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Webマーケティング入門 公開日:2021.07.21 更新日:2025.08.26

ディスプレイ広告とは? 仕組み・種類・メリットをわかりやすく解説

Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型) LINE広告

私たちが日常的に利用するWebサイトやスマートフォンアプリには、さまざまな広告が表示されます。その中でも、画像や動画を使って視覚的に訴求する「ディスプレイ広告」は、多くの企業が活用する代表的なWeb広告のひとつです。

 

本記事では、ディスプレイ広告の基本的な仕組みや種類、リスティング広告との違い、メリット・出稿方法、運用のポイントまでを初心者にもわかりやすく解説します。ディスプレイ広告の運用を検討している方はぜひ参考にしてください。

 

目次

1.ディスプレイ広告とは

ディスプレイ広告とは、Webサイトやスマートフォンアプリに表示される画像・動画・テキストを使った広告手法です。検索広告(リスティング広告)と違い、視覚的なインパクトで潜在層にも訴求できる点が特徴です。画像や動画の広告はバナー形式で表示されるため、バナー広告と呼ばれることもあります。

 

近年はテレビよりもインターネットを利用する時間が増えており、ディスプレイ広告はブランド認知や集客を強化する重要な手段となっています。

 

例えば、Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)の場合、広告主はYahoo! JAPANのトップページやYahoo!ニュース、さらに提携している外部パートナーサイトに設けられた広告枠に、画像や動画などを掲載できます。

ディスプレイ広告の表示イメージ(Yahoo!広告 ディスプレイ広告)

2.ディスプレイ広告の仕組みと種類

ディスプレイ広告の仕組み

ディスプレイ広告では、広告掲載をめぐってオークションが行われ、最も高い入札価格の広告が掲載されます。具体的な仕組みは以下のとおりです。

 

例)Yahoo!広告 ディスプレイ広告の仕組み

1. ユーザーがWebサイトやアプリの広告枠を表示
ユーザーが広告配信ネットワークに参加しているWebサイトやアプリにアクセスすると、その広告枠が表示されます。

2.  掲載する広告を選出
広告主が設定したターゲティング条件(配信地域、日時、デバイス、ユーザー属性、興味関心、リターゲティングなど)に 重複なく合致する広告候補が抽出されます。


3.  広告オークション
抽出された複数の広告候補の間でオークションが行われます。この際、単純な入札額の高さだけでなく、広告の品質(クリック率予測、広告とページの関連性、ユーザー体験の質など)が加味され、「広告ランク」が算出されます。


4.  広告を表示
オークションで最も高い評価を得た広告主の広告が、その広告枠に掲載されます。広告は瞬時に選定・配信され、ユーザーはページ読み込みと同時に最適化された広告を目にします。

 

ディスプレイ広告の種類

ディスプレイ広告には以下のような複数の種類(掲載フォーマット)があります。目的や訴求内容に応じて複数のフォーマットを使い分けることが大切です。

■バナー広告
画像を使ったスタンダードな形式

 

■動画広告
ストーリー性を持って訴求でき、ブランド理解を深めやすい形式

 

■インフィード広告
ニュース記事やSNSの投稿に溶け込むように表示される形式

 

■レスポンシブ広告
広告枠に合わせてサイズやレイアウトが自動で最適化される形式

 

なお、ディスプレイ広告を掲載する広告枠を設置したWebサイトは、サイト間でネットワークを構築して掲載面の規模や種類をスケールアップさせています。より幅広いユーザーに広告を届けたい場合は、ネットワークを活用した広告運用もプランに加えるとよいでしょう。

3.ディスプレイ広告の課金方式

ディスプレイ広告には複数の課金方式があり、目的に応じて使い分けることが重要です。代表的な方式は以下のとおりです。

 

■ CPC課金(クリック課金)
広告が表示された回数ではなく、ユーザーが実際に広告をクリックしたときに費用が発生します。無駄な表示による費用を抑えられ、サイト訪問数を増やしたい場合に適しています。


■ CPM課金(インプレッション課金)
広告が1,000回表示されるごとに費用が発生します。クリックされなくても表示されるだけで費用が発生するため、ブランドやサービスの認知度向上に有効です。


■ vCPM課金(ビューアブルインプレッション課金)
広告が実際にユーザーの画面に一定以上表示された場合(例:広告面積の50%以上が1秒以上表示)に費用が発生します。単なる表示回数ではなく「見られた可能性の高い表示」に課金されるため、効率的なブランディングが可能です。


■ 動画再生課金
動画が一定秒数視聴されたときに費用が発生します。秒数基準は媒体によって異なります。
興味を持って視聴したユーザーにのみ費用をかけられる点がメリットです。

 

ディスプレイ広告の課金方式については、以下の記事でも解説しています。ぜひ併せてご覧ください。


>「ディスプレイ広告に必要な費用は? 課金方法やコストを抑えるコツを紹介」を読む

 

4.ディスプレイ広告とリスティング広告の違い

リスティング広告(検索広告)は、ユーザーが検索したキーワードに応じて広告が表示され、購買意欲の高い顕在層へのアプローチに強みがあります。
一方で、ディスプレイ広告は、まだ商品やサービスを知らない潜在層への認知拡大に適しています。


また、リスティング広告はテキストなど形式が限られているのに対して、ディスプレイ広告は広告形式の自由度が高いのが特徴です。

 

 2つの広告の詳しい違いは以下の記事で解説しています。あわせてご確認ください。


>「ディスプレイ広告とリスティング広告の違いは? 使い分けのコツやおすすめの運用方法を紹介」を読む

 

 

5.ディスプレイ広告と純広告の違い

純広告はディスプレイ広告の一種で、広告媒体や広告枠を事前に買い切り、決められた掲載期間や料金の範囲で配信する広告形式です。広告枠を指定できるため、ブランドのイメージ訴求やキャンペーンの認知拡大に適しています。広告の運用調整はできませんが、その分手間がかからず、安定的に掲載できる点が魅力です。
 

一方で、ディスプレイ広告は掲載費用や掲載期間、広告内容、ターゲットを調節可能な運用型広告です。柔軟に運用できる反面、調整にコストや手間が発生します。この違いを理解し、目的や予算に応じて使い分けることが大切です。
 

ディスプレイ広告(運用型)掲載費用・期間・広告内容・ターゲティングを柔軟に調整可能
効率的な配信ができるが、運用や最適化のコストが発生
純広告(予約型)媒体や枠を事前購入し、決められた期間と料金で配信
運用調整はできないが、手間をかけずに安定的に掲載可能

Yahoo!広告では、純広告として一部のお客さま向けに「Yahoo!広告 ディスプレイ広告(予約型)」を提供しています。掲載期間と表示回数を指定でき、同枠の運用型広告より優先的に配信されます。さらに、ブランドリフト調査やサーチリフト調査も付帯できるため、ブランド認知を高めたいキャンペーンやイベントに最適です。

 

純広告について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。


>「純広告とは? 種類と料金形態一覧、メリット・デメリットを解説」を読む
 

6.ディスプレイ広告のメリットとデメリット

ディスプレイ広告のメリット

改めて、ディスプレイ広告における具体的なメリットとを見ていきましょう。大きく5つのポイントをご紹介します。
 

顕在層だけでなく潜在層にもアプローチできる

ディスプレイ広告を活用する最大のメリットは、掲載面の数と多様さです。数多くのWebサイトに広告を掲載することができるため、自社の商品・サービスをより広範囲のユーザーに訴求できます。それにより、これまで広告主の商品・サービスを認知していなかった潜在層のユーザーへのアプローチが可能です。

 

性別や年齢や地域、過去どのようなキーワードで検索したかなど、さまざまな条件でターゲティングが可能です。ターゲティングを組み合わせて親和性の高いユーザーを狙えます。

画像や動画で視覚的にアピールできる

ディスプレイ広告は、画像や動画などのクリエイティブ(表現)を通じて、広告主の商品やサービスの世界観やイメージを視覚的に訴求できるため、表現の自由度が高く、ユーザーの目に留まりやすい特徴があります。さらに、動画など情報量の多い表現を活用することで、商品やサービスの魅力をより分かりやすく伝え、広告効果を高めることができます。

リターゲティングが可能

リターゲティングは、ディスプレイ広告を活用するうえで大きなアドバンテージの一つです。


例えば、一度広告主のWebサイトやキャンペーンページを訪れたものの、別のサイトへ移動してしまったユーザーがいたとします。そのユーザーがディスプレイ広告を掲載しているページAにアクセスした際、広告主はページAの広告枠に自社のバナーを表示できます。ユーザーがそのバナーを目にすることで、商品・サービスの存在を再認識し、再び広告主のページを訪問してくれる可能性があります。

 

このように、すでに一定の関心やニーズが顕在化しているユーザーに訴求できる点は、サイトリターゲティングの大きなメリットといえるでしょう。

 

リターゲティング広告については、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

 

>「リターゲティング広告とは? 仕組みや活用法、今後の動向について解説」を読む

ブランディングや信頼度の向上につながる

Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)を例にすると、Yahoo! JAPANのトップページをはじめ、世界有数のポータルサイトやヤフーとパートナーシップを結んだWebサイト内に広告が掲載されます。信頼性の高いメディアにディスプレイ広告を出稿することは、広告主のブランディングや信用度を示す一つの指標となるでしょう。

 

さらに、ディスプレイ広告を適切に掲載・運用し、継続的に企業や商品・サービスの存在をアピールし続けること自体が、広告主の透明性やブランドイメージに良い影響を与えます。こうした取り組みを通じて、ディスプレイ広告は「顔の見える企業」としての価値を確立する手助けとなります。

クリック単価(CPC)を抑えられる

ディスプレイ広告は、リスティング広告と併用することでクリック単価を抑えられる点も大きなメリットです。顕在層に強いリスティング広告と、潜在層に効果的なディスプレイ広告を組み合わせれば、幅広い層へ効率的にアプローチできます。ユーザーとの接触機会が増えることでクリック数が伸び、結果的にクリック単価を下げることが可能になります。

 

リスティング広告のクリック単価については、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

 

>「リスティング広告のクリック単価(CPC)とは? 最適化の方法も解説」を読む

ディスプレイ広告のデメリット

ディスプレイ広告にはメリットだけでなく、想定されるデメリットもあります。それらを把握したうえで、最適な施策を講じることが重要です。以下に主なデメリットを示します。

リスティング広告に比べるとコンバージョンにつながりにくい

ディスプレイ広告は幅広いユーザーにリーチし、潜在ニーズを顕在化させるのが強みです。


一方で、コンバージョンの観点ではリスティング広告に劣る傾向があります。広告の目的やターゲット、期待する成果に合わせて、どちらの手法を選ぶべきか慎重に検討することが大切です。

表現の幅が広いぶんクリエイティブに迷いやすい

画像や動画などリッチな表現ができるのもディスプレイ広告の魅力です。しかし、選択肢が多いからこそ「どんな表現が正解なのか」で悩むケースも少なくありません。さらに、表現次第ではユーザーにネガティブな印象を与える可能性もあります。制作時のシミュレーションやABテストを通じて、適切に改善を重ねることが重要です。

分析が難しく改善点を特定しづらい

ディスプレイ広告は画像・動画・テキストなど多くの要素で構成されるため、「どの部分が効果を生んでいるのか」「どこを改善すべきか」を特定しにくい面があります。例えば、クリック率が低い場合は、画像やテキストを一つずつ検証して効果測定を行う必要があり、改善に時間がかかる傾向があります。

7. ディスプレイ広告の出稿までの流れ

ディスプレイ広告の出稿までの一般的な流れは次の通りです。

  1. アカウント作成・支払い方法の設定
    広告配信プラットフォームにアカウントを開設し、クレジットカードや銀行振込などで支払い方法を登録します。

  2. キャンペーン設定
    広告配信の目的(認知拡大、コンバージョン獲得、サイト訪問増加など)を選択し、配信地域・期間・予算・入札方法を設定します。

  3. 広告グループ・ターゲティング設定
    広告をまとめる単位(広告グループ)を作成し、ユーザー属性(年齢・性別)、興味関心、購買意向、サイト訪問履歴(リターゲティング)などの条件を設定します。
     

  4. 広告クリエイティブの入稿
    画像バナー、レスポンシブ広告(見出し・説明文・画像を組み合わせて自動生成)、動画広告などを入稿します。広告文やリンク先URLを設定し、表示プレビューで内容を確認します。
     

  5. 審査
    入稿した広告は各媒体のガイドラインに基づき審査されます。文言・画像・リンク先が広告ポリシーに準拠しているか確認され、問題なければ承認されます。

  6. 配信開始・運用
    審査を通過すると、設定したスケジュールと条件に基づき配信が開始されます。

8. ディスプレイ広告を成功させるコツ

 最後に、ディスプレイ広告を効果的に運用するためのポイントを紹介します。

広告の目的を明確にする

広告の目的は大きく「認知拡大」と「コンバージョン獲得」に分けられます。目的によってターゲット層やアプローチ方法が異なるため、最初に明確にしておきましょう。

 

●認知拡大を目指す場合:潜在層に向けて、印象に残るビジュアル訴求が効果的
●コンバージョン獲得を目指す場合:ニーズが顕在化している層にアプローチすると成果につながりやすい

目的にあった配信方法を選ぶ

目的が決まったら、最適な広告手法を選択します。認知拡大にはターゲットの目を引くディスプレイ広告、購入や申し込みなどのコンバージョン獲得にはリスティング広告(検索広告)が適しています。

 

魅力がメリットが伝わるクリエイティブを意識する

ディスプレイ広告では、クリエイティブが成果を大きく左右します。レイアウトや配色を工夫し、ターゲットの興味を引けるデザインを心がけましょう。

クリエイティブ作成時のチェックポイント

●伝えたい内容をひと目で理解できるよう、情報を詰め込みすぎない
●ターゲットに合った配色やフォントを選ぶ
●ブランドのトーン&マナーを守り、統一感を持たせる

成果を見ながら改善を繰り返す

Web広告はリアルタイムで成果を確認できるのが特長です。定期的に成果をチェックし、ABテストなどで広告文や画像を検証・改善していきましょう。

市場や競合の動向によって成果は変動します。PDCAを回し続け、ユーザーの反応を正しく把握しながら効果を最大化することが重要です。
 

ディスプレイ広告のABテストについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。


>「ABテストでディスプレイ広告を改善するには? 方法とポイントを紹介」を読む
 

9.初心者におすすめの「Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)」

画像や動画で商品やサービスの魅力を伝えられるディスプレイ広告は、初心者にも始めやすい広告手法です。ただし、掲載先となるサイトの価値や知名度は施策の成功において非常に重要です。

 

ディスプレイ広告を初めて運用する方には、LINEヤフー株式会社が提供する「Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)」の活用がおすすめです。
Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)では、Yahoo! JAPANをはじめ、提携サイト、LINEアプリやLINEファミリーアプリなど多彩な配信面で、効果的にユーザーへリーチできます。

 

さらに、Yahoo!広告では、ディスプレイ広告を初めて利用する方向けに、無料の設定代行サービスを提供しています。アカウント開設後に申し込むだけで、LINEヤフーの専門スタッフが広告配信に必要な設定を代行。初めての方でもスムーズに配信を始められます。

 

代行内容の例
・新規キャンペーンの作成
・広告グループの作成
・おすすめのターゲティング設定
・画像広告の作成(2種類)

 

「どのような画像を準備すればよいのかわからない」「配信設定に不安がある」といった方にとっても安心のサービスです。ぜひご活用ください。

 

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