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サービス情報 公開日:2026.06.18

「届く」を「つながる」へ。LINEが描く新・顧客体験




※ 当記事は、日経クロストレンドに掲載された記事の転載となります。

LINE通知メッセージ

現在の社会において、B to C企業のマーケティング課題となっているのが「情報を届ける」ことの難しさだ。自社が発信するメッセージが、膨大な情報やアルゴリズムの波に埋もれて顧客に届かない――この課題を解決する方法として、今多くの企業が注目しているのが「LINE通知メッセージ」である。通知を接点に、顧客関係構築まで実現するLINEの活用方法とは。

伝えたいメッセージが膨大な情報に埋もれてしまう時代

ユーザーごとに最適化した情報を、手元のスマートデバイスにリアルタイムに届ける――。モバイルマーケティングは目先の売り上げだけでなくCXや顧客のエンゲージメント、LTV(顧客生涯価値)の向上に資するものといえる。ただ最近は、その効果が薄れている面もある。背景にあるのが爆発的な情報量の増加だ。

 

 「メールやSMS、Webサイト、企業アプリとメディアが多様化した結果、企業のメッセージが膨大な情報に埋もれるようになりました。消費者が接する情報がアルゴリズムに支配されるようになった結果、いわゆる『フィルターバブル』も起こっています」とLINEヤフーの藤本泰輔氏は話す。

LINEヤフー コーポレートビジネスドメイン OA・MINIビジネスSBU プロダクトマーケティング1ユニット APIビジネスディビジョン 藤本 泰輔氏

ランサムウエアやフィッシング詐欺などが横行する中、メールやSMSで届くメッセージへの警戒感も強まっている。この状況のもと、マーケティング部門がKGI(重要目標達成指標)を達成するためには、これまでと異なるアプローチを考えなければならない。

 

「これからは、企業目線で届けたい情報を考えるのではなく、個々の消費者にとって真に価値の高い情報は何かを考え、届けることが肝心です」と藤本氏は言う。商品の購入やサービスを利用する際のステータス情報はその一例だ。「予約が完了しました」「商品が発送されました」「今月の請求額が確定しました」といったインフォメーションは消費者にとって有益であり、多くの消費者が積極的に得たいと考えている。ここをタッチポイントにするアプローチが重要になっているという。

 

同時に、情報の届け方も再設計が必要だ。メールやSMSで送信して埋もれたり、フィッシング詐欺と勘違いされてしまったりしては意味がない。自社アプリを立ち上げ、その中で通知することもできるが、消費者に自社アプリをインストールしてもらうのは簡単ではない。膨大なアプリの中から、選ばれるアプリになる必要があるからだ。実際にLINEヤフーが行った調査 ※1 では、店頭でアプリのダウンロードを依頼された際、約7割のユーザーが断った経験があると回答している。自社の情報を届けるためには、自社アプリ以外の選択肢を検討することも必要になっている。

※1 あなたご自身に関するアンケート(総サンプル数 n=1,488)「Q10 お店でスマートフォンのアプリのダウンロードをお願いされた際に、ダウンロードの時間や手間、スマートフォンの通信容量の消費やストレージの消費などが理由でダウンロードを断った経験はありますか?」(調査委託先:マクロミル、回答者:スマートフォン利用者、且つLINEアプリ利用者 n=1,488人、調査期間 :2024年8月5日~8月7日)

ユーザーになじみの深いLINEを自社の通知媒体に

このような課題を解決し、消費者に効果的に情報を届ける手法として今、多くの企業が注目しているのが「LINE通知メッセージ」である。

 

LINE通知メッセージは、電話番号を用いて、重要性や必要性の高いメッセージを消費者(LINEユーザー)に通知するサービス ※2。企業がLINEユーザーに情報を直接届けられる「LINE公式アカウント」と異なるのは、友だち追加されていないユーザーにも通知が届けられる点だ。

 

ただし、配信できるのは有用な通知に限られ、広告・宣伝⽬的の通知利⽤は規約で禁止されている。LINE通知メッセージはLINEヤフーの所定の審査を通過している「認証済アカウント(LINE公式アカウントの種別)」のみ利用が可能なため、ユーザーも安心して通知を受け取ることができる。

 

中でも企業にとって最大のメリットは、日本の総人口の70%以上(日本国内の月間利用者数約1億人、2025年12月末時点)が使うLINEのプラットフォームを、自社の通知媒体として使える点にある。多くの消費者が日常的に使うLINE上で通知が届くことで、見落としの防止が期待できる。

 

2025年6月のリニューアルによって、LINE通知メッセージは通知に用いることのできるテンプレートが大幅に拡充された。より多くの企業のニーズに合う通知が届けられるようになったことで、導入数も堅調に推移しているという。

LINE通知メッセージのテンプレートを随時拡充
LINE通知メッセージでは、様々なシチュエーションに合わせた通知のテンプレートを用意している(2026年4月時点で約100種類)。種類は今後も随時追加予定だ

※2 広告を除く、ユーザーにとって重要性や必要性の高いメッセージに限定して、利用することが可能

LINE公式アカウントとの連携で、高度な施策も展開可能

またLINE通知メッセージには、もう1つマーケティング部門にとっての重要なメリットが存在する。それは、「自然な形でLINE公式アカウントへの友だち追加を促せる」ことである。LINE公式アカウントの友だちに対しては、企業が発信したい最新情報や広告も含め、より幅広い情報を届けられる。通知の受信をきっかけに友だち追加を促すことで、継続的な顧客コミュニケーションに移行することができるのだ。

 

さらに、友だちになったユーザーに対し、「自社顧客情報とユーザーのLINEアカウントのID連携 ※3」を促すことの意義は大きい。なぜなら、LINE通知メッセージを受け取るユーザーは、既に購入や予約など具体的なアクションを行っている「アクティブな既存顧客」だからだ。このタイミングでID連携が完了すれば、LINE上の友だちと自社データベースの顧客情報がひも付き、購買履歴や属性に合わせた精度の高いセグメント配信が可能になる。単なる一斉配信にとどまらない、One to Oneコミュニケーションの基盤が整うのである。

LINE公式アカウントで実現できること(一例)
LINE公式アカウントは無料で使える多彩な機能を提供している。LINE通知メッセージ経由で友だちになったユーザーにマーケティング施策を行うことで、再購入や再来店を促すことができる

 LINE公式アカウントの活用で狙える効果は大きく次の3つだ。

【1】リーチ率向上

LINE公式アカウントのメッセージは日常的に利用されるLINE上で届くため、速やかに内容を確認してもらいやすい。LINEヤフーの調査 ※4 では、企業からのメッセージを受け取ったユーザーの約8割が当日中に開封していたという。企業が伝えたいメッセージへのリーチ率を大きく高めることができる。飲食店や小売店、ECサイトなどの場合は「クーポン」機能を併用することで、その後のアクションも効率的に促すことができるだろう。

【2】ユーザー体験(UX)を高められる

「リッチメニュー」機能を活用すれば、LINE公式アカウントのトーク画面下部に「今月のクーポン」や「予約」などのボタンを配置できる。これにより有用な情報へ簡単にアクセスできる環境をユーザーに提供可能だ。「業種を問わず様々なユースケースが考えられますが、電話に替えてWeb予約を促進したい飲食・美容系の店舗が、自然な流れで予約サイトに誘導する際などに効果的です」と藤本氏は説明する。

【3】ユーザーのファン化とLTV向上

効果的なマーケティング施策の実施には、カスタマージャーニーに沿ったコミュニケーションが不可欠だ。作成したシナリオに沿ってメッセージを自動配信できる「ステップ配信」機能を使うことで、これを容易に実現できる。ユーザーがそのとき求める情報をタイムリーに提供してF2転換率を高めたり、継続的なコミュニケーションによって顧客ロイヤルティーやLTVを高めたりすることができるだろう。

 

「また、自動化によって顧客対応を効率化できることも重要なポイントです。『応答メッセージ』機能を使えば、ユーザーから受信したチャットでのメッセージに対し、あらかじめ設定していた内容を自動で返信できます。迅速な対応で機会損失を防げるほか、担当者の負荷削減につなげることもできるでしょう」と藤本氏は付け加える。

※3 ID連携にはユーザーの許諾・同意が必要
※4 2021/7 携帯電話に関するアンケート(総サンプル数 n=2,060)。LINE公式アカウントからメッセージを受け取って見るまでの体感値を集計。すぐ見るが約2割、3~6時間以内で見るが過半数、その日のうちに見ると回答した人は約8割

キャンセル率を低下させ機会損失の防止にも貢献する

LINE通知メッセージやLINE公式アカウントを用いて効果的なマーケティング施策を実践する企業は数多い。その一例が、保険代理店事業を展開する保険見直し本舗だ。

 

同社は、ショッピングモール内など全国365店舗(2026年3月末時点、フランチャイズ店舗を含む)で保険に関する無料相談を受けている。だが従来は、相談予約をした人の2~3割が連絡なく来店しない(No-Show)状態が続いていたという。

 

「保険見直し本舗様では面談予約を行った方に対し、各店舗スタッフが電話・SMSで面談のリマインド連絡をしていましたが、知らない電話番号からの着信には出ない、SMSを見ないといった方が多くいました。さらに店舗ごとの対応だったため、No-Showがどのくらい発生しているかを全社で把握することが難しかったことを課題に感じられていました」と藤本氏は説明する。

 

そこで同社は、面談予約者により確実にアクセスできる手段としてLINE通知メッセージを導入。その結果、保険無料相談の面談実施率を約5ポイント向上させることができたという。またリマインドの経路をLINE通知メッセージに集約したことで、面談予約者の全体像をデータ化し、全社で把握できるようになった。これにより、施策のさらなる改善や新規施策の検討にもつなげやすくなっている。

 

「2025年3月に開設した保険見直し本舗様のLINE公式アカウントの友だち数は、同年11月に約2万人を超えました。友だちになったユーザーが新たに保険無料相談を予約する件数は、毎月約100件に上っています」と藤本氏は続ける。

 

このように、LINE通知メッセージを接点にしたLINE公式アカウント活用は、企業の顧客コミュニケーションに大きなインパクトをもたらす。背景にあるのは、LINE自体が持つ圧倒的な「情報到達力」だ。消費者が必要とする通知を確実に届け、その後も消費者が求める情報を継続的に届けることで、「この会社は自分のことを分かってくれている」という心理状態をつくる。それが、その企業への信頼感を醸成する重要なきっかけになるのである。

 

情報爆発時代のマーケティング施策では、企業が伝えたいことを一方的に訴求しても効果は見込めない。顧客が今、何を知りたいのか、何を求めているのかを考え、必要十分な情報をタイムリーに伝えるアプローチがカギになる。LINE通知メッセージとLINE公式アカウントは、これを実現したいマーケティング部門にとって強力な武器になるだろう。

 

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