な治療」「安全性の高い施術」など、安全性を断定したり、保証したりするように受け取られる表現には特に注意が必要です。
医療行為には、治療方法に応じたリスクや副作用があります。そのため、根拠を示さずに安全性を強調すると、リスクがほとんどない治療であるとの印象を与えかねません。
また、「安心」といった表現も、それ単体があることで掲載できないわけではありません。ただし、広告全体としてリスクが少ない、あるいは安全性が保証されている治療であるかのような印象を与えないか確認しましょう。設備や衛生管理、診療体制などに関する事実があったとしても、それらをもって治療全体の安全性を保証する表現になっていないかを確認することが大切です。
広告を作成する際は、表現によって治療効果や医療機関の技術を実際以上に期待させていないかという視点で確認しましょう。
2.「割引」「限定価格」など、費用の安さを強調しない
次に多かったのは、医療機関の広告で費用を強調した表現に関する問い合わせです。
注意したい表現には、次のようなものがあります。
●「今だけ特別価格」
●「通常よりお得に治療」
●「期間限定で費用を割引」
●「費用を抑えたい方におすすめ」
●「初回費用0円を大きく強調」
●「モニター価格でご案内」
医療広告において治療費を客観的な情報として掲載すること自体が、直ちに問題となるわけではありません。むしろ自由診療の治療内容について訴求する場合は、公的医療保険が適用されない旨と標準的な費用の表示が必要です。
一方で、注意したいのは、費用を正確に伝えることと、安さや割安感を強調して受診を促すことの違いです。
医療広告は、患者が治療を選択するための客観的で正確な情報を伝える手段です。安さを必要以上に強調すると、治療内容やリスクよりも価格に注目させ、受診を強く促す表現となり得ます。
医療広告ガイドラインでも、費用を過度に強調するなど、品位を損ねる内容の広告は慎むべきものとされています。
費用の掲載と、安さの訴求を分けて考える
治療費の金額を客観的な情報として掲載することと、「お得」「割引」「限定」などの言葉を用いて割安感を訴求することでは、広告を見た人が受ける印象が異なります。
また、価格の表示方法によっては、治療内容よりも価格の安さを前面に押し出した広告となる場合があります。特に、キャンペーンや割引などを強調して受診を促す表現には注意が必要です。費用を記載する際は、金額や適用条件を正確に示しているかだけでなく、価格の安さを主な理由として受診を促す広告になっていないかも確認しましょう。
自由診療では標準的な費用を分かりやすく表示する
自由診療の治療方法を広告で訴求する場合は、自由診療である旨と、標準的な費用を表示する必要があります。
費用が治療する部位や回数によって異なる場合は、最低費用だけを目立たせるのではなく、患者が実際に負担する費用を把握できる形で示すことが重要です。
最低価格を大きく表示する一方で、適用条件や実際に必要となる費用を小さく記載すると、表示された金額だけで治療を受けられるかのような印象を与える可能性があるためです。
医療広告ガイドラインでも、大きく表示した価格と実際に必要となる費用に差があり、注釈が見落とされるような表示は、誇大広告に該当する例として示されています。
費用を掲載する際は、割引や限定価格によって安さを過度に強調していないか、自由診療である旨と標準的な費用を分かりやすく表示しているかを、それぞれ確認しましょう。
3.No.1表示は広告のクリエイティブ内に根拠情報を示す
3番目に多かったのは、最上級表示やNo.1表示の根拠データに関する問い合わせでした。
注意したい表現には、次のようなものがあります。
●「顧客満足度No.1」
●「業界最安値」
●「国内で唯一」
●「販売実績第1位」
●「〇〇大賞5冠」
「No.1」と明記していなくても、「最大」「最安」「唯一」「初」といった表現は、ほかの商品やサービスよりも優れていることを示す最上級表示として扱われる場合があります。
こうした表示を使用する際は、広告のクリエイティブ内に、客観的な根拠を確認できる情報を記載する必要があります。また、最上級表示やNo.1表示は、景品表示法上の不当表示に該当しないかという観点でも確認が必要です。
リンク先ページではなく、広告内の表示を確認する
「No.1」と表示する際は、リンク先ページに詳しい根拠があるかどうかだけでなく、「No.1」を訴求している広告のクリエイティブ内に必要な情報が表示されているかを確認しましょう。
画像で「No.1」を訴求する場合は、画像内の省略されない箇所に根拠情報を記載します。タイトルや説明文で訴求する場合も、表示時に必要な情報が省略されないかを確認することが大切です。
記載が必要となるのは、主に次のような情報です。
●何を調査したデータなのか
●誰が調査を実施したのか(調査機関名)
●いつ調査したのか(原則として、直近1年以内の最新データ)
●どのような対象や範囲で調査したのか
文字が小さすぎる場合や、広告の表示時に省略される箇所へ記載している場合は、根拠情報を十分に確認できない可能性があります。
広告の訴求と調査内容を一致させる
根拠情報を記載していても、広告の訴求と調査内容が一致していなければ、適切な表示とはいえません。
特定の年代や地域などに対象を限定した調査で1位となった場合、広告上でもその対象範囲が分かるようにする必要があります。対象を示さずに「No.1」と表示すると、実際の調査対象よりも広い範囲で1位であるように受け取られる可能性があります。
自社の商品やサービスのみを比較した結果を表示する場合も、自社内の比較であることが分からなければ、市場全体を対象とした結果であるかのような印象を与えかねません。
No.1表示を使用する際は、広告の文言、調査対象、比較範囲、調査時期が一致しているかを確認しましょう。
| 掲載可否 | 広告例 | 理由 |
|---|---|---|
| 掲載不可 | 格安通販なら〇〇商店へ 送料無料!日本一の安値と品質。サポート体制も万全 | 「日本一」の根拠となるデータの出典元または調査機関名および調査年が明記されていないため掲載できません。 |
| 掲載不可 | 県内一※の生徒数! 合格率も高い〇〇進学塾 今なら入学金無料!※2025年3月○○県塾協会調べ | 根拠となる調査データが1年以上前であるため掲載できません。 |
なお、医療機関の広告では、根拠データを記載すれば「No.1」表示が認められるとは限りません。
医療広告ガイドラインでは、「日本一」「No.1」「最高」など、ほかの医療機関と比較して優れていることを示す最上級表現は、客観的な事実であっても禁止される表現に該当します。
医療機関の広告では、一般的な最上級表示の基準に加え、医療広告ガイドラインも確認してください。
最上級表示、No.1 表示(広告掲載基準ヘルプ)
医療機関(広告掲載基準ヘルプ)
医療広告ガイドライン(令和8年3月30日最終改正:厚労省)
広告審査では、単語だけでなく受け手の印象も確認しよう
今回の分析では、医療広告の誇大表現、費用を強調した表現、最上級表示やNo.1表示の根拠不備について、多くの問い合わせが寄せられていました。
共通しているのは、特定の言葉だけでなく、広告全体としてユーザーにどのような印象を与えるかが重要であることです。前後の文脈や文字の大きさ、画像との組み合わせなどによって、同じ言葉でも受け取られ方は変わります。
医療広告では、治療効果や医療機関の優良性を実際以上に期待させていないか、費用を全面に押し出して受診を促す表現になっていないかを確認しましょう。
また、「No.1」などの最上級表示を使用する場合は、リンク先ページだけでなく、広告のクリエイティブ内に必要な根拠情報が表示されているかを見直すことが重要です。
広告が掲載不可となった際は、否認理由の名称だけで判断せず、タイトル、説明文、画像、動画のどの表現が対象となったのかを確認してみてください。具体的な抵触箇所と否認理由を照らし合わせることが、適切な修正への近道です。
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